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週末の午後

高校時代の友人は、設計の仕事をしている。

なのになぜだか会社で翻訳をする部署に回され、
そこで一緒に働くYOUに悩まされているらしい。

仮にそのYOUをPさんとしておこう。

Pさんは友人の発音を一語一語訂正しながら、話す。
どんな会話も全て彼の『その発音は・・・ちゃう!』に遮られ、
小さな彼らの部署は彼の弾丸トークの独壇場となる。

或る時は『今週末はバーベキューやろうよ』と誘ってきた。
友人は几帳面なので、早速自宅の庭に設置するバーベキューコンロのことなどを考え、
旦那に都合を聞き、パーティーのメンバーに頭を巡らせたそうだが、
散々2人で計画を練った挙句、
『・・・・・・・ってことで、ジョークだから~~。バーイ!』と去っていった。

毎日毎日彼女は笑いと歯ぎしりの狭間で仕事をしている。

私ともう一人の友人は『Pさん』が目に浮かぶようで、大爆笑だ。

新手のギャグと嘘を仕込んでは職場にやって来るYOU。
NYで生まれ、世界中を転々としている彼は、『世界中に彼女がいるんだ』と豪語するそうだが、
週末に彼が何をしているのかは会社の誰にも謎のままだそうだ。

さて、いちいち発音にケチをつけられ、いい加減頭に来た友人は、
『あたし、今人生で一番英語勉強してんのよっ!』と鼻息荒くPにギャフンと言わせるために
努力を続けている。

そんな友人の話に散々笑わせてもらった私は、ある日1枚のチラシを貰った。

「英語観光ガイド養成講座」と書いてある。

週末に1時間半ずつ11月まで5000円で英語を習うことができるという。

講師は英国随一を誇る大学を卒業後、米国随一の大学で博士号をゲットというバリバリのイギリス人。

素敵な発音に触れることができて英語が上達するなら5000円は安い。

私は友人に「こんな講座あるけど、どう?」と「お知らせ」をし、
『Pさん』に逆襲をもくろむ彼女は即それに乗った。

さて、土曜の午後、ちょっと緊張しながら会場に座った私たち。

「英語観光ガイド養成講座」は、美しく聞き取りやすい英語の弾丸トークで
1時間半をジェットコースターのように駆け抜けた。

「英語観光ガイド養成講座」とは、先生の「観光地オタク」と「大学での専門分野」が見事に結合した『講義』を只々黙って聞くものであった。
あとは自分たちでレジュメにある英語に肉付けし、「専門用語による専門知識」を外国人観光客に話せるように勉強しろ、というのだ。
観光地の話なのに、あまりに専門的過ぎて、彼の論文の一部であるらしい資料に載っている単語は、携帯の英単語帳にすら載っていない。

参加者はほとんど私たちより年長の、仕事をリタイアしているに違いない方々のようだったが、皆適切な場面で頷き、笑っている。

こんな年齢で(失礼)弾丸英語についていけるんだ・・・・・・・・・・・・・・・・。

友人と私は、自分たちが住む町の『観光地』の知識を6世紀あたりまで遡ってその道のYOUに教えられ、
とんでもない『場違い感』でフラフラになりながらオットというタクシーを呼んだ。
帰りにお茶するのを楽しみにしていたのに、もうそれどころではない。

覚えたところで到底『Pさん』には使うチャンスもない専門用語を英語で覚えてくるように宿題を出され、
オットタクシーの中で友人と私は其々が聞き取った『講義』の内容を確認し合うのに忙しかった。

別れ際に『また来週ね~~~~!』と言った私に、友人が
『えぇ~~~~~!?』と叫んだのも、無理はない。

友人のリベンジ、道のり遠し・・・・・。






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