FC2ブログ
Welcome to my blog

「ガス燈」の旋律

イングリッド・バーグマンが1944年アカデミー主演女優賞を得た映画。

gaslight.png


Movie Walkerより

「ガス燈」
1947年6月公開

1870年のロンドン。オールクィスト家に起こった歌手アリス・オ ールクィスト嬢の殺人事件は未だ犯人があがっていなかった。アリスの姪ポーラはグレゴリー・アントンと結婚したが、良人の言に従い問題の家で結婚生活を営むことになった。ある日ハンドバックに入れたはずの首飾りが紛失して以来、グレゴリーはポーラが自分のしたことを少しも記憶していないといってことごとに彼女を責めた。そのあげく、彼女も精神病で死んだ彼女の母と同じく次第に精神が衰えて死ぬだろうというのだった。ポーラは良人の言を気にしながら一人不安な日を送っていたが、次第に自分の精神状態に自信を失い、夜ごとにポッと薄暗くなるガス燈の光も、天井に聞こえる奇怪な物音も、自分の精神の衰えているための錯覚かと焦燥にかられた。ある夜久し振りで良人と出かけた知人宅で時計を隠したといって良人から辱しめられたとき、彼女は堪え難い悲しみに襲われたがその様子を注視している若い男があった。彼はブライアン・カメロンという探偵で、少年時代憧れていた名歌手アリスの殺人事件には非常な関心をもっていた。彼はある夜グレゴリーの外出中家人の制止もきかずポーラに会い、彼女の叔母の事件についていろいろとポーラに語ってきかせ、また、彼女が決して精神に異常を来しているのではなく、良人の策略にすぎないこと、夜ごとに暗くなるガス燈の光も良人が閉鎖された屋根裏の部屋にいるためであることなどを説明した。ブライアンがグレゴリーの机をあけてみると、彼女が隠したと良人から責められた数々の品物が現われ、20年前のこの家の殺人事件にグレゴリーが重大な関係を持っていた事実を説明する手紙も発見される。やがて探し求めていたダイヤモンドを手に入れて現われたグレゴリーはブライアンに捕まえられるのだった。

スタッフ
監督 ジョージ・キューカー
脚色 ジョン・ヴァン・ドルーテン 、 ワルター・ライシュ 、 ジョン・L・ボルダーストン
原作戯曲 パトリック・ハミルトン
製作 アーサー・ホーンブロウ・ジュニア


キャスト
Gregory_Anton シャルル・ボワイエ
Paula イングリッド・バーグマン
Brian_Cameron ジョゼフ・コットン



シャルル・ポワイエ扮する夫グレゴリーはピアニスト。
彼の陰湿なマインドコントロールでバーグマン演ずる妻ポーラは正気を失ったように思いこまされる。

ポーラは病気だからと訪ねてきた知人にも会わせてもらえない日々が続く。
一人部屋に残されることを怖がるほど追い込まれた彼女が追いすがってもなお、作曲のためだと夜の町に出ていくグレゴリー。


夫が外出すると「ガス燈」が急に暗くなるのは外出したと見せかけて宝石を探す夫が屋根裏にいる時のトリックだった。
ポーラの叔母を殺し、彼女の宝石を狙って跡継ぎである姪のポーラまで破滅に追い込もうとしたのは夫グレゴリーだった。

グレゴリーが家でオペレッタなどを弾いてみせる。
楽しそうに音楽に合わせて歌うポーラに、いきなりグレゴリーのピアノが止まる。
妻を責める夫の言葉は、ピアノの音が止むと同時に始まる。
ピアノの音は妻の感情を揺さぶる鍵だ。

ある時、ポーラの家と昔懇意だったダルロイ邸でのコンサートに招かれたグレゴリーとポーラ夫妻。
グレゴリーはポーラを病気と偽り断りの返事を出すが、ポーラは一人でも行こうとする。

この映画で出色だと思ったのは、結局二人で出かけたダルロイ邸でのコンサートのシーン。
ピアニストが弾くのは「ショパンのバラード一番」。
バラード一番が流れる中で、ポーラが知らない間に夫の時計がなくなり、その時計はポーラのバッグに入っていた。
混乱して取り乱すポーラを責めつつ、周囲に「妻は具合が悪い」と言いながらポーラを連れ出すグレゴリー。

ポーラの恐怖と混乱をこの「バラード一番」の緊張感あふれる旋律が伝える。
格調高い、けれど緊迫した場面だ。

自分が狂気に陥っていると恐れるポーラ役のバーグマン、迫真の演技。
バラ一は美しいだけの曲ではなく、こんな場面にもぴったりだったのだ。



格調高いバラ一が秘める狂気の一面。

グレゴリーは宝石目当てにポーラの叔母を殺害し、跡継ぎのポーラまでも宝石のために病院送りにしようと画策していた。



グレゴリーは最後まで残酷だ。

「僕らの間にあったのはあの宝石だ。炎のように頭の中で君との間を隔てていた。宝石に取りつかれて。なぜだろう。」




関連記事

Comments 0

Leave a reply