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一冊~にさつ~

この1週間、仕事に追われていた。
PCを開くと疲れてくるので、夜は本を読んでいた。

面白かったのは

山ン本 眞樹
「怪の壺 復刻版: あやしい古典文学」

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とにかく一つの話が短い。
短いが、とびきり怖いし不気味。
みな参考文献や資料が残されている話の書き起こしである。
こりゃドッペルゲンガーじゃん、という話や、
え?もしかして地球外生命体?円盤?宇宙人?とか。
海の生き物と人間の交じわる話とか。
日本人が大自然と「夜」「闇」をいかに恐れていたかが伝わる小編集だ。

小川未明にも似た話があるが、
あんなにロマンティックでもない。

人間と人間でないものが逢魔が時に出会う一瞬、
それがごくごく短い逸話の中に次々に現れる。



重松清
「卒業」

瀬尾まいこ
「図書館の神様」

浅井リョウを2冊。
「桐嶋、部活やめるってよ」
「少女は卒業しない」(再読)

あとは、西加奈子「サラバ!上・下」。

重松清はともかく、自分より若い作者の作品は、どうしても粗の方が見えてしまう。

ただ、浅井リョウの「桐嶋」も、西加奈子の「サラバ!」も、書かざるをえない気持ちは伝わる。

もう一つ、
映画「2001年宇宙の旅」を思わずまた見直してしまうことになった本が

徳井いつこ
「ミステリーストーン」
mistery stone

こちらも参考文献の多さに驚く。
世界は石でできていて、石によって回っているのかもしれないと思ったほど、
石の世界にグッと引き込まれる。

宮沢賢治の描く世界が石のキラキラに満ちている理由、
ユングと錬金術への開眼、
インディアンの伝説、
そして
「2001年宇宙の旅」で超強力な信号を送ったとされる「1:4:9」で出来た板状の巨大石「モノリス」。
この映画の難解さはアンサイクロペディアに面白おかしく書かれているが、
本書的見解によれば、このようなことらしい。

“この映画が二十世紀を代表する作品になり得たのは、人間と石板の関係が、ユングの言葉を借りるなら人々の心の「元型的なるもの」を強く喚起したからにほかならない。”

徳井いつこ 「ミステリーストーン」 筑摩書房より



普通にあの圧倒的な映像だけで永久保存版にしておきたい映画になったのではないかと思っていたので、驚いた。

他にもかのマリーアントワネットを悲劇に導いた(かもしれない)宝石の話や薬になる石、
とにかく石、石、石のありとあらゆる逸話が飽くことなく語られる。

あとがきは映画「ベルリン・天使の詩」が象徴する石の話。

何かを徹底的に好きな人の書くものは、もうそれだけで面白い。

という、なんともオチのない読書録。





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