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反骨精神

「反骨精神と歩んだ大西勝敬の指導者人生
フィギュアスケート育成の現場から」12~13


松原孝臣さんの記事の続きを楽しみにしていて、ようやく大西コーチの巻の終わりまで読むことができた。

大西勝敬さんは、例のミノルと同世代の男子フィギュアスケートの元選手。
40年にわたりコーチとして選手育成に携わっているが、町田樹の指導に加わったことで特に昨今(私のようなニワカにも)知られるようになったと思う。

主に町田樹について述べてあるところと、最後は「スケートにおけるスケーティングの大切さ」に関する部分。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201512010008-spnavi?p=2

~前略~

スパルタから指導スタイルが変化した大西のもとにやってきた選手がいた。ソチ五輪シーズンを前に悩んでいた町田だった。


 以前の取材で、大西は当時をこう振り返っている。

「『何が目標や』。そこから話は始まりました」


 話す中で、もっとも気にかかったのは町田の意識だった。

「とにかく弱気だった。『僕は6番目ですから』とか、そんな発言ばかり」

 そこから変えようと試みた。


町田の「覚悟」、大西の「勝負へのこだわり」

 指導にあたっては、町田の頑固さを理解し、伝え方を工夫した。ストレートにスケートの話をしても受け取ってくれないだろう。だったら他の競技をたとえにしよう。

 そんな柔軟性は、スパルタを脱した大西だからこそだった。


 一方で、勝負へのこだわりは変わらなかった。町田を勝たせたい、そう考えていた。

 大西は、当時をこう語っている。

「まさに命懸けの練習でしたね」


 町田も当時をこう言葉にしている。

「これ以上はできないというくらいやりました」


 そこまで突き詰める練習をなしえたのは、町田の「覚悟」、大西の「勝負へのこだわり」、つまり選手を勝たせたいという執念の融合でもあった。


「自分のスタイルを、ただ一辺倒じゃなく選手ごとに見るように変えることができたのは、命がけで教えてきて、ときに苦労もあって、そんな経験を積んだからかもしれないですね」


 ふと、大西は言う。


 町田がソチ五輪へとたどり着いたのは、大西がとことん教えたスケーティングの向上にもあった。


 今、大西は、スケーティングをめぐり、日本のフィギュアスケートの今後に、危惧(きぐ)を抱いていると言う。





http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201512150001-spnavi

“血統”を継ぐ大西勝敬の決意
フィギュアスケート育成の現場から(13)

松原孝臣
2015年12月17日(木) 11:00


指導で最も大切なのは、「基本を教えること」


山本草太もかつての教え子の1人。大西のもとでスケーティングを磨いた。

 その理由を明かす前に、大西は、指導で最も大切なのは、「基本を教えること」と言った。スケーティングを重視する。


 町田樹の指導においてもそうだった。


 以前、大西はこう語っていた。

「僕ね、あの子を預かることが決まってから、過去の滑りの映像を何日も徹夜して見たんですよ。徹底的に見て分かったのは、よくこれであの位置にいたな、ということ。それくらいスケーティングが下手だった。それがいろいろなところに派生していた。でもジャンプは上手だと分かったし、ここをこう直せば戦えるな、じゃあこうやっていこうと決めたんです」


 町田は毎日、コンパルソリー(氷上を滑り、スケートのエッジで定められた図形を描いていく)にも取り組むことになった。それがもたらした成果は、ソチ五輪シーズン以降の町田の滑りが雄弁に物語っている。


 現在は長久保裕のもとにいる山本草太も教え子の1人だ。高校1年生の山本は、昨シーズンの世界ジュニア選手権で銅メダル、今シーズンのジュニアグランプリファイナルで前年の銀メダルに続く銅メダルを獲得するなど、次代を嘱望される選手である。


「小学2年生の頃からですね。スケーティングをよくしましたよ。ジャンプが跳べない頃から、スケーティングは相当やりましたし、あまり好きじゃなかったサークル(氷上に円を描くこと)もやらせた」


 山本はスケーティングに関しても評価を得ている。それは大西のもとで、磨かれたものだった。


「練習はかなりやったけれど、能力が高いからよく吸収した。優秀だったなあ」


 大西が練習においてスケーティングを大切にしているのは、自身が選手であった頃の教えにある



恩師・山下艶子、佐藤信夫の教え

大西は、スケートを始めてから、当時有数の指導者だった山下艶子に指導を仰いできた。山下は佐藤信夫が選手であった頃に指導した人でもある。


 山下のあと、大西は佐藤の指導を受けた。山下、佐藤の指導は共通していた。基本を大切にすることだった。


「山下先生にはコンパルソリーを手取り足取り教えていただきましたし、自分の頭の中に基本を植えつけていただいたのは、山下先生、そして佐藤先生のおかげです。つまり、同じ血、同じ血統なんです。山下先生、佐藤先生、僕、(小塚崇彦の父の)小塚(嗣彦)さん。小塚さんの息子さんも、その血統にありますね」


 そのあと、大西は、自身を“ぺえぺえ”と言った理由を説明した。


「佐藤先生をはじめ、山田(満知子)先生、長久保先生、僕よりご年配の方がスケート界を支えています。だから僕なんて、ぺえぺえなんです」


 そう思ったとき、大西は1つの疑問が浮かんだという。

「じゃあなぜ、年配の方々が今も支えているんだろう、そこに割って入る若い指導者が出てこないんだろう」


 考えていくうちに、答えが浮かんできた。

「佐藤先生をはじめ、共通しているのは、フィギュアスケートの基礎が頭に、体の中に入っているということです。だから上手に伝えて教えられるんだろうなと思う。そこまで体に染み付いていなかったら、どうしても理屈というか講釈をつけて教えざるを得ない。それだとうまく教えられないですよね」


 息を継ぐと、大西は続ける。


「(11月の)全日本ジュニア選手権に行ったとき、他のリンクで教えている人と話をしていて、『やっぱり基本が大事だよね』という結論になりました。基本ができていないというのは、上の方に行ったときにばれてしまうんですよ。

4回転を跳べた、3回転を跳べたといっても、上位になっていけば、みんなが跳んでくる。そうなるとどこで差がつくかと言えば、ステップやスピンなどです。

そのとき、慌ててスケーティングに取り組んでも手遅れ。たし算が分からないのに、掛け算ができるわけはない。佐藤先生たちともそういう話をするんですけど」



その血を絶やさないように

だから思う。


「37、38あたりより歳が下の人は、コンパルソリーを知らない。今後、基本を教えられる人が減っていくと、危険ですね」


 そう感じるからこそ、大西は、今、こんな抱負を抱いている。

「早く若い子を育てないと」


 それは選手を育てるという意味だけではない。

「いつまでも佐藤先生たちに頼っているようじゃね。若い指導者に台頭してほしい。自分も指導者を育てるような歳になってきたなと思います」


 好きではなかったのに、選手であった頃も含め、50年を超える時間をフィギュアスケートに費やしてきた。


 今も好きではないのだろうか。そう尋ねると、笑ってこんな答え方をした。


「僕はね、親に感謝しているんですよ。スケートを始めたとき、僕に許可もなくですが(笑)、山下先生に習えるようにしてくれた。親の方針として、何でも一流のものを勉強しないといけないというのがあったからです。だからここまで来られた気がします。ものごと、何でも一流に学ぶことが大事じゃないですかね」


 山下に教わり、おそらくはそのことによって佐藤からも教わり、そこで得た指導を自身の財産にして、“同じ血統”の指導者として、スケート界にいる。


 そして今、その血を絶やさないようにと考えている。



この、至極まっとうな大西コーチのお話。

スケート靴を履いたことなんか何十年も前に2、3回くらいしかない私でも頷ける。
だって、どんな世界でも基本が大事なのは同じだから。

では何故フィギュアスケートのファンは、こんなにも採点に疑問を持つのだろう。
4回転を美しく跳ぶ選手がどんどん増えているにも関わらず、
採点がインフレしすぎてこの先どーなるのか?とまで心配するほど
素晴らしい高得点に恵まれたにも関わらず。
ただただ嬉しいとばかり、思えないのだろう。

大西コーチが話しておられたこと。
これが、SSに対する評価だったり、PCS、GOEという、「ちんぱん裁量」の評価への疑問と結びついてしまうのだ。

「4回転を跳べた、3回転を跳べたといっても、上位になっていけば、みんなが跳んでくる。そうなるとどこで差がつくかと言えば、ステップやスピンなどです。 」

本当ならそうなんだろうけど、実際採点はそうなっているのだろうか?

選手と試合によって、違っているんじゃなかろうか?

ってなことを、日曜日に考えている私も、どうかと思うけど。
全日本を前に、
浅田選手が勿論ジャンプだけではなく、スピン、ステップ、スケーティングの全てに長けた選手であり続けてきたにも関わらず、
国内で真っ先に「落とし」にかけられる選手であることの不思議。

スケ連内部の人間が先頭切って、マスコミ向けに公式に「発表」する選手と、裏から「リーク」させる選手の違い。



今、浅田真央はフロンティアなのだ。
今は彼女の前に、前例となる道がないだけ。
その不安、その葛藤。

そこに的確なアドバイスをしてあげられる人がそばにいないことが年若い女性にとっては辛い。

前例のない道を行く彼女に、焦る必要などないと思う。

「若手の台頭」と言うならば、
10年、若手であり続けてから言えばいい。

女子のジャンプも高難度時代と言うならば、
10年、公式戦で3Aを跳び続ける選手が主流になってから言えばいい。

たった一人の、他にない選手が、
前例のないチャレンジをしているのだから。
「マッスー・ゴミニュゲーション軍」も、そこに資金を流す組織も、上げるにしろ下げるにしろ、黙ってりゃいいのだ。


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Comments 6

きょうこ  
1

こんにちは。

大西コーチの記事、ご紹介ありがとうございます。

読んでいて、町田君の引退を大西コーチはどんな気持ちで受け止められたのだろうか、とか考えて泣けてきました。

キャシーの記事もそうですが、こういうちゃんと取材した「普通の」記事がありがたいです。

真央ちゃんに関して、セクハラめいた記事もありましたが、もういい加減にして!と言いたくなりますね。

2015/12/20 (Sun) 15:12 | EDIT | REPLY |   
mikaidou  
Re: 1

きょうこ様

こちらこそ、読ませて頂きましたよ~~!
ジュピター進化版(?)の記事、ありがとうございました。
ワクワクしますね。

まっちー引退は、
色々思うところがあったんだろうなと思います。
コーチにとっても、辛かったでしょうね。

雑誌もネットも、まともな取材ではもう稼げないしくみになっているんでしょうか・・・。
他の競技のスター選手に同じやり口で嫌がらせをする裏方がいるでしょうか?
全く信じられない世界で、真央ちゃんは生きていますよね。
ほんとに、奇跡です。

2015/12/20 (Sun) 21:39 | EDIT | REPLY |   
sona  
彼女の存在が最後の希望

そうです。スケートは滑ってこそです。

今の男子は超高難度ですが、パトリックが言っていた通り、記憶に残るのはスケートではなく、ジャンプって感じです。

ゆづは、確かにすごいジャンプ構成をかなりの確率でこなせるようになりました。でもスケート自体は、カナダに行く前より上達したかと言えば、どうでしょう?
正直心をつかむスケートではないのです。

ゆづのクワドをガンガン跳んで後半3Aコンビネーション入れる演技より、私は小塚君の演技が見たいんです。そして、これは夢のまた夢の話ですが、高橋君のスケートが見たいのです。テクニック、スケーティング、ダンスの才能。そしてカリスマ。あぁやはり、高橋君のスケートが・・・見たいなぁ。

真央選手。そうです。彼女こそが究極のスケーター。同じ時代に生きて、これ程の奇跡の様に美しい、完成度の高い、そして無垢なアスリートがいるでしょうか。彼女こそがスケートが今後スポーツとして存続できるかどうかの、最後の砦。最後の希望だと思います。

2015/12/20 (Sun) 23:58 | EDIT | REPLY |   
mikaidou  
Re: 彼女の存在が最後の希望

sonaさま

高橋君クリスマス・オン・アイスの演技がつべでUPされるでしょうね。
楽しみです!
彼が競技者でいた間に、スケートを見ていることができて、本当に良かったと思います。

こづこづも「血脈」を継ぐものとしてまだまだ頑張っていてほしいです。

真央ちゃんについては、ファンは黙っているわけにはいきませんよね。
彼女が希望なら、その希望を捨てるわけにはいきません。

蛆は絶対に認めませんが、あの局の凋落ぶりには、
日本人の本音が表れていると思うのです。
同じように、スケ連も、わが世の春は一時だけ。
必ずツケが回る時がくると思います。

2015/12/21 (Mon) 13:21 | EDIT | REPLY |   
chocoacco  
希望はあると信じたい

貴重な内容の記事
ありがとうございます。

まっとうすぎて辛い…

諦めたはずのマッチーの引退が
やっぱり惜しくてなりません

スケートに限らず基礎って大切ですよね

ましてフィギュアは芸術です

どんなにジャンプが跳べたって
「すごーい」
としか思わないのです。

ステップが行方不明だったり
キメ顔だけ記憶に残ったって…
(ハッ!誰とは言いませんが両方に共通している!)


例えばジャンプの伊藤みどりと言われた
みどり神の演技が今も心に残ってるのは
ジャンプだけじゃなかったからだと思ってます

ま、ジャンプだけでもみどりの方が

「す、すごい!!!」

と感動しましたけどw

まして真央ちゃんと高橋君なんて
どれだけプログラム名を挙げられることか!


それにしても、やっぱりコーチ陣も
今後のフィギュア界を危惧してらっしゃるんですね

たしかに真央ちゃんは最後の砦なのかもしれませんが

ショーマやサットンのような若い選手を見ても
そこは大丈夫なんじゃないかと感じるのです。

ちゃんとした指導者がついてるから。

あんな点数目指すことも超えることもしなくていいって
わかってる気がするんです。

2015/12/21 (Mon) 16:04 | EDIT | REPLY |   
mikaidou  
Re: 希望はあると信じたい

chocoaccoさま

>ショーマやサットンのような若い選手を見ても
そこは大丈夫なんじゃないかと感じるのです。

>ちゃんとした指導者がついてるから。

>あんな点数目指すことも超えることもしなくていいって
わかってる気がするんです。


うう、涙が出そうです( ;∀;)

ショーマ、サットンも、ジュニアの皆さんも、すくすくと育つように、
若い先生たちには頑張ってほしいです!

つか、頑張ってますよね!


血脈に「こづこづ」入ってたのにも感動しました。

日本のフィギュアスケートを、
裏で支えてきた人たちも報われるようになるといいなと、
こういう記事を読むと思います。




2015/12/21 (Mon) 22:59 | EDIT | REPLY |   

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