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バカ息子たち

大雨で、大変なことになっている。
信じられない光景。

救助を待つ方たちの気持ちを考えると、
胃がキュッとなる。
一人でも多く助けたいと
救助の方々も必死だろう。
どうか助かりますように。



オットの実家も大きな川の傍にある。
舅は昔ダムの決壊を経験していたので、
実家の建て直しの時は、地盤から作り直した。

近所の人から笑われたそうだが、
それでもひときわ高くし直した土地に、家を建てた。

舅が亡くなって、7回忌を迎えた日、
また大雨で河川の氾濫が起きた。
法事で集まっていた私たちもみな、避難所に逃れた。

それでも、舅の建てた家は、近所で一件だけ、床上浸水を免れた。

オットはニュースを見ながら男泣きに泣いている。
色々、思い出すことがあったらしい。

水ほど恐ろしいものはない。
偉い舅だったと思う。

そんな舅に、顔だけはそっくりに生まれたのが
我が家の息子である。






私の息子はサルだった
佐野洋子/著 新潮社 2015年

佐野洋子さんの死後見つかった原稿で、息子さんに関するものを集めて編まれた本。
思春期になった息子さんから、「オレのことは書くな」と言われ、
それでも佐野さんがこっそり三人称で書きためていたものらしい。

本の帯に西原理恵子さんが書いている。

「佐野さんは、100万回息子を抱きしめ、100万回突き放す」

今、その本を同僚に貸しているため不確かなのだが、
多分、このように書かれていると思う。

帯で本を買ったようなものだ。

最後の息子さんの「あとがき」がとても素敵だ。
表紙も息子さん作。

甘くなく、でも、優しい。


仕事の休憩中にこの本を読んでいたら、
普段は物静かな同僚が、

「それ、どんな感じですか?」と。

私も読みかけだったので、
「うーん、私の息子もサルだったんで、読んでるんですけど。
帯もサイバラさんで、つい読みたくなって。
ま、サルの本です。」

すると物静かな彼女が突然、
「うちのも!
うちも手のつけようのないサルだったんです!
サイバラさんの『ああ息子』読みました?
あれを何度も読んで、自分を慰めてきましたっ!」

驚きだった。

「私もっ!」
思わず手を取り合っていた。

その時、やはり男の子を持つ少し若い女子が寄ってきた。
「息子の話なんですか?」

物静かさんが、いつもの彼女とは別人のようにデカい声で言った。
「そうそうそう!お宅も息子さんよね。サイバラさんの『ああ息子』はいいわよ!
ゲラゲラ笑って、ああ、明日も生きていけるって、思えるわよ。」

ほそーい彼女の身体からほとばしる勢いがまた、
驚きだった。

その日、我が家にある『ああ息子』を若い方の女子に貸すことを約束し、
本棚から久しぶりにその本を手に取った。

どこから読んでも、いまだに笑える。

今、これを息子が読んだらどう思うだろう。

読ませてみた。

笑わない。

真面目な顔して読んでいる。

「これさ、いい話だよね。」

「は?」

どうやら、彼が開いているのは
「○んちがもれそうな男の子」のページだ。

「これが、いい話か?」

「うん。オレなら、もう漏らしてるか、振り切ってトイレ行ってる。」

「爆笑でしょ?」

「いや、オレも、昔、一生懸命だったなって。
毎日が、一生懸命だった。
なんか、そういうの思い出した。
必死だったこと、思い出した。
これは、いい話だよ。」

「・・・。」

「母ちゃんには他人事だろうけど、
オレたち、一生懸命やってたんだ。あの頃だって。
これ、オレには笑えない。」


ちょっと、泣きそうだった。

翌日、その話を物静かさんにした。

「・・・当事者って、そういうものだったのかなあ。
その本、次は私に貸してね。うちのはもうないから。
うちのバカ息子にも、読ませてみよう。」

清野とおるの「バカ男子」、
青沼 貴子の「かわいいころを過ぎたら」

この2冊と、佐野さんの本をとりあえず彼女には渡した。

「ああ息子」は若い女子ママに。

わが子を、「バカ息子」と呼んではばからない同僚に、
なんだか救われるような、ホッとするような、
不思議な気持ちだった。

息子との距離を測ることは、難しい。

どんどん成長していく一方、
ひょっこり子供のままの部分も
危うさを含んで残る。

自分の心の内を言葉にすることもあまりなく。
どう扱ってよいのかわからなくなることもある。

「男の子は違う星から来たと思わなくっちゃ、やってられないわ。」
物静かさんが言った通り。








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Comments 5

mikaidou  
Re: 1

鍵コメさま

コメントありがとうございます。

ブログリンク、差支えなどございません。
よろしくお願い致します。

弟さん、お母様にとっては永遠の「愛すべきバカ息子」さんだったのですね。

>それにしてもmikaidouさまは
いつも息子さんを観察するように
書いてらっしゃいますね(笑)

子どもは育てるもんだと思っていたら、
おてんとさまの下、勝手に育っていくもんだと思うようになったので。

あとは観察したり、
つついたりするくらいしかすることがなくて(^^♪

そういえば、以前に書かれていた弟さんのご容貌に、
息子はどうやら似ているようです。

そちら系統の、顔なんですよ。


2015/09/11 (Fri) 21:40 | EDIT | REPLY |   
chocoacco  
mikaidouさま

ありがとうございます!

早速リンクさせていただきました。

>そういえば、以前に書かれていた弟さんのご容貌に、
息子はどうやら似ているようです。

そちら系統の、顔なんですよ。



不思議ですね〜(‐^▽^‐)
私の弟はさらに地黒ですw

2015/09/12 (Sat) 18:02 | EDIT | REPLY |   
mikaidou  
Re: mikaidouさま

chocoaccoさま

弟さん、地黒ですか!
うちもなんです・・・(^^♪

それにしても、chocoacco様のショートヘア、
ジーン・セバーグのようですね。

素敵です。

2015/09/13 (Sun) 07:33 | EDIT | REPLY |   
chocoacco  
mikaidou さま

ジ、ジーン・セバーグ!
ととととんでもないです!

でも彼女はゴダールを観漁った
私の学生時代の憧れNo.1でした。

ブログも読んでいただけて感激です。
ありがとうございます(〃⌒∇⌒)ゞ

またコメントさせていただきます。

2015/09/14 (Mon) 10:09 | EDIT | REPLY |   
mikaidou  
Re: mikaidou さま

chocoaccoさま

> ジ、ジーン・セバーグ!
> ととととんでもないです!
>
> でも彼女はゴダールを観漁った
> 私の学生時代の憧れNo.1でした。

よかったです(^^♪
せっかく素敵なケイティ・ペリーの話を書いていらっしゃるのに、
何を昔の女優さんの名前出しちゃったんだろう、と
ドキドキしていました。

2015/09/14 (Mon) 18:21 | EDIT | REPLY |   

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