FC2ブログ
Welcome to my blog

ハーレムパンツ

このところ、ダウントン・アビー(Downton Abbey)にハマっている。

以下はネタバレも含みますので、ご覧になっておられない方はスルーでお願いいたします。

Downton_publicity_landscape20final_20no20text-thumb-700x558-204.jpg



登場人物の鮮やかさ、風景、屋敷、衣装の美しさ。
タイタニック号沈没のニュースで始まる20世紀初頭の世相を盛り込んだストーリー展開。
どれをとっても面白くないわけがない。

私が見ていて一番気持ちが良いと感じるのは、当主グランサム伯爵をはじめ、「心ある人間」が各所に必ずいるところ。
巨大な渦を巻く人間模様と次々に起こる事件、その波紋に疲れることがないのは「良心」という救いがあるからだ。

見ているこちらは、そんなに旨いこといくものかと思いつつ、勧善懲悪を望んでいることにいつの間にか気が付く。
視聴者の希望を叶えることもあれば思い切り裏切ることもある。
そうして壮大なツンデレの世界へと誘い込まれてしまうわけだ。

群像劇なので、誰か一人に共感を覚えるということは難しい。

downton2.png
グランサム伯爵夫妻


fc2blog_20150621020917e42.jpg
夫妻の3人娘

強く、魅力的だが複雑な内面を持つ長女。
姉の影のような自分への劣等感と戦う次女。
女性解放を胸に秘め、新しい時代を切り開こうとする三女。

『「若草物語」のように仲の良い姉妹になるかと思ったら・・・。』と伯爵夫人が嘆くシーンもあった。

何故「若草物語」?と思ったら、伯爵夫人はアメリカの大富豪の娘だった。
で、伯爵夫人コーラのお母様役は、なんとシャーリー・マクレーン。

ハリー・ポッターシリーズではマクゴガナル先生を演じたマギー・スミス演じるグランサム伯爵の母との、丁々発止の戦いが見もの。

downton.png
伯爵夫人と娘たち

さて、私がシーズン1で目を見張ったのが三女シビルの仕立てた新しいこのドレス。

ダウントン・アビーのドラマ中のこのシーン。
ニジンスキーもバレエ衣装にしたハーレムパンツが女性用にデザインされ、「女性参政権運動」に傾倒していた伯爵令嬢が自分らしいドレスをと、このデザインで作らせた。
それを初めてお披露目する、写真はそういう光景なのである。

sybil pants

lady-sybil.jpg
使用人も家族も茫然。

伏線として、三女シビルがドレスを作っている話が数回家族の話題に出ている。
シビルはコルセットを「苦しいから緩めて」、とメイドに頼む。
コルセットからの解放。
ココ・シャネルの時代へと向かう萌芽。
そして皆が食事会に出かけようと待っているところへこの斬新なパンツスタイルで現れる。

どなたかの衣装を思い出しませんか?
mao6_2.jpg



ラルフ・ローレンマガジンサイトより
http://www.ralphlauren.co.jp/rl-magazine/downton-style

こちらにダウントン・アビーのコスチュームデザイナー「スザンナ・バクストン」さんのインタビューが一部掲載されている。


「優れた服が最高の仕事をするのは、ファッションに驚く瞬間-例えばシビル婦人がポアレに触発されたターコイズ色のハーレムパンツ姿でディナーに現れた時-です。着る人の性質について本質的真理を明らかにするのです」



確かに服はその人を表す。
時に、本質を。


Lady-Sybil-in-Paul-Poirets-Harem-pants-vintage-300x241.jpg

Downton Abbey Fashion – Lady Sybil – Paul Poiret and those Harem Pants
http://glamourdaze.com/2012/10/downton-abbey-fashion-lady-sybil-paul-poiret-and-those-harem-pants.html
こちらから超意訳。


「ポール・ポワレのハーレムパンツ」と呼ばれるこの衣装が、一躍有名になったのは1911年。
バレエ・リュスの「シェヘラザード」からインスピレーションを得たことは否定されていない。
ポワレの才能はこれを婦人用のパーティードレスとして採用することを良しとしたが、偶然にもそれは20世紀の「女性政党」(女性の自立)にふさわしいドレスを生み出すこととなった。



Ballet-Russes-leon-bakst-216x300.jpg
Poiret-harem-pants-1911-136x300.jpg
http://glamourdaze.com/2012/10/downton-abbey-fashion-lady-sybil-paul-poiret-and-those-harem-pants.html
写真は上記サイトからお借りしました。

54.jpg
真央シェヘラのパンツ衣装、人気もあったが、歴史もあったわけで。

点と点がつながると本当に面白い。


シビルの新しいドレス、やはり元はシェヘラザードからヒントを得たものだったよう。

女性参政権集会に参加したり、自ら政治活動家を称する運転手と駆け落ちしたりと当時の先端を行くシビルは、子供を産むと同時に命を落とすが、これは自らの女優生命を考えたシビル役のジェシカ・ブラウン・フィンドレイの希望による降板のためだそうだ。

シビル役のジェシカ、とても素敵な女優さんなので、これからもテレビや映画に引っ張りだこかもしれない。

関連記事

Comments 5

翡翠  

私も夢中になっている一人です。
NHKでも見ていましたが終わってしまって空虚になってしまっていたところ、CSで一気放送があってシーズン1を
見直しましたが、後でどうなるか分かった上で見るのも
なかなか面白いです。
シビルも三人姉妹の仲で一番可愛くていいお嬢さんだったのにあんなことになるとは・・・。女優さんのキャリアの
都合だったのですね。物語上、容赦ないなあ・・・と
残念に思っていましたがそれならば仕方ないですね。でももっと出てほしかったなあ。
真央ちゃんとシェヘラザード・・・そう、あの衣装はとても
印象的でしたね。シビルの衣装と繫がりました。
興味深い記事を有難うございました。

2015/06/21 (Sun) 22:42 | EDIT | REPLY |   
mikaidou  
Re: タイトルなし

翡翠様

コメントありがとうございます。
ダウントンは何回見ても発見があるので楽しいですよね。
ドラマとしてはジェットコースターですが、
美しくて、落ち着いて見ていられます。

良質なドラマが次々出てきているのに、国内の放送は相変わらずですね。
今の若い人達は偏った報道、番組編成の中で育っていますが、
この損失は計り知れないと思います。

2015/06/22 (Mon) 08:58 | EDIT | REPLY |   
yuccalina  

mikaidou様こんにちは
ダウントンアビーNHKで見てたんですが、私もシーズン1で一番印象的だったのがシビルのハーレムパンツでした。(ブログにも書いてたのでURL貼ってます)
ハーレムパンツはバレエリュスの影響があったのですね。確かに中東やカフカスなどを舞台にしたプログラムで、こういったテイストの衣装がありました。

ところで、古いですが上記の拙エントリーでこちらの記事をトラックバック(リンク)させて頂いても良いでしょうか?

2015/06/23 (Tue) 08:49 | EDIT | REPLY |   
mikaidou  
Re: タイトルなし

yuccalinaさま

毎日のようにお邪魔させていただいてます!
お世話になってます!
というノリで・・・。
トラックバック、こんなものでよろしければどうぞ。

バレエリュスとポール・ポワレのデザインのことは、URLを貼っている海外記事に色々載っていたのですが、時代が少しずつ重なり合っていてキラ星のような面々が互いに影響し合っていたことに何とも言えない感動を覚えます。

今調べているのはラウンドカラーシャツと呼ばれる「ダウントン・アビー」のベイツ氏がよく着ているシャツの襟についてなんですけど、ドレスシャツの1種というだけで、あんなに可愛い襟なのにあまり情報が出てきません。
アメリカ版シャーロック、「エレメンタリー」のシャーロックもラウンドカラーシャツを着ている時があってとてもオシャレなんです。

yuccalina様のバレエリュスの記事も楽しみにしています!


2015/06/23 (Tue) 14:53 | EDIT | REPLY |   
yuccalina  
1

何回かトラックバック試みたのですが、上手くいかなかったので、記事の中にリンクを貼らせて頂きましたm(__)m
ご報告まで。(レスは不要です)

2015/06/24 (Wed) 09:46 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply