FC2ブログ
Welcome to my blog

「わかりません」と言えるプロフェッショナル


職種は違うがある意味同業と呼べる方の講演を拝聴した。

瑞々しい感性の持ち主による講演は湧き水のように新鮮だが、
潤うには鋭く、春の山菜の苦味とえぐ味にも似た若さを感じた。

その道のプロとして、自分の苦手分野にどう対処するのかと聞かれた彼は答えた。

「わかりませんと言います。」

自分は専門家かもしれないが、その中でも得意分野で勝負しているという。
苦手なものはそれが得意な人に任せればよい、という。

なるほど、そういう考えもあるんだな。

私の好きな言葉は「餅は餅屋」だが、餅屋にも得意分野がある、ということだ。

私は仕事に関してはある程度オールマイティーであることがお給料を頂く最低限の礼儀だと思っていた。
得意分野はプラスアルファであって、得手不得手は自分の問題。
仕事で人に見せる部分ではない。
そう思ってきた。

「わかりません」と言った後に何ができるか。

肝心なのはそこだろう。

彼はその仕事をする人間としては遅咲きであったという。
生粋の、とはいえない、非常に努力した人だ。
苦労も沢山あっただろう。
でも好きなことを仕事にできた彼はきっと幸せだ。

好きな仕事を好きな部分に特化してやっている、それがまた幸せだ。

私は彼が苦労したであろう部分での苦労はしたことがないのだと思う。
それだけに感動もなく、できることが当たり前のように思っている。
好きだという自覚すらなかった。

私にさえ、与えられたギフトはあったのだ。
仕事だからとて全てに触手を伸ばす必要はないのかもしれない。

同じ仕事をしていても、あの人にしかできないもの、この人だから完璧に見えるものがある。

「わかりません」があってもいいのかもしれない。

私にしかできないこともあるのなら、それが売り、でもいいではないか。

私にわからなくても、あの人に聞けばわかるということを知ってさえいれば。

何が得意な餅屋になろうか。

やっぱり、理想は大粒あずきの大福、だろうか。




関連記事

Comments 0

Leave a reply