2014
12.06

赤神と黒神

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「とおい、はるかな むかし、神がみが 山をかけ、のをずしずしとあるきまわっていた、はるかなむかし。」



松谷みよ子さんが書かれた「赤神と黒神」はこのような力強く懐かしい言葉ではじまる。
丸木位里さんの絵も素晴らしい。

赤神と黒神 (むかしむかし絵本 28)赤神と黒神 (むかしむかし絵本 28)
(1969/10)
松谷 みよ子



※注 ここからは、通常で言えばネタバレの部分ですので、神話関係がお好きな方はすっ飛ばしてください。

秋田の民話を元に書かれた、東北と北海道の地が二つに裂けたという土地形成の物語なのだが。

この神話的な物語を、「白黒つけないカフェオーレ」という女心の話だと教えてくれたママ友がいる。

そう・・・だっけ?

読み返してみて驚愕。

男らしく力強い黒神と、芸術派の赤神。
両方から想いを寄せられる十和田のみずうみの女神。

赤神はとおくから自分を呼ぶ声が聞こえるような気がして、見えない糸にひかれていくように山を越え、谷を越えたという。

「きこたん ぱたとん」と、
はたを織る女神に、赤神は贈り物を持って会いに行くようになり、女神のそばで笛を吹いた。

ところが、荒々しく虫の居所の悪かった黒神も、その女神のすきとおるような歌声に惹かれ、「そわそわと髪をなで、そこらをはたいてほこりを落とし、自分の足音にも気を配って、山を越え、谷を越え、十和田の湖へやってきた」のである。

「きこたん ぱたとん」

女神はもの想いにしずんでいた。

そう、赤神と黒神の、二人の男の間で、心揺れ動いていたのである。

私はこの類の絵本や物語に関して、これまで「言葉」の使い方、「擬音語、擬態語」の持つ美しさに「萌え」こそすれ、女神の気持ちで揺れ動いたりするような「おんなごころ」などに特段注目したことはなかった。神話だし。

持つべきものは女友だちである。

言われてみれば、子供向けのこの絵本の何という昼メロ加減よ。

「赤神は笛をふいて女神を和ませるの。でもね、黒神は力強くて雄々しいから、経済力で言えば絶対黒神に決まってるのよ~~~~。そこよねえ、今も昔も、迷っちゃうのは。」

「でもさあ、女神も女よね。結局戦いに負けた方を“かわいい”って言って、追いかけていくわけでしょ。」

太古の昔から、女というものは「優男」にほだされるという性質を持っていたわけか?


たしかに、間違いなく松谷みよ子さんは書いていた。

「女神は まけた 赤神が かわいいといって、 赤神のあとをおい、男鹿の みさきへ いってしまったのだった。」



いやあ、この後、津軽と蝦夷は黒神のため息で二つに裂けて津軽海峡が誕生したという話だが。

「やっぱ経済力だとあたしは思うんだけど、どう思う?

マジで悩んでるあなたが、一番おもしろかったよ、私には。



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