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2014
11.27

小鳥はとっても歌がすき

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小鳥の歌  昭和29年(1954)
 1  小鳥(ことり)は とっても 歌(うた)がすき   
    母(かあ)さん呼ぶのも 歌で呼ぶ
    ピピピピピ チチチチチ ピチクリピイ     

 2 小鳥は とっても 歌がすき
   父(とう)さん呼ぶのも 歌で呼ぶ
   ピピピピピ チチチチチ ピチクリピイ



この曲の作詞者、与田凖一さんは、児童文学者であり、少年少女のための詩や童謡を多く書いた。
同郷の北原白秋の門弟であった。
あの島谷ひとみがカバーした「亜麻色の髪の乙女」の作詞家、橋本淳氏はこの与田凖一さんのご子息である。

私が今日読んでいたのは与田さんの詩曲集「野ゆき山ゆき」。

私はマザーグースがとても好きで、若い頃に覚えたものは今も何篇もそらで言えるのだが、あれも歌だったから忘れないのだろうと思う。
与田さんの作品も基本は童謡だから当たり前だが、詩編のリズムも美しいと思う。

「野ゆき山ゆき」は詩曲集というが、物語やエッセイ風な短文もあり、結局一気に読み切ってしまった。
この人の書く詩は優しく、懐が深い。
ジャンルと言ってよいのかどうか、内容も非常に多岐にわたることに驚く。

先日からしばらく童心を取り戻すつもりで椋鳩十を読みこんでいたので、全集によってはほとんどの解説を手掛けておられる与田さんの解説も読んでいた。

椋鳩十の童話に加え、解説がまた素晴らしかったので、興味をひかれたわけだ。

どの詩も味わい深く、何度読み返しても飽きないのだが、驚いたのはこの中に「さかんな季節のなかで」という一篇が含まれていたことだ。

小川未明さんが亡くなられた時のことが綴られている。

小川未明。
今はもうこんなにも美しい日本語で物語を紡ぐ作家はいないだろう。

私は与田さんが書いたこの詩の中に、未明が残した足跡を思いがけなく確認したのだった。

未明の葬儀には、二人のロシア人作家の花束と、哀悼の言葉が送られたという。

 「あなたの童話は
諸民族の将来にまで永くのこって、
かぐわしい光彩をはなつでしょう。」
 



「よるくま」の作者、酒井 駒子さんが素敵にリメイクされていた「赤い蝋燭と人魚」。

将来に永く残すことのできるよう、読み継ぐことをしていかなければと、背中を押されるようだった。

与田さんが残された詩曲も、もっと歌い継がれていくと良いと思う。

小川未明に手向けられた言葉をそのまま、与田凖一という詩人にも捧げたい。


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