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「まず君自身を救え」

さて、連休なので、またゆっくり見ることができる。

AXNミステリ 「ブラウン神父」である。
続けて見ると、わきを固める様々な人間模様が移り変わったり、深まったりで味わい深い。
救いがある探偵物語はいい。

原作を数冊読んだはずなのに、全く思い出せないところがすごい。
確か小学生、高校生でも読んでいる。
昔の私にはチェスタトンは暗いイメージしかなく、1,2冊読んで終わったのだろう。
好きなものは何度でも読めるしハッキリ覚えているのに、これは図書館で一回きりコースだったわけですな。

私はカトリックの学校だったので、あの当時、神父様や聖書のお話は、もうお腹いっぱい、な気持ちもあったのかもしれない。
そのくせ今になってみると、英語を教えてくれた、大好きだった神父様の暖かくて痛い握手も、独特のお爺さんっぽいフガフガした英語も、アメリカ人っぽい大らかさもひどく懐かしい(私の恩師である神父様は中西部の出身だった)。

英語が大嫌いで、毎週日曜日は泣きながら次の1週間分の予習のために辞書を引いていた。
ドラマの中で、あんな風に辞書を嬉々として調べる村岡花子先生は、私にとって理解の外である。
単語を覚えるのがあまりに苦手で、辞書を引く時間が世界で一番無駄だと思っていた。
今もそう思うので、ネットの辞書が大好きなんである。

ところが、私の英語はある日、小さな器からあふれるように口からついて出始めた。
まるでドラマのブラウン神父のように大柄な、神父様の授業中。
初めて、言いたいことがきちんと伝わったのが、神父様の表情でわかった。
日本人のシスターたちの、理詰めの英語の授業では感じたことのない不思議な感覚だった。
あれほど英語が嫌いで苦しんでいたくせに、先生方の勧めでそのまま進学してしまった後悔で、押しつぶされそうな時だった。
あの神父様の授業がなければ、学校なんてとっくにやめていたと思う。
彼は、授業中でさえ生徒を救い、導いた。

テレビ版のブラウン神父に特別な愛着を感じるのは、そんなことがあったからかもしれない。

多分、私にはテレビシリーズで十分な気がする。

すごく、面白いから。
原作とはキャラ設定が違うようだし。
でもきっと、いずれはまた読むに決まっているのだけれど。

何しろ、救いがあり、ユーモアがある探偵物語はいい。
ブラウン神父もイギリスの地方の平和な村で事件が起こる。
私はミス・マープル物も原作の短編が好きなので、どちらかといえば、ブラウン神父の教区の人々の物語の方がしっくりくる。
時々出てくる怪盗フランボウや村の教区の人々のヒミツもスリリング。

探偵は一人じゃつまらない。
相棒がいたり、仲間がいたり、どこかで誰かから命を助けられながら、事件を解決している、そんな話の方が楽しい。

ブラウン神父は事件の謎を解くことだけを解決だとは思っていない。
犯人を目の前に、「まず君自信を救え」と話すのだ。

このブラウン神父に、ぜひ、名探偵エイドリアン・モンクも、カウンセリングしてもらいたいもんだと思ったりする。

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