FC2ブログ
Welcome to my blog

シャーロック3「The Sign of Three」

シャーロック3「三の兆候」。

21世紀のシャーロックにとって、ジョンとは何者なのか。
いつもホームズの推理の「反射板」として「その平凡さが解決のヒントをくれる」くらいな扱いだったこともあったジョン・ワトソン。
ところが今回、この「三の兆候」でゲイティスとモファットがはっきりと提示してみせたのは、シャーロキアンとしてのジョンについての位置づけだったと思う。

シャーロック・ホームズを題材にとって、これほど原作を変えてもなお、ドイルの物語に一番欠けていたと言われた「ホームズの人間味」を補ってあまりある作品に仕上げて見せた。「社会不適応者」と自らを定義づけしながらも、シャーロックに対してはレストレードでさえ、大きな銀行強盗事件より彼を優先させた。
レストレードだって、原作でもシャーロック・ホームズにある種の恩義は感じていたし、尊敬の念もあった。でもホームズの手柄を自らの功績としていただくのが常套手段だったスコットランド・ヤードは、もはやアンダーソンを見るまでもなく、シャーロックをモリアーティ事件以来、特別だとしているのだろう。ま、そのあたりは番組作りのサービス精神だろうけど。ま、シャーロックの方ではレストレードのファーストネームさえいまだにきちんと覚えていないようだし。

事件そのものはジョンとメアリの結婚式の準備の時からから密かにちりばめられた事件が、結婚式と、シャーロックのスピーチの中で解決されていく仕立てだけれど、今回は殺人から被害者を救ったのはジョンだった。

sherlock37.jpg


ジョンとメアリの結婚式で、ベストマンのシャーロックがスピーチをする。


「とにかくジョンは僕にとって、なくてはならない存在です。僕は事件現場を見て、多くのことを読み取りますが、ジョンは人間を理解できるのです。もし、皆さんが僕たちに何かを依頼なさることがあるとしたら、事件の解決なら僕でも、皆さんの命を救うのはジョン・ワトソンです。ジョンに何度も命を救われた僕が言うんですから、間違いありません。このブログは、ぼくたち二人の、正直、かなり間抜けな冒険物語です。殺人や、ミステリーや、大騒ぎ。でもこれから、始まります。新しい物語が。」



「空の霊柩車」では2年も死んだと思わせたシャーロックに怒り心頭だったジョンが、「君を許すよ」と、爆弾を目の前に、とうとう言わされたけれど、彼はそのジョンの言葉に、不器用ながらもベストマンとして充分報いたわ。あの、シャーロックが。
sherlock36.jpg

オチもほほえましく、君は牧師館の時のミスマープルかっ!っと思わず突っ込みたくなるお茶目さだったわね。
笑って泣けて、色彩豊かな「三の兆候」。
結婚式場の黄色が効果的な素晴らしい壁紙の色とグリーンの配色。
ベストマンのシャーロックが、それは可愛い小僧のようで。本人も最後に認めてたけど。

私は極めて適当な感じのシャーロックファンだし、本読みでもある。それでも今回、このドラマを見ながら、つくづく読書は非常に個人的なものであると同時に、同じものを読み、主人公と共に冒険してきたという、共通体験でもあるのだと痛感した。
その共通体験があるからこそ、同じ主人公を愛したもの同士の何とも言えない繋がりを感じるのだ。勝手に。
普通の人間なら読み取れない行間を読み、文化が違えばわからない11月の表現もさりげなく画面に織り込むことができる。そして何より主人公の国で生まれ育った人たちが作った新しいシャーロックにここは、乾杯、なんだろうな。

ところで、「ホームズもののドラマや映画は、映像の創世記依頼長く作られ続けてきたために、ホームズのドラマや映画は人類の映像の歴史そのものであるといっていい」といったことが「映像の中のシャーロック・ホームズ」か何かで語られていたと思う。
今回もドラマにしては映像にとてもこだわってると思うわ。
sherlock35.jpg

さて、NHKはBBCの「三の兆候」と見比べるために、グラナダ版「四人の署名」を放送している最中。
この病的なホームズと、どう見てもこの若すぎるメアリとは不釣り合いなワトソンを堪能中。

黒い船を追いかけ、毒の吹き矢の使い手(三つの兆候ではほんの一コマだったわね)の出身地をヒントに事件を解決に導く冒険を、しばし楽しみながらもう寝なくっちゃね。
関連記事

Comments 0

Leave a reply