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小林信彦さんのこと

「SHERLOCK」を見ながら、熱狂する一方、冷めた目でパロディー(パスティーシュ)としてじーっと観察せずにはいられない自分が、一体どうしてこんな風な物の見方をするのかを考えていた。
フィギュアスケーターがクラッシックのヒロインを演じるにあたってさえ、それを「パロディー」と捉えていた節がある。

心当たりはある。小林信彦の読みすぎだ。
今wikiで小林さんの項を読みながら、小林さんの小説をどれだけ読んだのかざっと見てみて我ながらあきれたわ。
1966年出版(私が読んだのはのちに角川文庫になった版だけど)の「冬の神話」から1987年「極東セレナーデ」までの「怪人オヨヨシリーズ」にはじまる比較的読みやすかった時代の小林さんの本はすべて読んでいた。小林さんの世界のほんの一部だ。
落語、芸人、笑いの本質、下町のテーゼ、食べ物から世の中の本物を見分ける術まで、私にとって、小林さんの本は面白い小説ではなく、教科書だった。

「本だけは借りずに買って読みなさい」と言われて育ったが、私は息子にこう言おう。「買った本は売るな、捨てるな」

「アン」は全巻残してあるのに小林さんの本を手放してお嫁に行ったのは、夫への遠慮、というか、何かしらそんなもの?後悔先に立たず、であるが、大好きだった小林さんの本を全部もう一度揃えなおす決心をしたのは言うまでもない。私の血肉になっている教科書を、もう一度読んでみたい。
教科書、といいながら、「怪人オヨヨ」シリーズも(NHKのドラマは不出来だったと言わざるをえないけどね)唐獅子シリーズもドジリーヌ姫も、大好きだった「ビートルズの優しい夜」も、「サモワール・メモワール」も面白かったから。
私がなぜか「♪Take me out to the ball game♪」と今でもそらで歌えるのは、「W・C・フラナガン 素晴らしい日本野球」あたりを読んだからなのかしらね。内容は全然覚えていないのに。

懐かしい土地を歩くがごとく、懐かしい本をめぐる旅に出られる日が来るのは多分もう少し先の話。
だけど、原点を知ることは、これから見るものの楽しさを倍増させる。
テレビでもyoutubeでも見ることができない、本の中にしかない世界。
いつかそこに帰っていけるよう、ドアだけは、確保しておこう。

追記
ここに挙げた本のほとんどが、今は絶版になっているという。
なんなの?
どういうことだか、ほんとにわけわかんないわよ。
おーし、こうなったら、本腰入れて探すから!

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