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ビリー・ワイルダーのSherlock

古い映画の話だが、マレーネ・ディートリッヒの『情婦』は素晴らしかった。

原題はWitness for the Prosecution。
アガサ・クリスティの『検察側の証人』が原作とはいえ、映画として(特にディートリヒ好きには)たまらない1本だった。
とにかくこの映画のマレーネは上手かったし、彼女の2面性の出し方がストーリーの鍵だったが、大成功だったと思うわ。

脚本・監督はビリー・ワイルダー。
ビリー・ワイルダーは勿論言わずと知れたウィリアム・ホールデン『サンセット大通り』、モンローの『七年目の浮気』、ボガードとヘプバーン(そしてホールデンね)の『麗しのサブリナ』はじめ、有名どころの映画でご存じの監督。

AXNミステリで昨日放送されたワイルダー監督の『シャーロックホームズの冒険』。
映画としても、ホームズものとしてもとにかく面白かったわ。

『情婦』もこの『シャーロックホームズの冒険』も、『七年目の浮気』の時の印象と同じ。
「舞台を見ているかのよう」でいて「やっぱり映画のスケール」かなっていう。

原作によらないオリジナルのストーリーはともかく、荒唐無稽なネッシーの登場、ホームズ役の役者さん・・・その辺を置いておいてもツボの押さえ方はさすが

wikiによれば

10年の構想を経て臨んだオリジナルストーリーのホームズ映画。「ホームズの私生活に深く関わるため発表されなかったエピソードが、ワトスンの死後50年を経て公開された。」という設定の元に、4つのエピソードが盛り込まれた4時間近い上映時間の大作を想定して撮影された。

しかし、公開にあたって配給会社の要請で2時間ほどに編集される事になった。2つのエピソードは完全にカットされ、プリマバレリーナからの求婚のエピソードを序盤に残し、謎の美女とネッシーに纏わるエピソードをメインに据える内容となった。カットされたフィルムの多くは現存しない。この大幅な編集の為に、ワイルダー作品としてはややバランスを欠く仕上がりだとの評価もされる。それでも、ロンドンからスコットランドと、古き良きイギリスを再現した映像は秀逸で、ホームズ映画の傑作のひとつとして推す声も多い。



AXNミステリによれば

ロバート・スティーヴンス主演。シャーロッキアンとしても知られる名匠ビリー・ワイルダー監督によるオリジナル脚本のホームズ。英BBCの「SHERLOCK シャーロック」の制作にあたり、参考にされたことから再び評価されるようになった作品。



これで納得。
現代版「ベルグレービアの醜聞」のキモはすべてここにあるといっても良いくらい。

映画の始まりからしてホームズファンにはたまらない。
ワトソンのはじけっぷりがまた最高。
ホームズの女嫌い、その理由がテーマなのでは?思うくらい、ネタになってました。

バッチ君とフリーマンコンビの現代版Sherlockのキモがそのままこの映画にもある、ということは、ワイルダー監督、原作の「テレビ映画的」面白さを原作からもれなく抽出してるってことよね。

シャーロックとワトソンのゲイ疑惑にはじまり、面白い事件がないとイライラムズムズのシャーロック。
人の気持ちを慮るより先に「事件の解決」が優先。
マイクロフトの鋭さ、「同じ街に住みながら違う世界に住んでいる」という兄弟の不思議な関わり。
シャーロックの甘さを指摘する訳知りのマイクロフトだが、必ずシャーロックは兄に一矢報いる。
ま、ここではマイクロフトが英国女王にやりこめられるところがまた良かったわね。
現代版の「ベルグレービアの醜聞」と同じく、マイクロフトはツボだったわ。
ただシャーロック役の俳優さんのシャープさが足りないが故か、まるで狂言回しのワトソンが主役のように思える時があるのがこの映画の弱いところかしら。
この映画のマイクロフト役の俳優さんはのちにシャーロックも演じたそうだけど、確かにこちらの方がよりシャーロック的かも。
ま、これは好みの問題だけど。

シャーロックホームズの物語は、基本男性向けの冒険譚だと思うのよ。
この映画はそこもはずさず、しかも古き良きユーモアにあふれている。
で、ロシアのバレエ団を冒頭に持ってくるサービス精神。

ロシア版(これからゆっくり見るわ)、ベイジル・ラスボーン版と、AXNミステリは今月も見逃せない

思うに、BBC現代版『Sherlock』は、「シャーロック・ホームズ」の呼び名を変えたのよね。

「ホームズ君」「ワトソン君」と呼び合ったビクトリア朝の時代から、
「シャーロック」「ジョン」とその名を呼ぶ2人へ。

だから私たちも今や「ホームズ」とは呼ばず、「シャーロック」と彼を呼ぶ。

これって、もしかしてすごいことよ。
モファット&ゲイティス。
きっとシャーロックファン(決してシャーロキアンではない)には忘れられない名前になるわね。
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