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電子元年

2020年は歴史の教科書に載る年になるんでしょうか?


31日なのに掃除もそこそこ、料理は適当なまま放りおき、
自分の1年を振り返ってみたいと思います。


世間一般の常識から常に遅れること10年以上。


今年は私にとって「電子元年」でした。

視力が弱くなったこともあって
漫画発掘のために
電子書籍に手を出し課金に次ぐ課金。

私の場合、生業としての仕事の1/4(適当)は「読書」なので
調子に乗りました。


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「ナナのリテラシー」/鈴木みそ

電子書籍ロードを石ころから掘り起こし、文字通りゼロから自分で道を切り開いた作者の体験を元に描かれた漫画です。
主人公「ナナ」が高校生というには賢すぎてどうかと思いましたが、ナナと一緒に電子書籍について学べる1巻はとても興味深いお話でした。

ある日突然紙の本を出版社が電子化した
そんなわきゃない。

文字だけの作家はともかく
漫画という「絵と文字」で表現されるアートが
どのような経緯でこれまでの出版ルートを覆すに至ったのか。
これ、今はまだ混沌とした中にいるのではっきり自覚できないでいますが、実は大変な方向転換なのではと思うんですよね。

一応これまでにも復刻版が上下巻に分かれて読みにくくなった
ロアルド・ダールの「あなたに似た人」を電子で買ってみたりはしたものの

電子は読みづらい
と、なかなかページが進まなかったりしました。

本を読むなら紙でなきゃ。
でもその紙の出版物には「絶版」という恐ろしげな谷が待ち受けているのです。

出版社と、漫画家。

著作権の問題など、普段読み手には見えない部分が描かれていて
漫画家自らの手による漫画の電子化についてこんこんと説いた「ナナのリテラシー」を
私は「紙」で読んだのですがこの状況すらもうなんだか面白くて。


売れない少女漫画家を主人公にしたこちら

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「うそつきラブレター」/やまがたさとみ

前半は漫画家と編集者。
後半には編集者同士の
友情以上、恋愛未満の焦ったい男女の物語。

でもこれ、少女漫画で恋愛ものだと思ったら大間違いです。

その底辺にあるのは

ヒット作に恵まれないまま地方で枯れかけている漫画家達。
紙媒体そのものが売れなくなった雑誌業界。

紙の漫画雑誌が売れなくなるということは如何なることなのか。
その時ピラミッドの底辺にいる多くの漫画家達が生き残る道はどこにあったのか。

正直業界内部の話としては「ナナのリテラシー」よりずっとわかりやすかった。
少女漫画のこの雰囲気が嫌でなければ
興味のある方にはおすすめです。

ホワン、とした絵で恋愛シュガーコーティングしてはあります。
でもこの漫画にはリアルな業界に生きる当事者感覚が感じられます。
だからこそ描けたこと、描けなかったことが多くあるのかもしれません。

大体、Amazon primeやコミック○ーモアなんかにある「読み放題」なんて、あれだけ多くの漫画家がどうやって利益を得ているの?とか。
独立した編集者がどうして生まれたの?とか。
この場合漫画に特化してますけど、意識してないだけで、考えてみれば不思議な知らないことはたくさんあるわけで。

私からすれば「出版」にまつわる話を製紙業界や辞典の出版だけじゃなく
その裾野に広げてみたら電子に突き当たったという感じです。


思い出したのが

いわさきちひろさんの半生を描いたドキュメンタリー映画
「いわさきちひろ27歳の旅立ち」

この映画を観て驚いたのが

今日の日本における著作権、
特に挿絵画家、絵本作家の著作権獲得に、
ちひろさんは弁護士であった夫松本善明氏と共に出版社相手に果敢に闘ったという部分でした。

これは知りませんでした。

彼女自身が勝ち取った挿絵画家の著作権のおかげで、彼女の貴重な原画が多く保存されていることは覚えておかなくてはならないと思いました。



→この映画の公式HPにリンクしています→http://chihiro-eiga.jp/


みなさま良いお年を。



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