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『10年後に食える仕事 食えない仕事 AI、ロボット化で変わる職のカタチ』

『10年後に食える仕事 食えない仕事 AI、ロボット化で変わる職のカタチ』
渡邉正裕/東洋経済新報社

高校3年生以上に向けて書かれたという本書。
読みやすいです。

この本を勧めてくれた方から「あなたの仕事なんて10年後にはありませんよ」なんて言われましたが、読むと随分違う印象を受けます。

『人間の強み=A Iの弱み』となれば、私達が20年後を見据えて磨くべきは対人スキル、コミュニケーション能力ではないのでしょうか?

顧客ニーズのない家電作りが得意な日本メーカーの『洗濯の終了を冷蔵庫が知らせてくれる洗濯機』の話なんて、ほんとに読ませてくれます。

圧倒的情報量のために読み飛ばされがちな種類の本かもしれませんが、著者の真面目な語り口が時に笑いを呼び、なんだか星新一のショートショートでも読んでいる気分になるのだから不思議。

私は確実にあの頃描いた未来にいるって気がするんです。


H I S運営の『変なホテル』客室内に置かれたロボット『ちゅーりー』が、2015年の開業から4年の間に全て撤去されたとか。(その理由が、空気が読めない、なんだから笑える)

東大合格を目指したAIプロジェクトが、AIの国語偏差値の伸び悩みによって、「『中学生が身につけている程度の常識』であっても、それは莫大な量の常識であり、それをAIやロボットに教えるのはとてつもなく難しいことなのです」とプロジェクトディレクターに言わしめたとあります。

こんな面白い話を、『これからこんな仕事はなくなりますよ』なんて結果論だけで語るのは勿体ない。

この文脈を如何に笑って語り合えるか、その人間力が、これから問われる時代だと、実のところ本書はそう言いたいんじゃないんでしょうか?

あ、違いますよね、笑っちゃいけませんよね。

『全くの白紙で何がやりたいかわからない学生は、とりあえずITエンジニアを目指して勉強するのが賢明だ。
プログラミングと語学を20代までに鍛えておけば、AI化とグローバル化が進む中‥‥』

学生に向けた一文は、各年代ごとにおすすめの道筋まで続いて行きます。

書いた人は一生懸命だと思いますよ。

ありがとうでも。

社会科学系のこの本に長々と書かれていることを、
ブレイディ・みかこさんが描く英国のワーキング・クラスのおっさんが単純明快に口にしています。

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「ワイルドサイドをほっつき歩け」ブレイディ・みかこ

しかもこちらはリアルにその階級再生産性の道(既存の階級制度を自ら選んで繰り返す)を、断ち切ろうとしている人間が描かれる。ほんの数行で。

文学(少なくとも実用書じゃない)って素晴らしいと思うのはこんな時。

この横繋がりが本を読む楽しさなんですけど、歪んでますかね?

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