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「ボーイミーツガールの極端なもの」


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『ボーイミーツガールの極端なもの』
山崎ナオコーラ/イーストプレス


いやいやいや、この連作短編、大好きです。

72歳、48歳、21歳の女子3人が暮らす清澄白河にある古民家。
叔母と姪とその義理の娘3世代が共に暮らしているところから物語は始まります。

主人公たちがそれぞれ他生の縁でつながっていくのですが。
彼らに似たところのある
見たこともない変わった風体と名前のサボテンが
各話に写真付きで紹介されるんです🌵

写真の本の帯を見ても分かるとおり
「多肉植物店」とのコラボ、というわけで。

この本、軽妙さ面白さにぐんぐん読み進めていくと
最後のエピローグでふとページをめくる手が止まりました。

ここまで変わった種のサボテンと、一筋縄ではいかない主人公たちとの共通点を見出しながら読んできた筈。

写真で紹介されてきたサボテンは
外的要因でネジネジ螺旋に渦巻くように成長したり
途中で別種のサボテンを継ぎ足され不思議な形になったり
次代を成長させるために土台のサボテンのトゲが退化していたり
実にさまざま。

ただ花が咲いておしべめしべが交配し種ができて、なんて
そんな通り一遍の生き延び方をこのサボテンたちはしていないんです。

1話目は72歳の恋愛経験無し老婆がほのかに抱く34歳への恋心。
そこから
親子、夫婦、男女、男同士、女同士、彼らの様々な愛、家族の形。
引きこもり、さよならが言えないばっかりに人を傷つけ自らも消えない傷を負うもの、今世ではわかり合うことのなかった夫婦、共依存、植物愛、etc etc・・・・・。

エピローグのサボテンの話から
植物だっておしべとめしべだけが個体を育み子孫につないでいく手段ではない
そんな生き様を見せていることがわかってきます。

どんな変容を見せようと
形を変え生き延びていくその姿が美しいのだと気付かされます。


ある区議が

「同性愛が広がると足立区が滅んでしまう」
と言ったそうですが

なんてなんて馬鹿なんだろうと思います。

この年齢になって思うのは
こんなにわがままな自分でさえも

「人の尺度で生きてきた」のではないかということで

これまでの人生で悔いが残るとしたら
きっとそれなんですよ。

「人の尺度」の「人」って誰よ。

家族の形も愛の形も生き方も
みんな違ってていいんじゃないか。

自分が後悔した分
「尺度」を人に押し付けることはしたくないのです。
親である以上、塩梅は難しいのですが。

自分の物差しで生きていくんだ

そう緩やな決心すら促してくれる
こういう本って
友達っぽい。


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