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『コロナ時代の僕ら』パオロ・ジョルダーノ

『コロナ時代の僕ら』パオロ・ジョルダーノ/早川書房

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トリノ生まれの物理学者によるエッセイ集だ。

つい先日、今年の2月から3月にかけて書かれた『Nel contagio』を早川書房がいち早く捕まえ邦訳出版したのが4月25日。

私がこの本を手に入れたのが昨日4月30日。

どんだけ狭いんだ、世界。

凄まじいスピードで翻訳を成した飯田亮介氏自身もイタリアのとある村に住んでいる。

横浜に続き長崎で発生したクルーズ船の集団感染の件で
船会社のオーナーの実際の国籍よりイタリアのイメージの方がすっかり悪くなってしまった。

ヤフコメを読めば皆言いたい放題だ。

それでもこの本は○○人だから〜という括りを跳び越え真っ直ぐに心に届く。

何よりわかりやすいのがいい。
そう単純ではないとしながらも
ウイルスの感染をビリヤードの球付きに例える。

球と球の間にスペースがあるほど球付きによって広がる力(感染力)の勢いが弱まるのはよくわかる。
ソーシャル・ディスタンスを保つ必要性を説くことは
当初楽観主義的見方が多くを占めていたイタリアにおいて
ずいぶん居心地の悪い発信だったようだ。

この本の作者が言う

『感染症とは僕らのさまざまな関係を侵す病だ』

その通りだ。

作者が今、日々作っているという
『忘れたくない物事のリスト』。

今この時。
起こっている様々なことから
あなたが忘れたくない事は?

作者あとがきとして位置付けられた
最後の章『コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと』
この部分は日本版だけに間に合ったそうだ。

今後コロナ禍が収束しないまでも
人類が落ち着いた生活を送ることができるようになる日が来たら。

そんな日が来たら
その時こそ忘れてはならない事。
忘れたくない事。

変わってしまった日常の中で
コロナ以前に戻って欲しくないこと。

実は私にもこういう『戻って欲しくない事』はある。

各地で空気が澄んできているという事実。

私達の簡単で便利な生活と引き換えの環境破壊に何らかの歯止めがかかっているらしきこと。

それは夕飯をテイクアウトに頼る私の生活とは矛盾するかもしれない。

前人未到の時代に脚を踏み入れている。
今この時
正解なんて誰も知らない。

だからこそ
『今の気分』を記しておく事は大事だと思う。

毎日巡るさまざまなブログ主様方の生活だって。
読ませて頂くこちらには楽しみ以外の何ものでもない。

同じ日本でもそれぞれの土地によって周りの環境も食料事情さえ違う。

同じことを考えていらしたり。
全然違っていたり。

それさえも楽しい。

作者は問う。

『すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか。』



拙い駄文では書き切れないけれど。

『感染症』を数学で読み解く過程も本書の読みどころ。

一緒に今
考えてみたい
『コロナ時代の僕ら』について。






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