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ヘタのコウミョウ

誰にでも得意なことはあると思う。

得意なことは大抵の場合役に立つけど

不得意なことが役に立つこともあることを
私は昨日知った。


昨日は友人のバイト先のレストランのテイクアウトを予約した。
今日からは別の居酒屋テイクアウト夕食が始まるので
お試しチャンスだったのだ。

友人のバイト先は我が家からはちょっと遠く
所謂観光地付近にある。

天気も上々
生きながら腐ってるんじゃないかと思う程眠り続けるゴリオと
自分の部屋でどんよりしているオットに声をかけ
家族で車に乗る。

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自信を持って書くけど、私は運転が下手だ。
自動車学校で最初に運転免許を取った時(最初があるってことは2度目もある)
路上の時数を20時間ほどオーバーした挙句、先生から懇願された。

『免許はやるから、2度と路上で運転だけはしてくれるな頼む!』

この先生は『自動車学校で教えてると保険に入れなくてオレはムチ打ちが怖いんだよ』と実車のたびに愚痴をこぼしていた。

『2度と運転はしません』

そう約束して無事免許をもらってから数年後
オットの愛車を乗り回すようになった。

当時無茶苦茶に忙しく
夜中まで仕事をしていたオットを会社に送り迎えするようになったのだ。

相変わらず運転は下手だった。

他の車が怖いので
何車線もある国道を避け
裏道山道獣道
人が通らない道を制覇することに血道を上げた。

ある日の夕方
家に帰るだけだったのにオットが使わない裏道を通ったら
『母ちゃん、オレをどこかにすてにいくの?』
ゴリオから泣かれた。
桜並木を見に連れて行った時も崖から落ちそう、と泣かれた。

飲み会に行ったオットの迎えついでに会社の人を送る。
或いは出張でこちらに来たオットの会社の方の観光案内。

『ここはどこ?』
よく聞かれた。
『え?こんなところに出るの?』
そのうち誰も私の車に乗る人はいなくなった。
怖くて酔いが覚めるんだそうだ。

無事故なのに。(軽微な違反だって滅多にしないし)

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そんなこんなで
昨日もハンドルはまずオットが握った。

人もまばらな小さな観光地で
オードブルができる時間までちょっとグルグル回る。
オットはこういう狭い1通だらけの道が大嫌い。

車はオットに任せ
ドライブスルーテイクアウトを諦めた私は
レストランの前でお店のお兄ちゃんと世間話をする。

『ぼくは38なんっすけど。まさか自分が生きてる間にこんなことが起きるなんて思ってもいなかったっす。』

お兄ちゃんは慣れないテイクアウト販売に苦心しているとポツポツ話を続ける。

美人店長が階段を降りて来て
『のりこさんのお友達ですよね。』と言いながらサービスのおかずを袋に詰めてくれる。

そういえば『のりこさん』とひらがなで表すにふさわしいフワッとした優しい友人も、一緒に出かける時は絶対に自分の車を出してくれる。
私の車にだけは乗りたくない
それが友人達の総意なんだろうな。

思わぬご馳走を手に車に戻り
ゴリオも運転したらと勧めて遠回りして帰ることにした。

私の新しい職場からの帰り道を教えることにしたのだ。

ゴリオが車で通学することになり
私も新たな仕事が決まった時点で
2台目の小さな中古の軽を買った。

行きは一般道で良いのだが
帰りは渋滞で3倍近い時間がかかる。
そこで私は職場で教えてもらった山越えルートを使うことにしたのだ。

新緑の美しい危険な山道を
ゴリオに運転させてみると。
いつもはぐいぐい踏むアクセルが恐怖で踏めない様子だ。

オットもこういう道が苦手なので無言。

私は道案内の声が弾む。

『毎日こんなとこ通って帰ってるの?』

ゴリオが神妙な声で聞く。

『だって早いから』

山を降りて住宅街を抜けた瞬間
見慣れた国道と大型店の看板が突然見えて驚くのがこの裏道。

ほんの10分程度だったのに
山の中の幻想的な美しさと崖道の恐怖に
トリップした感が半端ない。

友人のおかげでたっぷり食べられた夕食の後。

オットが
『明日から毎日歩くよ』と言って笑った。

ゴリオは夕飯の後から歩きに出た。

怖くて元気が出たのかなんなのか
そこはわからない。

多分
部屋に引きこもって腐っていたら
またあんな目に合わされる。

そう思ったんじゃないかな。

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