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不要不急の想像力

志村けんさんが亡くなった。

コロナで亡くなったと言われる海外アーティスト、著名人、ネットが知らせる彼らの名前を何度も確かめる。

テレビで討論を始める『識者』の声が上滑りする。
何かに感謝するより、文句を言った方がテレビ的には良いのだろうけれど。
この声の波長が人の心にささくれを作り続けるのだから、やはり耳から入る音は選びたい。


そうこうするうちに私の扁桃腺も腫れてきた。
声も出ないし、今日はご飯は作れない。
正々堂々と、休めるな。

そう思った時、メールのお知らせ音がピコン。

『昨夜小説、書き終わりました!今から送信します!』

私から見ればまだ若い彼女が、『いつかは書きたい』と言った、『いつか』が思ったより早く来た。

本読みの彼女がネット上に上げる本の感想は怖い程の斬れ味。

そんな彼女が小説家になることは夢の1つだったのだろう。

『書けた時には、読んで下さいね』

彼女の申し出を気楽に引き受けたことを、少し後悔した。

作家の素顔がチラつくと読んでいるこちらは気恥ずかしいものだ。

感想を待っているであろう彼女の顔を思い浮かべながらコーヒーを入れる。
これはじっくり読む時の準備。


メールに添付されてきた180ページ程の中編は、途中から完全に書いた彼女の顔を忘れる程面白かった。


先日観た平手友梨奈主演の『響 ‐HIBIKI‐』を思い出す。

私が読ませて貰った小説も、何処かに応募するらしい。




毎日人類の行く末さえ案じられるような報道ばかり。

そんな中でも、生きることとは何ら関係の無い想像力の産物に、人はどうしてこうも惹かれるのだろう。

想像力は、『不要不急』の外出ばかりする。

年下の友人が書いた小説世界は、しばし現実から少し遠いが妙にリアルな世界に連れて行ってくれた。

『不要不急』な上、何の情報も無く役にも立たない。

今、私達に必要なのは、案外こういうものかもしれない。

才能って、すごい。

改めてそう思いながら、小説の書き手に何を躊躇うことなく『面白かった!』とだけ感想を送った。








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