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恋愛小説ってなに

先月の読書会でのことだった。

終了間際に次のお題を主催者が言い渡した途端、そこにいたメンバー全員が浮かない顔をした。

「来月のテーマですけど、今度こそ【恋愛小説】でいきましょうよ。せっかくのバレンタインなんだから。」

こちらの読書会は毎月決まったお題に沿って、各自がおすすめの本を持ち寄り紹介するという気楽なものだ。


がしかし常連メンバーは一筋縄ではいかない。

ミステリが好きなおじいちゃんはいついかなる時もミステリを持ってくる。
SF好きな青年は、「絵本」の回でさえ「SFっぽい絵本」を紹介して皆をあっと言わせた。
詩と俳句と短歌の女性は「今年出版された本の中で一番おすすめしたい本」の時も新しい詩の本を携えやってきた。
昨年専門書を出版した女性は常に新しい本を紹介してくれるが。
ファンタジー専門の女の子はファンタジー系の回以外は出てこない。
そして私はといえば、毎度へんてこりんな本に持ち時間の5分すべてを使って語り倒すのだ。

//////////

「ほんと、うちの読書会に来る人たちって、みんな超変わってるのよね。」

書店の女性店主は本人を目の前にそうため息をついた。

次の読書会で紹介する本をどうしても決められない私は、書店の「相談コーナー」の椅子に座って女性店主の素敵なスーツに見とれていた。
彼女が主催者なので、ここに相談に来るのは最後の手段だった。

品があるのに気取らない彼女は人気者だ。

「で、今日は何をお買い上げくださったの?」

私より七つ年下だが、会うたび彼女とは人間としての格が違う気がする。
そのせいか私は自然と敬語になり、彼女はため口だ。

私がこの書店に通うのは、「なんでこんな本がこんなところに?」という驚きが必ずあるからだ。
古本屋にも図書館の開架書架にさえ今更置いていないであろう本が不思議と私の袖を引っ張る。

今日買ったのは星野道夫さんと忌野清志郎の本だった。

「恋愛小説、やっぱり選べないのね。」

だからこうして「相談コーナー」で相談しているんじゃないか。

あの本もこの本も、実は恋愛小説だよね、という話をひとしきりした後、彼女はにっこりと笑って言った。

「実はね、今度の読書会、まだ一人も参加申し込みがないのよ。さすがでしょ?」

・・・・・この読書会のメンバーは、なぜなんだろう。
恋愛小説を読まないメンツ。でも「ヲタクに恋は難しい」ならきっと読むメンツ。

ふと今読んでいる「日はまた昇る」は、もしかしたら恋愛小説じゃないかと気が付く。

どうりで退屈なわけだ。

ところで、私が最後に認識した最愛の恋愛小説は山田詠美の「ソウルミュージック・ラバーズ・オンリー」。

あれからもう30年以上が経つ。


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好きな本は出版社が変わり表紙が変わるだけで書い直す。
恋愛は、読むものじゃなくてするもんだ。
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Comments 2

にゃんこさんさん  

こんにちは

うわあ、いいなあ。素敵な人ばかりじゃないですか(^^
一番好きな本を紹介してくれるなんて、読書会って素敵ですね。
>恋愛は、読むものじゃなくてするもんだ。
そうですとも。私も恋愛小説はあまり読みません。
店主の方はものすごいハードルを(^^;
店主の方のイメージが私の中で黒木華さんに固まりました。

2020/02/12 (Wed) 12:41 | EDIT | REPLY |   
mikaidou
mikaidou  
Re: タイトルなし

にゃんこさんさん様

こんにちは(*^▽^*)

> 一番好きな本を紹介してくれるなんて、読書会って素敵ですね。

ふふふ、これ、『ビブリオバトル』みたいに一位を決めないってだけで、オタク同士の『この本知らないでしょ』という火花がバチバチに飛んでますから〜。

> 店主の方はものすごいハードルを(^^;

これまで数多ある小説ジャンルで恋愛だけはテーマにできなかったから、じゃないかとwww

> 店主の方のイメージが私の中で黒木華さんに固まりました。

あ、黒木さん大好きです。なんか会うだけで御利益がありそうな人なんですよね。

2020/02/12 (Wed) 13:22 | EDIT | REPLY |   

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