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眉村卓さん

作家、眉村卓さんが亡くなった。

『ねらわれた学園』、『なぞの転校生』、『幕末未来人』、『まぼろしのペンフレンド』などはNHK少年ドラマシリーズの原作となった。
晩年まで書き続けた息の長い作家。

記憶はもうおぼろげで、記憶違いも多いかもしれない。
そのくらい昔。
初めて読んだ眉村卓の本は、姉が買ってきた。

中高生が主人公のジュブナイルSFは、自分の身近な姉の姿に主人公を投影できた。
怖くもありワクワクもした。
夕日の赤が怖くも思えた。
鬼太郎の世界はリアルに怖かったが、町に紛れ込む異星人や未来人にはドキドキした。

子供の頃育った家の2階の、陽の当たる縁側を思い出す。

縁側の隅には絵本や児童書、姉の漫画、小説の文庫本が積んであった。

絵本は読み聞かせてもらうものでなく、自分で読むものだった。

7つ年上の姉の影響もあって、自分で文字を読むようになったのはかなり早かったと思う。
絵本から漫画、漫画から児童書、そしてジュブナイル小説。

母は、年相応の本を読ませなくてはと思ったのだろう。
課題のように昔話やグリム、アンデルセン、ペロー、松谷みよ子や小川未明の本なんかを『こっちから読みなさい』と私に与え続けた。

姉が買って来る週刊マーガレット、別冊マーガレット、時代にコース、そしてジュブナイルSF。
私は少年マガジン、チャンピオンが好きで、リカちゃんよりそっちを欲しがった。

『つる姫じゃ〜っ!』も『がきデカ』も『ブラックジャック』も『愛と誠』も、『ベルサイユのばら』も、『あしたのジョー』も。
連載の途中からほぼリアルタイムで読んだと思う。
叔父の家には田河水泡の漫画『のらくろ』が揃っていた。
泊りがけで遊びに行くと、特別に許しをもらって粗相のないようにもったいぶって読んだ。

NHK少年ドラマシリーズが始まると、小学生の私は一気にSFにハマった。

眉村卓、光瀬龍、筒井康隆、小松左京。
和田慎二の漫画も大好きだったので、テレパスや未来人、タイムトラベル、異星人と謎のセットはたまらない魅力だった。

叱られることはなかったが、心配した母はその頃珍しかった子供向けの今で言う『空想科学本』の走りのような『宇宙ステーションの暮らし』が半分漫画で描かれた本を買ってきた。
その本を繰り返しアホみたいに読んだ結果がスタトレ好きにつながる。

『銀星号事件』でホームズに出会うまで、難しい言葉の意味や読めない漢字は姉に聞きながらSFなんて言葉も知らないまま読んだ。


もちろん山中恒、リンドグレーン、ポーター、バーネット、オルコット、ディケンズなどという母からの課題図書は続いた。
インガルスにハマらなかったことが今も不思議でならない。
ウェブスターは岩波。モンゴメリはもちろん村岡花子訳で姉のお下がりの文庫本をシリーズで。

母が好きだった向田邦子、遠藤周作、佐藤愛子、北杜夫、宮尾登美子、田辺聖子、平岩弓枝辺りは高校生になってから。
太宰も高校生だった。

アシモフ、星新一は学校の図書室で読めたが、ブラッドベリに出会ったのは萩尾望都の漫画を通じてだった。
原作を読んだのは高校生になってから。
海外SFはそこから逆行するようにハインライン、ホーガンなんかを少し読んだ程度。

身近な中高生を主人公にしたその頃の日本のSF文学と、海外SFは違う分野といっても良い程遠くに思える。

眉村さんをはじめとする作家達が切り拓いてきた日本のSF。

『ひとあしお先に』

そんな風に、眉村卓は未来の扉の向こうに行ってしまったに違いない。

現代に残された私が、次に読むSFはこれ。
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眉村さんが残してくれたものにありがとう。
ご冥福をお祈りします。






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