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5歳の真央から

宇都宮直子さんの『浅田真央 age 18-20』を読み返しています。

真央さんが幼い頃から浅田家と極めて近い所でフィギュアスケートを取材し続けたライターが書いた、真央本の中では後期にあたる文庫版です。

もしかして今までに書いた宇都宮さんの本の感想で同じことを書いていたかもしれませんが、読むたびに感想を書きたくなるので、また書きます。

真央さんがまだジュニアだった頃、姉の舞さんがいち早くマスコミの注目を浴び始め、テレビで観る舞さんの美しさに驚いたのが、『浅田姉妹』を意識して探すようになったきっかけだったと記憶しています。
舞さんがモデルに挑戦、という報道があった頃から、真央さんの快進撃も子育て真っ最中の私の目にさえ伝わるようになりました。

真央さんのシニアデビュー、あのくるみ割り人形。
翌年のチャルダッシュの軽快な足さばき。

すっかり真央さんのファンになった頃、図書館の書架で見つけた『浅田真央 15歳』。
借りて来て夢中で読みました。

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シリーズは全て、繰り返し読みました。

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タチアナ・タラソワが『天才』『妖精』、『スケートをやるために生まれてきた申し子』と呼んだ日本人選手。

宇都宮さんは著書の中で所謂『陰謀』を語ってはいませんが、フィギュアスケートの採点の『微妙』さは充分に伝わってきます。

浅田真央の生い立ち、というより母匡子さんがどのように姉妹を愛しみ育んだかは『15歳』から色濃く描かれています。

今、私が読み返しているのは2008ー2009年シーズンから2010年暮れの全日本選手権までの真央さんを追った本。

真央さんにとっては最も厳しく辛く、変化の多かった時期です。
ファンが最も許せなかった報道の歪みやそれに端を発したと思われる不調などには軽くしか触れられていません。

文体は『リポート』。
真央さんの実際の言葉が多く載せられてはいますが、あくまでも著者の目を通して見たまま、その『フィルター』の煩わしさが、『ヨナとの比較が多過ぎる』という当時のレビューに繋がっているのだと思います。

確かにここに書かれているあのバンクーバー五輪シーズンの浅田真央のどの試合に対しても、宇都宮さんの見る目は近しいだけに厳しい。
思い出しても辛い程、当時のマスコミの『言い方』です。

どの試合のどのジャンプで回転不足が取られたか。
ああ、そうだった。バンクの代表をかけた全日本のショートでさえ、真央さんの3Aは回転不足を取られたのでした。

この文庫本には、中程に『心にかかる橋』という章があります。
これまでの真央本で最も心に残っていた部分が、この文庫にも収められていたのでした。

『試合になるとね、心に橋が現れるんだよ。すごく高くて、細い橋。』
その橋の前で足が動かなくなる。
真央さんはアメリカに拠点を移していた頃、そう話していたのでした。

それでもその橋を越えて進もうとした。

16歳で優勝した全日本選手権では直前に右手小指を骨折していたし、
あのヨーテボリの世界選手権で優勝した時、彼女は左足首に靭帯損傷を負っていました。



この本には載っていませんが、『浅田真央17歳』にはラファエル・アルトニアンとの経緯も忌憚なく書いてあったことを思い出します。
ラファは当時のことを後悔していると後に語り、彼の印象は少しマシになりましたが、私は長くラファ親父に怒っていました。


採点について、宇都宮さんでさえ何度も書いています。

『競技である以上、正確なジャンプを求められるのは当然だ。しかし、それは、エラーの判定が公平に行われるのが前提となる。
試合によって、ジャッジによって、選手によって、基準が違うのなら、フィギュアスケートは競技ではなくなってしまう。浅田真央age18ー20 p155』

ヨナの採点については試合毎に、繰り返し、宇都宮さんの正直な感覚も書かれています。

素人のくせに採点に言いがかりをつけ、真央さんのありのままを認めようとしないマオタ。
そう言って口を塞ごうとする方々、陰謀論から目が覚めたらしき方々もいましたが、きっとそういう方は宇都宮さんにも反論できるんでしょうね。



あの当時の何とも言えない女子シングルをめぐる熱気、試合の緊張感、見ている者さえ痛かった程のヒリヒリとした攻防の中で、いかに純粋に、ひとりの少女がスケートと向き合い戦ったか。
『あの時の浅田真央を見ていた者達の感覚』が文字通り書き残されています。

今だ語り草になっている、あのヨーテボリでの試合の後の、ウジの報道番組での転倒パネル。
偏向報道の真っ只中にいた真央さんの信じられない程の清らかさ。


その試合の直前に、宇都宮さんが真央さんに、『5歳くらいに戻って、今の真央を見て、もし声をかけるとしたら、何とかける?』と聞いています。

嬉しそうに微笑み、彼女は言った。
『スケート、やれててよかったねえ、上手になってよかったねえって』



きっと今も、真央さんは同じことを言うのではないでしょうか?



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Comments 4

にゃんこさんさん  

こんにちは。急に寒いですね。

>嬉しそうに微笑み、彼女は言った。
『スケート、やれててよかったねえ、上手になってよかったねえって』

この言葉を読んで涙が溢れました。心が綺麗な人ほど簡単に汚せると思ってしまうのかしら。
この手の本は一度も読んだことがないですが、色んな思うことはありそうですね。
すごくまっすぐに一生懸命戦ってきたのは普通の女の子なんですよね…味方が守ってくれても怖いはずだから。
あんな世界中を敵に出来るような装置使って大の大人たちは何してたんでしょうね。

2019/03/10 (Sun) 15:39 | EDIT | REPLY |   
mikaidou
mikaidou  
Re: タイトルなし

にゃんこさんさん様

こんにちは(^^)

> この言葉を読んで涙が溢れました。心が綺麗な人ほど簡単に汚せると思ってしまうのかしら。

私も泣きました。
宇都宮さんは多分バンクの後辺りから浅田家とは距離が出来たのか、そうでなければ内情を書かない選択をしたのかだと思うのですが、特にこの本では微妙な立ち位置で彼女が知っている真央さんを描いている感じなんです。
もうメディアにもスケ連にも関係なく、自分の道を進んで行って欲しいですよね。
本物のファンがたくさんいるから(スポンサーも)大丈夫(^-^)

2019/03/10 (Sun) 16:52 | EDIT | REPLY |   
りほ  
ありがとうございます;;

mikaidouさまの愛に溢れる言葉に泣きました。

宇都宮さんの本、リアルタイムで買って全て貪るように読みました。
ボストンワールドの会場に入った瞬間のこと、橋の話、他にも印象に残る言葉がたくさんありました。
個人的には最後の本はあまり取材出来なかったのか、それまでと少し印象が変わってしまいました。
宇都宮さんが忖度せざるを得なかったとしたら、彼女にとっての不幸です。

でも、それまでの本は真央ちゃん本人の言葉を読めるだけで本当にありがたかったです。
これほどの人気アスリートなのにそんな状況だったんですよね。
一番酷かった時、嵐の櫻井くんのインタビューが一番まともだったのが妙に印象に残ってます(甥っ子達は嵐ファンw)

引退してからも何度もいい意味でこんなに驚かせてくれるのは望外の喜びです。

ご本人の目標や夢、ファンや関わる人達全てを幸せにする、きちんとビジネスとして成立させる、全てを実行出来る稀有な人です(大ちゃんも!)

2019/03/10 (Sun) 22:46 | EDIT | REPLY |   
mikaidou
mikaidou  
Re: ありがとうございます;;

りほ様

> でも、それまでの本は真央ちゃん本人の言葉を読めるだけで本当にありがたかったです。
> これほどの人気アスリートなのにそんな状況だったんですよね。

そうですよね。宇都宮さんの本を読んでいると、真央さん自身は精進しているだけなのに、いかに周囲が変わっていったかがよくわかります。

> ご本人の目標や夢、ファンや関わる人達全てを幸せにする、きちんとビジネスとして成立させる、全てを実行出来る稀有な人です(大ちゃんも!)

そうですね💕大ちゃんの道も険しいとは思いますが、新しい道を切り開いて行ってくれますよね(^-^)

2019/03/11 (Mon) 09:49 | EDIT | REPLY |   

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