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『浅田真央は何と戦ってきたのか』というタイトルの時代遅れ

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自分で読み返しても、上から目線の読書感想文で申し訳ありません(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
喧嘩は売ってないですので、悪しからず。



この本が届いた今日という日は、朝のニュースもワイドショーも、紀平選手の快挙を当たり前に報じていました。

このタイミングの凄さ。

正直、私は今回の真嶋さんの本には疑問がありました。
読みたいとも正直思いませんでした。


『真央さんが新しい道に邁進している今、何故❓』
『プロが(ワザと)検証しない事を、一般のブロガーさんが必死の思いで数字にし、積み上げて来た採点のおかしさをいいとこ取りですか❓また❓』
『真央さんの名前を使うのやめてくれー』

この三点で、『何❓今頃になって』と思いながらアマゾンポチしたのです。



紀平選手のGPF優勝は素晴らしいものでした。

それ以上に報道のされ方がまともで、これが普通だよねと納得した日。

でも
GPFに出場した他の日本人選手をガン無視というスケ連仕様ですね。
芸能事務所ですからね。

仕事が終わって家に帰ると、届いていたこの本。
一気に読むには大変な資料。
でも私は本読みなので、読みました。



陰謀論と呼ばれた疑問に対して、これまでの『ジャッジは正義論』は。

『基礎点が低くても、ノーミスの上完成度が高かったのだから勝って当然』。

じゃ、今回のザギトワは?


『3Aは諸刃の剣。失敗したら大きく点もPCSも引かれる。3Aやるだけムダ。』

紀平選手は2つ目をコンボにしてしっかりと決め、他のジャンプにも隙がなく、単独3Aで転んでもPCSには響いていませんでした。


『女子の表現力には色気が必要。子供っぽい演技ではダメ』

紀平選手の清潔感はプラスになりこそすれ、リーザの演技より『劣っている』と言った識者は誰もいませんでした。


全て10年前の真央さんへのジャッジ、評価、報道の逆を行く流れです。

紀平選手におめでとうと思いながら、目は遠く泳いでいたのも確かです。

この本が届いたのは、そんな試合が終わった直後だったのでした。


延々と続く『検証』は、真央の11シーズンを見てきたファン、
報道と演技の余りの剥離にネットを彷徨ったファン、
真央さんの演技に心揺さぶられ、共に泣いてきたファンなら皆知っている事。

所詮『陰謀論』と言われないためには、ここまで詳細にデータ化するしかなかった。
その『細かなデータを表にして無償で公開してきた』ブロガーさんの名前は小さくとも、
素人がここまでやらなくては『おかしい』とも言えなかったネットの世界の異常さ、
何より報道の異常さ。
そんな事、この本を買う人達こそ誰より知っているのではないでしょうか。

真嶋さんの戦いは、読者でしかないものにとって想像を絶するものだったことでしょう。


とはいえ、本書の最大のウリであり時代遅れ感を醸している原因はタイトルにあると思います。

本書の読みどころは、実は男子シングルのページにあるのではないでしょうか。

『オーサー理論』がルール上揺るがぬ正しさを持って結果を出してきたと喝破する(喝破したのが本当に真嶋さん個人ならば)、特に男子シングルでのわかりやすさはこれまでネットにも明確に出されてきていないものでした。


大幅なルール改正がなされた今、本書に書かれた男子シングルに起こりうるであろう『予測』は、何故か今季抑えられて見えるネイサンとショーマのPCSへの疑問にぴたりと符合します。

今読んで面白いのはむしろここなんです。

私はオーサーを『真の指導者、実力者』とは思っていません。
甘言タラタラの『モンスターメーカー』が、作ったモンスターの取り扱いに苦慮しているとは思っていますが。

オーサーが金メダリストを作るためのセオリーを発見したと仮定しても、彼個人の力だけでは如何ともし難い。
そこを救っているのが選手の『ルールに適した』才能と各国の裏からサポートなのでしょう。

『いかにも人間クサイ』採点の隙間をついたオーサーのやり口の是非は置いておいても、スポーツだと勘違いして観ているこっちにはムカつく!メソッドですよね、そりゃ。

コラムに登場する元選手(一応今の所名前は書きませんが)のAI導入に対する意見には心底驚いています。
この元選手をはじめとする関係者の意識が、そもそも素人とはかけ離れた所にある以上、ファンにはこれよりもう何も言えることはないと思ったほどの衝撃でした。
フィギュアの面白さの本質を実に見事に突いた意見であり、『フィギュアを純粋なスポーツ』と思う方が既に違ってるのでは?と思うに足る言葉です。

何というか、『陰謀論は嫌いです』とか、『陰謀論から目が覚めたわたし』的な羽生ファン層は、そういう意味では非常に『正しいフィギュアの楽しみ方』をなさっているのかもしれませんね。
どうかそのままその路線で突っ走って頂きたいものです。
マオタ以上の陰謀論を唱えておられる方々も、この際陰謀論からは脱出を図られては?

いつか『王者様』の『ハシゴ』が外される時、すんげー大変かもしれませんからね。

この本でも調査の末書かれているように、選手にとってジャッジは、連盟は絶対ですから。
元選手、それも一流の、であればあるほどジャッジにならない理由。
それはジャッジには逆らえない、イコール連盟には逆らえない不文律にがんじがらめにされてきたからこそ、自分がそこに加担する事は考えられないんだそうですから。

ま、それを言っちゃおしまいなんですけど。
昔からツッコミどころがありすぎるが故に面白い競技なのは否定できないですし。

そんな『元選手による』すれ違いのコラムにも負けず、真嶋さんは尚も果敢に『採点』に切り込みます。

『ジャンプの起点が明文化されていない』が故、機械判定は不可能。

そもそもジャンプのテイク・オフも跳ぶ方だって『感覚』らしく、だからこそエッジ系ジャンプを跳ぶ瞬間までを丹念に調査して書いておられる。
普段フィギュアスケートを観ながら思うことが裏付けと共にもう一度明らかにされていきます。

あらゆるつてで情報を集めることに尽力し、様々な本やインタビューを丹念に掘り起こし、その結果から導き出される結論は、ほぼその通りだと思います。

真央さんが現役を引退した時、『スケートはもういいかな』と思ったのもこの本を読めばより明確にわかる気にもなります。

『ジャッジの独立性が保たれない限り、フィギュアの採点は永遠に「国と国との闘い」であり続けるだろう。』

その通りだと思います。そして「ジャッジの独立性」「プロのジャッジ養成」は決して実現しないであろうことも。


ステップ、コレオシークエンスの評価を上げ、女子のスパイラルの復活を、という項も、既にネット界隈では言い尽くされたことではあるでしょう。
『GOEは体操のように「10点満点からの減点方式」で充分だ。』もその通り。
でも、そうは問屋もおろさない競技、それがフィギュア。

さて、いよいよ後半、ページが割かれているのはスケ連の非道ッぷりです。

この辺り、キレッキレの文章ですが、やはりブロガー様方の協力が伺える所でもあります。
真央ファンには『読んだよ。だから悔しいんだよ。』と思わずにはいられないところです。
それでもここまで粘って構成し、書く姿勢には頭が下がります。


後半の城田氏の略歴からの2連覇に至る特例尽くし。


全日本を最後に、競技生活を終える選手は今も多い。
彼らは世界では勝てなかったかもしれない。
でも年に一度だけ見られる選手たちの演技を、私は楽しみにしていました。
だからこそ、多くのそれ程知られてはいない、でも全日本に全てを賭ける選手たちを間近に見て選手復帰を決めた髙橋選手に同感するのです。

スケート連盟はスケートの裾野を広げることより、サンフランシスコベイエリアから『単なるローカル試合』と言われる程度に、全日本を落とし込むことを選んでいます。

著者は更にブロガーの協力を得ながら細かく情報のソースを出して検証を重ねていきます。

最後の、『浅田真央は何と戦ってきたのか』です。

ここはもう、今更涙も出ない、知り尽くした部分です。

真嶋さんの『おわりに』を読まなければ、私も多分最後まで『何故今更?』と斜に構えたままだったと思います。

迷った末、
『「おかしいことはおかしい」という問題提議は、フィギュアを大切に思う気持ちとは矛盾しない。』と思うに至って書くことにしたそのお気持ちに嘘はないと思います。

問題提起し、裏を取れないもどかしさ、スケート関係者のガードの固さに悩みながらの執筆だったことでしょう。

本という形になることは、ネットで流される情報とは意味が違います。
その意味で、この本は貴重な記録です。

既にアマゾンのレビューには、浅田サイドの許可は取っていない本との書き込みがされています。

これだけの情報量、しかも五輪金メダリストのデータもたっぷりです。

著者の真嶋さんが選んだタイトルに、失礼とは思いますが、

フィギュアへの愛がこの困難な道を選ばせたのならば、タイトルに真央さんの名を入れる必要はなかったと思います。

もう次のシーズンに踏み出している真央さんとフィギュアスケートの時間を、巻き戻す必要は無い気がします。


浅田真央という存在が、いつか本物のノンフィクションライターを生み出せたら。

そんな日が来ることを祈って。







ツイッターに小塚さんのことがえらく酷く書かれていました。

真嶋さんの本を読んでいらっしゃらないことが丸わかりです。

真嶋さんの推察や願いと、小塚さんの採点に関する個人的な見解は真逆と言っても良いほど相入れません。

スケーターの感覚は素人などには全く想像もできない微妙なもので、それ故に判定さえ微妙であることも受け入れていらっしゃるような小塚さんの個人的なご意見を、読みもしないで批判するのはいかがなものかと。

真央さんのスケーティングに関するインタビューは素晴らしいものでした。

本のハクヅケどころか小塚さん自身には大変なマイナスのように書かれていますが、
あの書きよう、マオタってヒドイ!と言ってこられた方々だとしたら、大抵ですわね。

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Comments 1

mikaidou
mikaidou  
Re: 魑魅魍魎が跋扈する世界

鍵コメさま

全くその通りですよね。
採点で引導を渡す、そのやり口。
まともな演技への評価ではありません。
GOEとPCSで意思を示すだなんて、選手のメンタルは大変だと思います。
本の中に、佐藤コーチの『日本人やアジア系の選手が回転数の多いジャンプを跳べるのは肩幅が狭い体型が理由にあって、それは物理的な問題。』(正確ではありませんが)と書いてあって、成る程と思ったのですが、
スポンサーも何故かまだついていて、体型的アドバンテージもあり、
育って来る選手にも恵まれていながら、そのスポーツを『錬金術』にかけることしか考えていないだなんて。
残念すぎます。

2018/12/12 (Wed) 07:38 | EDIT | REPLY |   

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