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ドラマ『赤い月』と原作の間



『高校殺人事件』松本清張


松本清張唯一のジュブナイルミステリ。

あとがきで初めて知ったのですが、松本清張自身は通常の高校生活を体験していなかったとか。

登場人物の高校生のキャラクターにリアルさが欠けるのはそれも関係があるのかもしれません。

殺されてしまった主人公の友人の『ノッポ』。
彼の不思議な個性とは裏腹に、友人達がキャラ立ちしないままだった事がタイトルを考えても惜しい気がします。

ミステリとしても清張らしくない大雑把な感じが否めないのです。

ただ、武蔵野の雑木林に沼地、上る月は赤く、物寂しい情景に惹かれ佇む詩人。
武蔵野にしかない植物、『むらさき草』。

沼地とお寺の不気味なイメージに最後まで引っ張られ、一気に読ませてしまうのはさすがです。
主人公のいとこの女子が探偵に加わることで後半、主人公の周辺もにわかに活気付くのです。

享光院という侘び寺の住職、若い坊主、謎の男。
戦争がまだ人々の生活からも心の底からも抜けきれていなかった時代が、鬱蒼とした林の中に浮かびます。

読みながら、うっすらとスタジオに作られた雑木林が思い出されます。

NHKの少年ドラマシリーズ『赤い月』は、この清張作品を原作として作られていました。
全20回もあったのに、NHKアーカイブスにもこのドラマは入っていません。
最終回の一部がニコ動に上がっていましたが、多分私の記憶が正しければ、やはりあの高校の先生は殺されずに生きていた設定になっていたのです。

どなたか録画をお持ちの方、いらっしゃらないでしょうか?
間違いなく懐かしく面白い、今ではもう作ることのできない種類の青春ドラマだったと思います。

http://shonendorama.cool.coocan.jp/akaituki.html
こちらにドラマのあらすじが載っています。
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