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犯人は読者。儲けたのはメイド。

『名探偵登場』

『諸君は長い間才知におぼれ過ぎ慢心したのだ。
長年にわたって読者をだまし
どんでん返しでバカにしてきた。
最後の5ページで初めて犯人登場とは何だ。
手掛かりも情報も隠しぬき、誰が犯人か推理させない。
だが今や形成逆転。
100万の怒れるミステリー読者が復讐するのだ。』


どうりでこの屋敷にはドルリー・レーンもエラリー・クイーンも呼ばれないはずだ。
クイーンも同じ事言ってたから?

あらまあ、犯人は私❓

実に素敵なオチだ。


何回見ても笑えるし、何回見ても、全貌がつかめないパロディ映画。

『Murder by Death』って、タイトルからしてふざけている。

ロバート・ムーア監督
ニール・サイモン脚本。

何と言っても見ものは『スター登場』と、『トルーマン・カポーティ』。
そして『観客席への挑戦』ではないか。

オープニングで箱から現れるオールキャスト。
最初から『Who done it (whodunit)?』と聞かれているようだ。

実際に殺人も起こらなければ推理だってナンジャラホイという、でも『whodunit?』がちゃんとあるのが笑える。

名探偵が5人、摩訶不思議な屋敷に招待され、次々と殺人が起きるだなんて、ここで江戸川コナンが巻き込まれなきゃ不思議。コナンのあの話は、完全にこの映画のアイデアでしょ。

一見まともなチャールストン夫妻はどんな時もカクテルグラスを手にしているし、
ピーター・セラーズ演じる奇怪な中国人が日本人を3番目の養子にし、出っ歯の中国人が如何にもヘタな英語を話すのだが、今なら差別的!と言われるであろうこの『東洋人的発音』の演技が意外にもうまいのだ。
何度も発音を直されるくすぐり。

以下にwikiからお借りした登場人物を載せるが、どのサイトにもジェームズ・ココ演じる『ミロ・ペリエ』をポワロだと書いている。
これはポワロの髭とヨーロッパの雰囲気を借りたレックス・スタウトが生んだ美食家探偵、ネロ・ウルフだろう。
秘書兼運転手のアルミの骨が腰に入っているマルセルは、アーチー・グッドウィンに他ならない。(と思う)

ピーター・フォークはサム・スペードとボガードを二重にパロディ化していて流石にツボを押さえているし、
その彼と抱き合う『ジェシカ・マーブルズ』なんて、『Murder, she wrote 』のジェシカは、この映画の名前をいただいたんじゃ?と思ったくらいだ。
『ジェシカおばさんの事件簿』と『刑事コロンボ』の関係は言うまでもなく、時系列から言えばこちらが先に作られているので。

ハメットの『影なき男』は未読。
『マルタの鷹』、というかサム・スペードとは長い付き合いだ。


アール・ディア・ビッガースの『チャーリー・チャンシリーズ』も未読。

それでもジャズ・エイジ周辺の匂いが色濃く出ている気がするのは私だけ?

称号付きの名を持つ怪しい執事。(この名前のやり取りのおふざけっぷりがアメリカ?)

名探偵達を殺そうと、まだらの紐的蛇にクリスティお得意の毒、ガス、そしてサソリに爆弾まで出てくる。
殺害方法までパロディ。
オールスターキャストの関係でラストが変更されたと言う。
最初の予定ではラストにホームズとワトソンが出てきて全ての謎を解き明かすという、そちらのラストも見てみたかった。

パロディ映画が幾重にも重なり合った、一筋縄ではいかない名作。



●ライオネル・トウェイン - トルーマン・カポーティ: 謎の大富豪。

●サム・ダイヤモンド - ピーター・フォーク: サンフランシスコの探偵(『マルタの鷹』サム・スペードのパロディ)。

●ディック・チャールストン - デイヴィッド・ニーヴン: ニューヨークの探偵(『影なき男』ニック・チャールズのパロディ)。

●シドニー・ワン - ピーター・セラーズ: カタリーナ警察の警部(『シナの鸚鵡』チャーリー・チャン警部のパロディ)。

●ミロ・ペリエ - ジェームズ・ココ: ブリュッセルの探偵(エルキュール・ポワロのパロディ)。

●ジェシカ・マーブルズ - エルザ・ランチェスター: イングランド・サセックスの探偵(ミス・マープルのパロディ)。

●ジェームズサー・ベンソンマム - アレック・ギネス: トウェイン邸の執事。盲目。

●ドーラ・チャールストン - マギー・スミス: ディックの妻(『影なき男』ニックの妻ノラのパロディ)。

●テス・スケフィントン - アイリーン・ブレナン: サムの助手兼愛人。

●ウィザース - エステル・ウィンウッド: マーブルズの付き添い看護婦。

●マルセル - ジェームズ・クロムウェル: ペリエの秘書兼運転手。

●イェッタ - ナンシー・ウォーカー: トウェイン邸のメイド。聴覚障害者。

●ウィリー・ワン - リチャード・ナリタ: シドニー・ワンの養子。日本人。


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