2017
08.14

『ダンサー』

Category: 映画の話
『ダンサー』

一部ネタバレ、しかも素人の好き勝手な感想ですので、
あしからず。




若き天才プリンシパル。
キエフバレエ団を経て英国ロイヤルバレエ団の史上最年少プリンシパルとして華々しく舞台を飾ったセルゲイ・ポルーニン。

クラッシックバレエは長い歴史の中で、究極の美を追求し続ける芸術。
身体に張り付くレッスン着は、筋肉の動き、使い方を確実に見えるようにするためだ。

友人に "gracefull beast "と言わしめた、優雅で猛々しく、高く正確なジャンプ。
虎の様に助走し、そのくせ軸がブレることのない美しい回転。

監督のスティーブン・カンターはドキュメンタリー畑の方だそうだ。

子供の頃から現在までの写真や映像が数多く残されているため、天才ダンサーの記録が喰い込む様にその内面に迫っていく。

彼のレッスン費用を出すためにいつしかバラバラになった家族。
その喪失感は彼を破滅の道へと何度も誘う。

彼が『引退』するつもりで踊った
『Take me to Church 』。
彼の苦しみ、魂の渇きは、その類い稀なる才能さえ、自らのGuilty だと感じていたからではないのだろうか。
家族が自分を捨てたのではない。
家族を壊したのは紛れも無い、自分だと、彼は自分を責めていた。
きっと、自分の才能までも。

『Take me to Church 』の歌詞は彼の心そのものであり、裏返しでもあった。
苦しみの表現だけではなく、罪の贖いを求める祈りでもあったと思う。

彼はクラッシックバレエの一線を退いて初めて、自分の公演に家族を招待した。
ようやく自分を許したように私の目にはうつった。

これ程の才能を持って生まれ、苦しんだ挙句

『僕はやっぱり、踊ることが好きなんだ』

そう言ったセルゲイに、観る者も救われる。

正確さを常に要求されるクラッシックバレエにおいて、完璧な基礎の上にしか芸術は生まれないのではないかと、その思いを強くした。

あの厳しくも美しいレッスンからさえはみ出してしまう程の不世出の才能。
子供の頃からのレッスンシーンにさえ鳥肌が立つ。

今現在、自身がプロデュースする公演を
行いながら、既に3本の映画出演が決まっているそうだ。
『オリエント急行』もだが、第2のヌレエフと言われた彼が、ヌレエフの伝記映画、『The White Crow 』の出演も決めているという。

絶対に見逃せない。

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コメント
私も観ました。

ハワイの廃屋でのダンスシーンは圧巻ですね。

ダンサーはこんなにも体で語るものなのですね。

彼の情熱や切ない思いがほとばしり、その美しさと迫力に、

溜息どころか息をするのも忘れそうでした。


天才ゆえのいばらの道なのでしょうか。

もしも、彼の家が裕福だったら、親の離婚がなかったら、

もっと早くに相思相愛の指導者に出会っていたら。

退団後、アメリカに行っていたら。

たらればの羅列になってしまうのは、真央さん同様。

紆余曲折を経て、踊るのが好き その原点に戻るのも、真央さんと同じ。

映画を観た帰り道、セルゲイのダンスと、真央さんの先日の

赤リチュ、そして仮面舞踏会が繰り返し頭の中を巡るのです。


sonadot 2017.08.15 23:10 | 編集
Sonaさま

コメントありがとうございます。
彼のバレエは型にはめようのない素晴らしさでしたね。
私も映画を観ながら、ずっと真央ちゃんのことを考えていました。
彼女のお母様の偉大さや舞さんの存在の大きさをひしひしと感じました。

セルゲイの次のステップ、私に見ることができるもの、映画が楽しみです(^^)
mikaidoudot 2017.08.16 09:53 | 編集
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