現在の閲覧者数: Chitty Chitty Bang Bang - 老嬢の鼻眼鏡

Chitty Chitty Bang Bang

  • 2017.05.13
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『わたしの絵本、わたしの人生』
ジョン・バーニンガム/著

高かったが、どうしても買わずにはいられなかった。

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この素晴らしい挿絵は、007シリーズで有名なイアン・フレミングが書いた、あの『チキチキバンバン』のためにバーニンガムが描いたものだ。

バーニンガムの挿絵に、フレミングは殆ど注文を付けなかったそうである。

この本の挿絵がバーニンガム、映画の脚本はあのロアルド・ダール!

『チキチキバンバン』は私が本当に小さな時、初めて映画館で観た映画で、洋画好きな母に連れて行かれた記憶がある。

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ジョン・バーニンガムについては➡Whadayamean で一度書いているのだが、「わたしの絵本、わたしの人生」を読むまで、「チキチキバンバン」の本の挿絵については全く知らなかった。


1年ほど前、バーニンガムの絵本『いつもちこくのおとこのこ』の朗読をさせて頂く機会があった。

原題にもなっている、主人公の名前、
『ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』と書かれた、そのままを読むことに違和感が拭えず、原書で読み直した。
「マクヘネシー」ではリズムが取れなかった。

これ程名前を繰り返すには、何か意図があるはずだ、と思っていたら。
絵本の中で主人公の名前が何度も繰り返される理由は、バーニンガムの本で解き明かされる。

『法廷では、被告人はフルネームで呼ばれるという慣習がある』

これにヒントを得てこのタイトルと文章になったのだそうだ。(私の絵本、私の人生p158より)


『良心的兵役拒否』。
バーニンガムについて調べていると必ず出てくる言葉だが、
戦時下のイギリスにこんな制度があったことを全く知らなかった。
彼の父は一度兵役に就いたのだが、
第一次世界大戦、第二次世界大戦を通じ、親子2代でこの「良心的兵役拒否」を選択している。

「何でも屋」のように、トレーラーハウスで各地を回りながら様々な仕事を無償で行う。
それが良心的に兵役を拒否したものの仕事だった。

彼の作品を数多く収めたこの本には、その生い立ちについて辛かったことは何も書かれていない。

学校生活でも、売れない画家だった時も、
彼は洒落者で、ちょいワルで、そしてアーティストだった。

最初の絵本、『ボルカ』以来、強烈な主張があるように思って読んでいたが、
自伝に書かれた絵本に込められた思いは意外なほどサラッとしている。

表現しているものの豊かさと、彼自身のあっさりとした軽やかさに、ますます魅了されている。

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