現在の閲覧者数: 水平線の向こうには - 老嬢の鼻眼鏡

水平線の向こうには


先週末、取り返しのつかない失態を仕事でやらかした私は、眠れない週末を過ごしていた。

友人も同じく、仕事に悩んで胃痛を抱え込んでいた。

晴れて、体中が花粉で痒くなりそうな日曜、
私たちは久しぶりに遠出することにした。

水平線がほんのりまあるく見える山の上まで車を走らせ、
普段分別のある大人として振る舞っている自分たちを、
素のまま、喋り放題に開放してやったのだ。

色んな話をしているうち、友人が「国別対抗戦、見たんだよね。」とポツッと言った。

嬉しいことに、JOを一緒に見に行ってくれたSちゃんも、
LINEでスケート情報や、リアルスケ友さんのことを書き送ってくれるのだが、
こちらの友人も近頃テレビでスケートを見ているらしく、
昨年の慈愛も一緒に行きたかったと言って私を驚かせた。

友人は、三原ちゃんのインタビューで彼女が話したことを見事に身振り手振りで再現しながら、
「私もさ、毎日ひとつでも嬉しいことがあったら、それを積み重ねて、
楽しいっ!って思えるようになりたいって、ほんと、そう思ったのよ~。」

「今日はさ、お天気で。こうしてドライブしてこの景色が見られて、思いっきり喋ってさ。
これだけでもいっぱい楽しいことあるじゃない。
それを沢山心に貯めていったら、なんとか生きていけるよね。」

そう言いながら目を潤ませている友人に、こっちが感激した。

三原ちゃんの演技は、伝わる演技。
彼女のスケートは、身体表現の部分では病気のこともあってか拙いかもしれないが、
その「生き方」は伝わっているのだ。

昔読んだ、「少女パレアナ」だったか。
「喜びの遊び」と称してどんなことにも喜びを見出して本当の幸せを掴んでいく少女小説があった。

あれを、魑魅魍魎のスケート界でやろうというのか。
三原ちゃんの道は、これからが厳しかろう。

それでも、彼女のスケートは、あの「喜び」を忘れない限り、観ている人に伝わる。

なんだかとても、嬉しかった。

シンデレラの魔法がとけなければいい、と、
私も心から願う。

自分の演技に手ごたえを感じて座ったキスクラで、
サッと顔色が変わる選手を沢山見てきた。

自分の演技に失望するのではなく、
どんなに頑張っても点数に反映されない絶望を。

最後には、繰り返される「格付け」になすすべもなく、
キスクラでうなだれる。

見ている側だけではなく、プログラムを演じた選手自身が、教えているコーチにも、
納得のいかない採点は確かにあると思う。

どうかそんな中でも、滑る喜びを忘れないで、三原選手。

おばちゃんたちの悩みは重く、尽きないけれど、
娘のような選手に、間違いなく、励まされているから。


水平線の向こうには、浅田真央という偉大な存在。

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