現在の閲覧者数: GとJK - 老嬢の鼻眼鏡

GとJK


ゴリオ(仮名)が、不機嫌な様子で帰って来た。

このところ時間があれば部活仲間とやたら映画を見に行くのだが、
ソードアートの4回目でも見てきたかと思ったら、今日はどうやら違ったらしい。

今日のメンツも部活のモテない組。
卒業したはずのセンパイも一緒に、むさくるしい男子が集団で
「PとJK」なる恋愛ものを見てしまったらしい。

高校生にとって映画代は高い。
大枚はたいて何故イケメンポリスと女子高生のイチャイチャを見せつけられなくてはならないのか?
怒り心頭で帰ってきたわけだ。
センパイの希望で選んだ映画だったらしいが、映画の後、皆ガックリと言葉数が減り、そのまま解散になったという。


そんなわけで、今日はゴリオが早く帰ってきたので一緒に夕食を食べた。

食事時にテレビを見ることは避けたいと思うのだが、
今日はオットが「中島みゆき」がファミ劇であるからとテレビをつけていた。
懐かしい曲の数々に、オットと私は昭和トークに盛り上がる。

しかし。
ゴリオ(仮名)にとって、中島みゆきの歌声はどうやら衝撃だったらしい。

「この声ビブラートとコブシ・・・なに?」

ゴリオは何といっても初音ミク世代である。
ボーカロイドののっぺりとした合成の声を聴いて育ったのだ。

「椎名林檎っぽいね」

「うーん、そうかなあ」

「あ、そういえばさ、ジブリの歌うたってた人もこんな感じじゃなかった?」

携帯で何かを調べ始めたゴリオが言った。

「まつまかせやゆみ」って、歌手?



!!!!!!!!!!!!!


まさかゴリオがユーミンを知らなかったとは知らなかった。

てか、単に漢字が読めないのかっ!

とにかく食事を済ませ、
ツベでユーミンを聴かせる。

「あ、そうそう、これこれ。」

「魔女の宅急便」の曲だけは知っていたらしい。

「昔の人ってさ、歌に揺らぎがあるよね。」


ユーミンを「昔の人」と言われ、
オットと私は色めき立った。

「昔の人じゃないでしょーが!あれはレジェンドっていうの!」

が、ゴリオの言っていることは後半部分は本当なのだ。

「揺らぎ」

これは表現の世界では魅力になると思う。

「ほーら、フィギュアスケートだって、機械のように破たんのない演技より、
『揺らぎ』がある方が惹きつけられるんだいっ!」



気を良くした私はユーミンの曲で好きな歌を次々とゴリオに聞かせたが、
その中でもゴリオ向けに選んだ曲が
あの松田聖子の歌う「制服」。

「そういえば、この間見た『アナ雪』のアナの声優のママだよ、この人。声がそっくりでしょ。」

「は?」

ゴリオはソードアートオンラインの声優もしている神田沙也加が実は大好きだなんだと言い出した。

おおっ!

アナ雪の時には心底驚いたものだ。

松田聖子は時々すっぽ抜ける音程が魅力的だったが、
娘の沙也加は完璧だった。
歌も声の演技も。

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「まつまかせ やゆみ」を「まつとうや ゆみ」と教えるのに、ずいぶん遠回りしてしまった。

いつの間にか、ゴリオの機嫌はすっかり直っていた。
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