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アマリリスが残すもの

  • 2017.03.05

これまで読んだ漫画で、一番古い記憶はまだ小学校に上がる前のものですので、その雑誌名も漫画のタイトルも作者も今となっては不明です。

私が覚えているその漫画の筋立ては、ある黒人の少年が白人の肌に憧れるあまり「ある薬」を手に入れ、皮膚を白くした挙句、心身共に破滅していく、というものでした。

鮮明にストーリーを覚えているのは、「こんなことがあるんだろうか」という純粋な驚きと、黒人青年があまりに哀れに感じられたということからだ思います。
のちにマイケル・ジャクソンの皮膚の色が白くなった時にその漫画が現実のものになったという二重の驚きで、今も忘れることができません。


和田 慎二 の漫画はその後ハマったもので、勿論花とゆめ版ではなく、私の中では永遠に別マの「亜里沙」だったりするわけですが。
「超少女明日香」、「神恭一郎」シリーズ。
「スケバン刑事」以前の和田さんの作品が大好きでした。

その中でも忘れられない一作がこちら。

こちらのコミックスに収録されている別マ時代の「快盗アマリリス」の話です。



wikiより

「快盗アマリリス」
1973年に『別冊マーガレット』11月号に掲載された読切作品。前述の通り『怪盗アマリリス』の原型作品。1975年、マーガレットコミックス(通巻ナンバー183号。発刊当時ISBNは付与されていなかった)『呪われた孤島』に収録。

あらすじ
椎崎奈々は全寮制高校に通う女子学生だが、連日のアマリリスとしての怪盗家業による寮の抜け出しがバレて退学となってしまい、実家のK町へと帰る事となった。K町では信楽コンツェルンの地方開発が行なわれ、町の人達が太ってしまうと言う異変が始まっていた。母の雪乃もその一人である。

地元での生活の中で自身が太り始めた事から、奈々は食料に麻薬が含まれている事に気付き、信楽コンツェルンの追求を始める。親友を失うことで一生続く後悔を抱えることになりながらも信楽老を倒し、日本政府に事の次第を報せて麻薬に蝕まれた人々を救う。



本当に昔のマンガでもう手元にも残っていませんのでうろ覚えなのですが、
主人公が久しぶりに地元に帰ると、町の人々に異変が起きていることに気が付きます。
ある食品会社の食物しか人々が受け付けず、しかもそれを貪るように食べているのです。
どんどん太っていく周囲の人々の中で、何かがおかしいと気が付き始めた主人公アマリリス。

普段普通に食べている食品の中に何らかの成分(wikiでは麻薬)が含まれていて、それが常習性を持つために人々はその食品会社の食べ物しか口にしなくなる、という話なのですが、これが本当に怖かった。
普段ホラーや心霊話には興味がなく(美しいものは好きですが)、「怖い」という感覚が昔からあまりなかった私が、唯一「怖かった話」がこれでした。
こんなことがもし本当に起こったら?
食べるもの飲むものに何かが故意に混ぜられたとしたら?

今も「食べてはいけない」などの本はあまたありますが、これほどの衝撃をもって食品を使い利権を貪り人をコントロールする怖さを訴えた作品は漫画とはいえ後にも先にもこれ以上のものを知りません。
少女漫画と侮るなかれ。

ああ、和田慎二の全コレクション、これが欲しくなってしまった・・・!!!


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