2017
03.01

高さと奥行

Category: 日常のこと

引越が決まってから、丸4か月。

引っ越してからも家具を追加で作ってもらっていたが、ようやくそれも出来上がった。

私は台所の使い勝手と、日常の雑多なモノたちの置き場所には非常に拘りがある。

壁一面に作ってもらった(結局は買うよりよほど安かった)棚の高さと奥行。
台所の仕切り壁に作ってもらった棚の高さと奥行。
洗面所もトイレも同様で、この高さと奥行に自分なりの結論を出すまで長い時間がかかった。

いい加減な私のことなので、それは全てを思った通りにというわけではない。
市販の長年使ってきた家具や棚も、ここに使えば丁度良い、と
適当なところでパズルを組み立てるように壁を埋めていった。

それにしても、日常的に使うものは、
たった数センチ奥行きが深すぎると物の出し入れがしづらくなり、浅ければ物が置きにくくなる。
ほんの数センチの高さの違いが、自分の目線と動線を心地よくするか否かを決める。

私のこの拘りは、幼稚園の頃から始まっていたように思う。

粘土遊びの時間があった。
皆粘土の箱から粘土を板の上に出し、思い思いの造形物を作る。
女の子はお人形、男の子は車か怪獣が多かったように思う。

私はというと、小さな粘土箱を部屋に見立て、その中に箪笥とベッドとテーブルに見立てた粘土を配置することに熱中した。

窓とドアの位置を決め、そこから部屋に入った時に何が目に入るかを想像するのは楽しかった。

きっかけはトルストイの「3びきのくま」という絵本だった。
母が買ってくれたその絵本を、私は何度も何度も楽しんだ。


3びきのくま (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)
トルストイ (著), バスネツォフ (イラスト)


テーブルには出来立ての温かいスープ。
子どものクマ用の小さな椅子のかわいらしさ。
ベッドもお父さん、お母さん、子ども用と、大きさが違うのだ。

私が小さな粘土箱の中に作ろうとした世界は、この「3びきのくま」の家のような暖かい部屋だったのだろう。

今ならわかる。

問題は部屋よりその中に住む人なのだと。

いつもいつも暖かいスープをこしらえている時間など実はないという現実も。

1年後にはゴリオ(仮名)も家を出る予定だし、そもそも彼はすでに普通の大人よりでかくなり過ぎたゴリラなのである。


色々なことに気が付いた頃に思ったような箱が出来上がるという矛盾。

確定申告で税金関係のあれこれの複雑さに、散々泣くという無常。

こんな性癖の自分は、ミニチュアやドールハウスで満足すべきだったのでは?

年度末の忙しさと相まって、様々な思いが駆け巡るのであった・・・。




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