現在の閲覧者数: 全力空気清浄機 - 老嬢の鼻眼鏡

全力空気清浄機


インフルエンザが流行っていると同時に、もう花粉の季節が近づきつつある。

今更だが空気清浄機を買うことにした。
「空気清浄機」は長いので、その名をキヨコと仮につけよう。

我が家はゴリオ(仮名)が持ち帰る砂泥のおかげで埃っぽい。

引っ越したばかりということもあったのか、
我が家にやってきたキヨコ(仮名)は、
スイッチを入れたその日から、自動モードで大変よく働いている。

空気がきれいだとキヨコが認めた時は、彼女の身体の真ん中のグリーンのライトが点く。

右方向にオレンジから赤にライトが変わっている時、キヨコは空気中に「ホコリ」を察知し、
左方向にライトが行く時は「ニオイ」を感知しているらしい。


ところが彼女がうちに来て以来、ずっと左方向にしかランプが点かない。

いつ見ても「ゴーッ」という全力で、
キヨコは「ニオイ」を除去していた。


「そんなにニオウのかしら?」ショックを受けていたのは私ばかりではなかった。

ゴリオである。

キヨコはゴリオが帰って来ると途端に赤ランプを付け、フル回転を始める。


「アタシ、もうこの仕事に決めましたからっ!」と宣言するがごとく、

「ニオイ」にしか反応しないのである。

ゴリオは自分が家にいる間中全力で「ニオイ」に向かって働くキヨコを見て、
「なんか、傷つく・・・・・」とつぶやく。

キヨコはキヨコで、
「アタシの仕事はこれですからっ!」とムキになって回転する。

3週間近く経った最近、ようやくスイッチをよく見た私が「静音モード」にしたおかげで

キヨコは「頑張ってるの、アタシ」
という音はたてなくなった。


このところキヨコがうちの空気を「キレイ」と認める時間が増えてきた。
食事時を除いて、以前より少し緩やかな働きぶりだ。

ゴリオが早くから扉を閉めて部屋に籠るようになったおかげかもしれない。

キレイの印、「ミドリ色」のランプを点け、静かにしているキヨコを見ると、「ああ、うちはそんなにニオワナイノネ。」と心の平安を覚える。

まじめすぎて周りが困ってしまう人がたまにいるが、
キヨコもどうやらそのタイプらしい。

「PM2.5」や「花粉」や「インフルエンザウイルス」をキャッチできるという能力も、
彼女のセンサーを今のところ動かす気配はない。

キヨコが追っているのはただ1人、「ゴリオ」なのだ。

考えてみれば、これも空気清浄機の純情、かも。
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