2017
02.08

マオリ族の昔話(追記あり)

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3月公開のディズニー映画
「モアナと伝説の海」の元になったというニュージーランドのマオリ族に伝わる物語の絵本を読ませてもらった。

maui1.jpg
「Maui and Other Maori Legends: 8 Classic Tales of Aotearoa」
PETER  GOSSAGE /著


映画では風と海の守り神となっている「マウイ」が主人公。

最後の方はマウイは出てこないが、自然豊かな伝説が美しい絵と共に描かれる。

何しろ絵が素晴らしく大胆でアート。

maui2.jpg
太陽から放射される光を「マウイの綱」というように言うそうだが、その元となったお話の絵。
中央の男が持っているのがでかいハンマーのような魔法の釣り針(に見えるが、実は顎の骨らしい)

著者はNZでは有名なアーティストだそうで、昨年お亡くなりになられたということもあり、
現地でも今この本は数週間待ちでしか手に入らないという。

「モアナと~」
映画.com   http://eiga.com/movie/81261/

「アナと雪の女王」や「ズートピア」など、ヒット作を連発するディズニー・アニメーション・スタジオが、新たなヒロイン、モアナを主人公に描く長編アニメーション。監督は、「リトル・マーメイド」「アラジン」のロン・クレメンツ&ジョン・マスカー。南の島で生まれ育ち、海を愛する美しい少女モアナ。ある時、世界を生んだ命の女神テ・フィティの心が何者かに盗まれ、世界が闇に包まれてしまう。島では1000年にわたり、島の海の外へ出ることは禁じられていたが、モアナは愛する人々や世界を救うため、父親の反対を押し切り、テ・フィティの心を取り戻すための冒険に出る。やがてモアナは、伝説の英雄として知られる風と海の守り神マウイと出会うが、マウイこそがテ・フィティの心を盗んだ張本人だった。




映画も観てきた同僚は「すごくいい映画だった」と薦めてくれたが、私はこの絵本の方に釘付けになった。

このまま漫画にしてもいけそうなストーリー。
私が読んだ絵本は勿論英語だが、固有名詞がマオリ族の言葉で一杯なので私の能力ではわからない部分も多かった。
以下短時間にざっと読んだところの「マウイ編」前半部分のみ書き残すので、
くれぐれも正確なものではないとお含み頂きたい。
(この本、同僚の宝物なので職場でしか借りられなかった(T_T))

女神が、産んだばかりのわが子を海の神様に捧げようと海に投げる。
女神の赤ん坊は死なずに叔父に海岸で拾われ、マウイと名付けられ息子として育てられる。
ある日母のいない自分の出自を叔父に問うたマウイは母を探す旅に出る。
遠い道のりを経て彼は母に会うことができた。
しかし今度は母の謎の行動と、父が誰なのかが気になる。
母は毎日、地下に続く深い穴に入って姿を隠すのだ。
ある日母を追って穴に入ったマウイは、そこで地下世界の楽園的美しい浜辺で母と逢瀬中の男を発見。
母と一緒にいた男はマウイの父だった。
父に聖なるパワーを授かったマウイだが、父はそれを授けるとき、ほんのちょっとしたミスをするのだ。のちにそれがマウイのリスクになるような。

祖父がいることもわかったので祖父に会いに行くとその爺様は「マジックあごの骨」(注:なんと訳せば良いのかわからない。大きな釣り針の形だが、爺様は口の中に入れていた。入れ歯かと思ったらあごの骨だったようだ。)という究極の秘宝的、武器的なものを持っていた。
マウイは父からマジックパワーと永遠の命を授かったが、爺様の「マジック(あごの骨)」も欲しくなる。
策を弄して(毎日地上から爺様に持って行っていた食物をわざとあげないようにする)マウイは爺様からその秘宝を手に入れる。

爺様はこの武器を使うにあたり、マウイに3つ、注意をするのだ。
これがこれからのマウイの冒険の伏線になっていて、
読んでいくに従い、巻によってお供が変わる桃太郎的様相を呈する。

マウイはそこから
「思ったとおりに」行動を始め、爺様のウェポンを使って伝説となる冒険をしていく。
そしてクライマックスで「死の女神」を退治に行く、という話になる。



さあ、「神を退治に」行ったマウイはどうなるのか?

これが驚いたことに、「2001年宇宙の旅」を思い出させる不思議な世界なのだ。
この主人公、冒険編では原文で名前の後に「trickster」とカッコ書きで書かれているくらいなので
要するに元は「うつけもの」。
その彼が、最後に癒しの女神の手に抱かれ、もう一度生まれ変わろうとする。

絵の美しさと相まって、息をのんだ。

素晴らしい絵本。
子供にも理解でき、若者はワクワクするだろう。
そしておばちゃんはその絵の美しさ、話の面白さに圧倒された。

映画はともかく、本は何とか手に入れたい。
高いから買うのは辛いけど。

あ、つべでも探せば見られるらしいので、興味のある方はそちらで。
私は週末につべで楽しむ予定。

2/14 追記

随分前に、マウイ伝説の一部が翻訳されているのを見つけた。

「マウイたいようをつかまえる」
ピーター・ゴセージ/作 浜島代志子/訳 MOE出版


maui.jpg

翻訳がわかりやすくて素敵。

絵の大胆な迫力もそのままに、原書の良さを存分に引き出していると思う。

これ、今回載せた原書もそのまま翻訳して頂きたいと切に願う。


もひとつ追記

このマウイの神様のマジック釣り針は「さそり座」の伝説としても残っている。
星座の本や神話に出てくるマウイは「トリックスター」などではなく品行方正な神様で、
この本では爺様にもらった釣り針は、婆様に貰ったことになっている。

しかも本によって兄弟の数がマウイの他に3人だったり4人だったりし、
彼らが本当の兄弟だったかのように書かれている。
婆様に食事を持って行かなかったのも悪い兄弟たちの仕業で、
マウイだけが食事を持って行ってあげたため、婆様が自分の顎の骨を取って「これで釣り針をつくるんだよ」とマウイに与えた、という話になっていたりする。
色々な話があるのも伝説や神話の特徴だろうが、ゴセージの描くマウイには何をしでかすかわからない魅力がある。


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