現在の閲覧者数: レッツゴー ROAD TO THE DEEP NORTH - 老嬢の鼻眼鏡

レッツゴー ROAD TO THE DEEP NORTH

  • 2017.01.07
『ちはやふる奥の細道 (新潮文庫) 』

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小林信彦/著

W.C.フラナガンという、日本文化研究における第一人者と自称する架空のアメリカ人が書いた“芭蕉と日本”を、あの小林信彦が翻訳した、という設定の元で書かれた、小林信彦による著書。

なんだか回りくどくて面倒くさいのだが、実際の著者は小林信彦ということだ。

私がこの本と再び出会ったのは、PTAの会議場になった、ゴリオ(仮名)の学校の図書室だった。

なんと、「俳句・短歌・和歌」のコーナーに置いてあった。

1人笑いが止まらなかった。
もしかすると、中身を知らずに「松尾芭蕉とか、俳句とかの勉強になるかも」と、
選んで本棚に置かれたのだろうか?

真面目な生徒や先生がこの本を開き、ページが進むごとに

『なんか、変?』と

珍妙な顔になっていく有様が目に浮かぶ。

これが意識的に置かれたものであったとしたら、
それこそ素敵だ。

実際、この本は疲れる。
注釈が多すぎるし、一行たりとも笑いを逃さず読まないわけにはいかないからだ。
悪ふざけもここまで高度になると、「ええい、もうわかるところだけ笑っておけ!」と
「すべて」を笑うことに匙を投げてしまう。

この本を一番楽しめるのは、小林さんご本人だろう。

「唐獅子株式会社 (小林信彦コレクション)」を注文したが、すぐに届く様子はない。

ということで、この「ちはやふる奥の細道」がうまく手に入ったので再読している。

不思議な時空の超え方、オールスターキャストっぽい登場人物。
大人の「銀魂」のようで、やはり楽しい。
待ちわびている「唐獅子」の世界と同じ匂いがそこここに感じられるのがたまらない。

光圀公の登場シーンなんて、まるでオヨヨ大統領その人のようだし(笑)

巻末の「作者ノート」には、本書出版当時新聞や雑誌に書かれた、実に微妙な感想を述べたコラムや書評が紹介されている。
それらがまた本書の抜群のパロディーになっていて、最後の最後までクスクスと笑わせてくれる。
様々に誤解曲解されながら今日まで生き続けるW.C.フラナガン。

これからも、ひっそりとどこかで、
「俳句」や「紀行文」のコーナーなんかに置いてあると、楽しいだろうな。












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