2016
11.18

モテる男

Category: 映画の話
渥美清が金田一耕助を演じた『松竹版 八つ墓村』を久しぶりに見た。

wikiによれば

本作を原作とした映画が3本、テレビドラマが6作品、漫画が5作品、舞台が1作品ある(2014年3月現在)。
9度の映像化は横溝作品の中で最多


舞台を入れると10作品もあるという。

実に色んなバージョンで見ているので、頭の中でまぜこぜになっている。

印象に残っているのは、古谷一行TV版、終戦後のうらぶれた雰囲気の漂う雰囲気が好きだった。
鰐淵晴子の美也子にも良い意味で意表を突かれたし、何しろこちらは結末で不気味な印象を残している。




さて、野村芳太郎監督の『八つ墓村』は、興行的にも最も成功した横溝作品だという。

あまりにも有名だし、話の筋も皆さまご存知だろうし、
なのでその辺りはばっさり割愛する。

過去の記憶では、私的なこの映画のポイントは、これまでこの3つだった。

1. 山﨑努の32人殺しの恐ろしさ。
2. 小川眞由美がまさに鬼と化し、鍾乳洞で後を追ってくるコワさ。
3. 典子(原作では辰弥と結ばれる)おらんのか~~~い。


今回のポイントは、大きく変わっていた。

1. ショーケン、こりゃモテる。
  これはモテずにはいられない。何がこんなにいいのかわからないが、
  鍾乳洞で美也子の手を引いて走る辰弥が超カッコイイ。

2. 山崎努、こりゃモテる。
  久弥役で病床で目の下真っ黒でも、要蔵として人斬りに村中走り回っていても、キレがいい。
  隠しようのない色気と目ヂカラと、何しろ体躯の美しさに惚れ惚れ。

3. 加藤嘉、モテる。
  最初の被害者だし、じいさんだけど、こりゃモテる。
  宮参りに山の石段を上る赤ん坊を抱いた中野良子親子を見つめる優しさにグッとくる。




モテる男
yatuhaka.png



この際2と3のポイントは置いておこう。

1. のショーケンが肝心なのだ。

実は、この映画のほとんどは彼のカッコよさで出来ているんじゃなかろうかと思った。
これってある種のアイドル映画だと何故昔、気が付かなかったんであろう。

最後の空港の整備士姿。

舞台を現代に置き換えたからそれっぽさを出したかったとか、ショーケンはお父さんがどこか外国にいると渥美金田一から吹き込まれたはずなので、そんなこともあったりで、別にいきなり整備士姿でもいいわけだが。

最後までノーサツする気か、ショーケンっ!

そんな感じで、今見てもコワかった小川眞由美の美也子がぶっ飛んでしまった。

「3. 典子(原作では辰弥と結ばれる)おらんのか~~~い。」

当然ですな。

ショーケンが主人公である限り、典子が出てきては困るはずだ。
ショーケンは、誰とも安易に結ばれてはいけない。
最後にパパになったりなんか、しちゃいけない男なのである。

ショーケンが主人公である限り、小川眞由美とのシーンは許されても、
他の若い女子と結ばれてはいけなかったのだ。

監督、よくわかっていらっしゃるっ!

元々圧倒的に山﨑努が好きだったのだが、これはしてやられた。


セクシーとか、カッコいいとか、そんな言葉で括れる魅力ではなく。

なんだろう。

ヤバイ感じ、とでも言えばよいのか。

//////////////////////


うちのゴリオ(仮名)は残念なことにモテない。
黙っていればカッコいいよと慰められることもあるようだが、
それって、どう聞いても「おまえは、どうやってもモテないよ」と断言されているようなものではないか。


何がこんなに違うのか。

ショーケンとゴリオの違いはどこにあるのか?

人間とゴリラの違いか?

ゴリオほど安全で安心な男はいない。

モテる男とは。
きっと安全、安心とは対極にある男。

・・・・でなければ、究極に優しい爺さん。

あんなに怖い『八つ墓村』で。
こんなこと考えるとは思いもしなかった。

いやあ、映画って、いいですね。


忘れていたので追記

渥美清の金田一。
この映画では物語の収拾をつける「語り役」。
静かで丁寧な口調に、素の渥美清が透けている気がした。


関連記事

コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top