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芸術の国

ロシアがまだソビエトだった時代。

私は1度だけ、その国の高官とその家族を乗せたソビエトの客船に、仕事で短時間訪問したことがありました。

港に入る船に、地元からの歓迎と称し、観光に繰り出す船客に日本の踊りなどの伝統文化的なものを少しお見せする催しがあったのです。

ぺーぺーだった私は、こんな時の都合の良い接待用事務員でした。
早朝からちゃんちゃらおかしい「通訳もどき」として大型客船が入るたびにかりだされたもんでした。

何度も乗った客船の中で、ただ一隻、急ぎ観光に出かけることもなく、乗客のほとんどが歓迎行事を見るために、客船にしばし残ってくれたのが、このソビエトから来た船でした。

事務方としてロシア語のひとつも知らないまま、通常の客船とは全く異なるつくりの入り口から中に招き入れられ、若かった私は、好奇心より若干の恐怖を感じていましたが、乗客の皆さんは、ささやかな歓迎行事(ロシア語はひとつもなしでしたが)を心から楽しまれ、私たちは盛大な拍手を頂いたのです。
こんなことは、この時1度きりでした。(当時、大型客船に乗って来るのは殆どがお金持ちのすれっからし白人でしたので)

日本舞踊に目を見張り、ささやかな和風プレゼントに歓声を上げる、「ソビエト」という国のイメージを覆すような、純粋で好奇心あふれる、乗客の姿を忘れることができません。

音楽も舞踏も文学も、世界に誇る文化を持った国。
それでも、島国日本の文化に貪欲に興味を示した人々。

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さて、ふら杯ですが。

点数のことは、ひとまず置いて。

昨日、テレビでメドべのショートを見ました。
あのリアルセーラームーン少女が自分の演技について語った姿に、あの日の客船を思い出しました。

演技に込められた「哲学」を、メドべは理解していました。

幼い少女が、成長し、悲しみを知って大人になる。

リプがシニアデビューした時とよく似た雰囲気のプログラムではありましたが、(振付が同じ、イリヤ・アベルブフですね)
1本筋の通った演技哲学の元、選手たちは訓練されているように感じました。



メドべをはじめ、ロシアの選手たちが「顔芸」に陥らないのは、マイム・・・身体言語がバレエを通じて身に染みているからではないかと思います。

メドべのSPの最後には、枯れ葉が舞うような、そこに何か羽ばたいて飛んで行くような、錯覚を覚えました。
まだ未熟な点が多いとしても、
この領域では、とてもかなわない、と思う種類の表現でした。


文化の裏打ちと教育があって、こんな選手も生まれるのでしょう。


この国の若い女子選手達に、尊敬される選手、浅田真央。

どの国に行っても、彼女の愛され方は群を抜いているのではないでしょうか。

「自己最低の9位」とニュースのタイトルは煽りますが。

フィギュアは個人競技です。

10年以上シニアの舞台で戦って、「自己最低が9位」。

この成績を残せる日本人が、この先簡単に出てくるとは思えません。

メディアによって彼女の戦績が潰されるとも思いたくありません。

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Comments 1

mikaidou  
Re: やはり真央選手は美しい

鍵コメさま

コメントありがとうございます。

私も同じです。彼女を見て、今の自分を奮い立たせる、その繰り返しです。
あの選手のSPもですが、FSも同じでしたね。
解説のはしゃぎっぷりが素敵で引きました。

2016/11/13 (Sun) 23:27 | EDIT | REPLY |   

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