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王妃の冠

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柚木麻子/著 『王妃の帰還』

Amazon 内容紹介より

"『ランチのアッコちゃん』の次はコレ!
いま最も注目を集める著者が贈る、
パワー全開! 永遠のガールズ小説!!

王冠を手にするのは誰?
教室は少女達の戦場!

私立女子校・聖鏡女学園中等部二年の範子は
雑誌の編集長として勤める母と二人で暮らしながら、
チヨジ、スーさん、リンダさんという気の合う仲間たちと、
地味ながらも楽しく平和な学園生活を送っていた。
ところが、クラスである事件が起き、
公開裁判の末に滝沢さん(=王妃)がクラスの頂点にいる姫グループを追われてしまう。
なりゆきで滝沢さんを迎え入れることとなった範子たちだったが、
彼女の傍若無人さに、グループの調和は崩壊!
穏やかな日常を取り戻すために、範子たちはある計画を企てる……。

傷つきやすくて我がままで――みんながプリンセスだった時代を
鮮烈に描き出すガールズ小説!

【目次】
第1話 ギロチン
第2話 マカロン
第3話 ディアマン
第4話 ハンカチ
最終話 王政復古
解説 大矢博子



私が昨日読んだものは文庫の方だったのですが、
ハード本の表紙が好きだったのでこちらで。

【目次】とタイトルであれ?っと思ったお方はするどい。

これ、女子中学生のクラス内派閥闘争と、フランス革命、マリー・アントワネットの首飾り事件などを重ね合わせたストーリーなのです。

ほんのわずかの間にクルクルと変わる少女たちの気持ち。
人間としての成長と少女たちのそれとは、少しだけ異なる気がします。
面白くてあっという間に読んでしまいました。
解説がまた良かった。

自分の学生時代と重なるところが多かったこともあるかもしれません。

私は高校だけが女子校でしたので、派閥を越えた友達というのはいくらでもいて、
彼女たちも大切な友人でした。
時にクラス内では派閥を越えた親密な付き合いを秘密にしたりすることもありましたが、
別に王政が布かれていたわけでもなく、民主的なクラスだったと思います。
それでも「いたいた、こんなやつ」と思うような女子キャラが色々と出てきますと、
自分は一体あのクラスで、どんな立ち位置だったのだろうとヒヤっとしたりするのです。

今日の午後は友人に付き合って、吹奏楽で賞を獲ったという、とある学校の演奏会に行ってまいりました。
まさにこの『王妃の帰還』の年齢の少女たちの演奏です。
男子も数名混ざっていますが、ほとんどが女子。

読んだばかりの小説世界の女子と、懸命に演奏する彼女たちとは全く違う学生生活を送っているわけですが、
舞台に立って最後の演奏に向かう3年生1人1人の挨拶の中に、
ああ、きっとこの子たちの中にも、これだけの演奏をやり抜けるようになるまでには、
様々なことがあったんだろうなと思わずにはいられませんでした。

これまでの思いがあふれ出し、
観客の前で一瞬言葉を失い涙する子や、泣き笑いする子、
自分のパート仲間や先生方に感謝の言葉を口にする子、
その短い挨拶の一言一言に、隣ですすり泣く友人と共に、もらい泣きしました。

彼女たちの笑顔の下の、『闘争』がいかなるものであったのかは知る由もありませんが、
スポーツ同様に、実力の世界の厳しさを
演奏の中に感じてしまったのでした。

3年生だけの最後の演奏は、挨拶の後だったこともあり、
個性が際立ったものでした。
それまでの演奏とはうってかわって、てんで、バラバラだったのです。
自分たちの気持ちを込めて吹くトランペットの音は大きすぎ、
サックスは横を向いていました。
オーボエの少女、チューバの少年は、上を向いて涙を堪えようとしていましたが、
楽器を持っていては、堪えようもなかったのでしょう。
きっと、其々が初めて自分のためだけに、演奏した曲。

指揮棒の王政、調和という絶対から、其々の王冠を取り戻したのかと、
どっぷり中二病のようなことを思いながら
会場を後にしてきたのです。



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