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君は時計塔に登ったか?

若い頃はジェットコースターも平気でしたが、
最近は高いところも苦手です。

ましてや時計塔になぞ登れやしません。
「登る」というだけでもドキドキします。
そんな私も、これには「登って」しまいました。
なぜなら、これがあの宮崎駿ルパン映画「カリオストロの城」のモチーフになっているそうだからなのでございます。

うーん、「カリオストロ」とは全然中身が違いますので、
何とも言えないところですが、ここはぜひ、「幽霊塔」として映画にならないものかと・・・。
あのカラクリの緻密さはジブリの世界そのもののように思えるのです。

黒岩涙香版は漫画に描いたものもあるようですので、いつか読んでみたいと思います。


『幽霊塔』 江戸川乱歩/著 岩波書店

こちらの口絵がなんと16ページ!
宮崎駿の描く秋子のなんと美しいことよ!
917oPRxy2JL.jpg
画像はアマゾンサイトからお借りしました。

昨年ジブリ美術館で開催された「幽霊塔へようこそ」展のために書き下された口絵、ということですが、
これはもう絵コンテでしょう。
このまま映画化されると良いのにと、
まことにじりじり致します。

「幽霊塔」や宮崎駿のインタビュー記事など、
スタジオジブリ非公式ファンサイト「ジブリのせかい」で紹介されておりました。
http://ghibli.jpn.org/news/ranpo-miyazaki/

「BOOK」データベースより

時は、大正のはじめ。26歳のまっすぐで血気盛んな青年北川光雄は、絶世の美女、野末秋子に出会った。場所は、九州の片田舎にある幽霊塔と呼ばれる時計塔。惨殺された老婆が幽霊となって徘徊すると噂されるところだった。秋子は、そんな場所で何をしようとしていたのか。秘密を抱えた秋子に、光雄は惹かれていき…。夥しい数のクモを飼う男、「救い主」と呼ばれる不思議な医学博士、猿をつれた太った女―怪しい人物たちが二人の周囲で暗躍する。そして時計塔の秘密とは?江戸川乱歩の名作が、宮崎駿のカラー口絵とともに蘇る!波乱万丈、怪奇ロマン。



この『幽霊塔』、乱歩のオリジナル作品ではありません。


A.M. Williamson  『灰色の女』



黒岩涙香  『幽霊塔』

アマゾンレビューによると、この作品は1899年〜1900年に新聞小説として連載されたものだといいます。
他にも『鉄仮面』『白髪鬼』『幽霊塔』『巌窟王』『噫無情(あゝ無情)』などを翻訳した人ですので、
時代を考えると驚きです。
黒岩涙香の小説は「青空文庫」で読むことができますので助かります。
乱歩が自分でこれを書き直してみたいと思ったのも無理からぬ話運びの勢いがたまりません。
正直、読みにくくて疲れますが。



江戸川乱歩 『幽霊塔』

乱歩が舞台を完全に日本に移し、異国情緒から選んだのか、舞台を一地方都市(の田舎)としています。
世界観はそのまま乱歩もので何ら違和感なく読めます。
ミステリでもありスリラーでもあり、更に冒険譚。
そして何より絶世の美女と、全てが揃った怪奇ものでしょうか。


江戸川乱歩 『時計塔の秘密』
bo800856.jpg
いやもう、こちらは主人公がお年頃の少年で、探偵として有名になる前の学生明智小五郎が先輩として登場するので安心感抜群です。
ちょっぴり怖いところでも、明智パイセンがいればきっと大丈夫っ!ということで、
設定の少年風な変え方も話の筋も、宝探しの冒険も、意外とどうでもよくなってしまいました。
何が面白かったって、例の「仮面的なもの」を作った博士とはここで知り合い、
その後あの明智探偵の変装癖が生まれたのでは?とか、
いやあの仮面こそ二十面相の大元になったのではとか
そちらに食いついてしまったのでした。

子どもの頃には気にもしなかったことに突っ込むのは大人になった故でしょうか。
でもとっても気になります。

さて、「怪人二十面相」が世に出たのはwikiによれば昭和11年なのですが、
私の手元にある短編集には大正14年に書かれた「百面相役者」なる小品がございます。

私はこれ、殆ど乱歩の独白というか、内的実体験デフォルメではないかという気がしています。
芝居小屋で黒岩涙香の翻訳という「怪美人」(実際にはこの題名の翻訳はありませんが)という劇を見た主人公と友人が、その「百面相役者」が老若男女問わず、全く違う人間に変身する様に感嘆するのです。
きちんとオチのついた、けれど不気味な余韻を残す作品ですが、
これは二十面相に黒蜥蜴、そして黒岩涙香、遡って「雨月物語」など、乱歩を形作る世界が凝縮された短編のように思えます。
本文中にはこの役者について、こんなことも書かれています。

「こんな男がもし本当の泥棒になったら、きっと永久に警察の眼をのがれることができるだろう」

「江戸川乱歩」 ちくま日本文学より

この芝居の変装に使われたものが「人面の肉」ではなかったかという妄想。
ここには「幽霊塔」のマッドサイエンティストの手になるあの仮面がすでに描かれているではありませんか。


あ、そういえば天地小五郎さんも時計塔に登っておられました。
TVでは見ていませんので、つべで一部を拝見。
tokeitou.png

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Comments 2

chocoacco  
幽霊塔に登りたい

こんにちは

「塔」ってミステリアスですよねぇ

木造建築中心の日本ではなかなか
お目にかかれないだけに
余計そそられるんでしょうか

それにしてもこの幽霊塔
本当に映画にして欲しい!!

2016/09/19 (Mon) 11:02 | EDIT | REPLY |   
mikaidou  
Re: 幽霊塔に登りたい

chocoacco

登りたいですねえ、「塔」!

物語の中に「上って、降りる」というキーワードがあるんですが、
それが後半冒険編になった時におおおっという感じで活きてくるんです。
木造のカラクリ屋敷なんですよね。

これは変に実写じゃなくて、アニメで観たい!とまじで思います~!

2016/09/19 (Mon) 11:11 | EDIT | REPLY |   

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