2016
08.22

ブラッドベリと怪獣

Category: 映画の話
この夏、CSで怪獣映画を沢山流していた。
もしやと思って番組表から
和田誠さんの本にも出てきた「原子怪獣現る」を見つけることができた。


「原子怪獣現る」

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原題は「The Beast From 20.000 Fathoms」

つべはこちら➡https://www.youtube.com/watch?v=rGsilO8T4yI
こちらの方が見やすいかも➡https://www.youtube.com/watch?v=NbqhbrycSGE

wikiより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E6%80%AA%E7%8D%A3%E7%8F%BE%E3%82%8F%E3%82%8B


概要

核実験で現代に蘇った恐竜と人間との攻防を描く作品。『Monster from Beneath the Sea』のタイトルでも知られる。
原作はレイ・ブラッドベリの短編小説『霧笛』 (The Fog Horn)。特撮部分をレイ・ハリーハウゼンが担当している。登場する恐竜と思しき巨大生物は、原作小説では「灯台のサイレンに反応して現れた」とされているが、映画では「水爆実験によって復活した」と設定が変更されている。「夜の灯台を怪獣が破壊する」というシーンに原作の名残が見られ、それが本作の名場面にもなっている。
「核実験で蘇った巨大な怪獣が都市を襲撃する」という本作の設定や特撮技術は、『ゴジラ』(1954年)など後世の作品にも大きな影響を与えた。

あらすじ
北極圏で核実験が行われる。様子を見ていた物理学者のトーマス・ネスビットは、「繰り返される核爆発がどのような結果をもたらすのか、今は誰にも分からないだろう(時間が経たないと分からないだろう)」と予言じみたことをつぶやく。その翌日、野外調査に向かったネスビットは、核実験でひび割れた氷原で、全長30メートルの肉食恐竜リドサウルスを目撃する。しかし、恐竜を見たと訴えても周囲の人には信じてもらえない。
リドサウルスは北アメリカ大陸東海岸を南下し、グランド・バンクス(ニューファンドランド島沖の大漁場)とマーケットで漁船を、メイン州で灯台を襲撃する。生き残った漁師の一人がネスビットと同じ恐竜を目撃したと証言し、以後、ネスビットは古生物学者のサーグッド・エルソン教授と助手のリー・ハンターと行動を共にするようになる。エルソンは、リドサウルスは同種の恐竜の化石が最初に発見されたハドソン川流域に戻ろうとしているのではないかと予想し、ハドソン川の河口の海底谷を潜水鐘で捜索する。予想通りリドサウルスが現れたものの、リドサウルスは潜水鐘を沈めてマンハッタンに上陸する。リドサウルスは市街地で暴れまわり、数百名を死傷させる。駆けつけた軍隊はリドサウルスを電気柵で足止めし、バズーカを命中させて海に追い返すが、リドサウルスがまき散らした血液は謎の病原体を含んでおり、さらに多くの人が感染症の犠牲になってしまう。
血液を流出させずにリドサウルスを倒すため、ネスビットは新兵器アイソトープ弾の使用を提案する。一方、リドサウルスは再上陸を試み、コニーアイランドの遊園地を襲撃する。軍隊の狙撃手のストーン伍長はアイソトープ弾を装填したグレネードランチャーを携えてリドサウルスと対決し、バズーカの傷跡にアイソトープ弾を撃ち込むことに成功する。リドサウルスは悲鳴を上げてのたうち回るが、ついに地面にくずおれ、息絶えるのだった。


スタッフ
監督:ユージーン・ルーリー
製作:ジャック・ディーツ、ハル・チェスター
原作:レイ・ブラッドベリ
脚本:ルー・モーハイム、フレッド・フリーバーガー、ユージーン・ルーリー、ロバート・スミス
撮影:ジャック・ラッセル
音楽:デビッド・バトルフ
美術:ユージーン・ルーリー
編集:バーナード・W・バートン
特殊効果:ウィリス・クック
特殊撮影:レイ・ハリーハウゼン



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クライマックスの遊園地のシーン。
巨大木製ジェットコースターに乗って怪獣にアイソトープ弾を撃ち込む射撃手と科学者の二人。

インディ・ジョーンズのトロッコをちょっと思い出してしまったが、こちらのジェットコースターの箱は、この映画では無常にも逆側に落ちて行ってしまって、逃げる時には乗れない。
主人公がそれでも普通に助かってしまうのはご愛嬌。

原作がレイ・ブラッドベリであったことも、しかもその原作があの「霧笛」であったことも、
ネットで調べるまで知らなかった。

わずかにタイトルから感じられる、深い海の底から来たんだよ、という感じ。
原作の遠い水底から霧笛の鳴る灯台を、仲間ではないかと遙々やって来た取り残された恐竜の哀しみは描かれずとも、このタイトルは紛れもなく原作のテイストを残している。

あの短編から、こんな映画を作ることができるだなんて。

インスピレーションは無限。

勿論映画と原作は全く別物なのだが、
あの短編から巨大化した恐竜(リドサウルスとか言うらしい)を造形し、
「何故」そんな姿になったのかを水爆実験と関連付けた。



恐竜の体液や血液に入っているかもしれない病原菌や放射性物質に言及することで
パンデミック映画の系譜にも名を連ねることができるかもしれない。
その上ロマンスあり、
科学者の命を懸けた研究への情熱まで垣間見せる。

昔の映画らしく、全てにおいて品が良いところも私には好もしい。

1953年公開のこの映画に、今に通じる怪獣映画のほとんど全てが、
「種」くらいの形で沢山つまっている。

ブラッドベリの「霧笛」をわずかに思い出させるのは、巨大化した恐竜が灯台を破壊する場面なのだが、
事件の1点にしかなっていない。


私の中で、「霧笛」は郷愁。
古代からただ一頭だけ生き残った巨大な生き物の時間を超えた孤独と、灯台守の心象風景が重なった「詩」だった。
海の底で過ごす、孤独な恐竜の長い長い時間が、短い言葉の中に手に取るように感じられる、
不思議な深く青い海の、詩だ。

ブラッドベリは短編の名手。
SFも彼の手になるものはあまりに美しく、時に胸に刺さる悲しみを残す。

「ウは宇宙船のウ」で、若い日の切なる希望と現実を鮮烈に体験させてもらい、
「宇宙船乗組員」では人を愛する悲しみを知り、
「長雨」では人間の欲するものを皮膚感覚で味わった。

それが、怪獣映画の元になるとは思いもしなかった想像力の欠落した自分にびっくり。


さて、お次は

「怪獣ゴルゴ」


同じユージーン・ルーリー監督の手になる1961年制作のイギリス映画。
こちらはカラー。
wiki➡https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%AA%E7%8D%A3%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%82%B4

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トレーラーだけですが、つべはこちら➡https://www.youtube.com/watch?v=RxazeJ7TlWM


怪獣ゴルゴ

親:身長60メートル
子:身長20メートル

海底火山の爆発によって目覚めた太古の怪獣。ナラ島ではオグラと呼ばれており、海の精霊、航海の守り神として言い伝えられていた。ゴルゴという名前の由来はギリシャ神話の怪物ゴルゴンからで、サーカス側が勝手に名付けたものである。劇中では詳しい生態には触れられずゴルゴが恐竜の生き残りなのかは不明(ゴルゴサウルスという恐竜は実在したが、関連はない)。
海外の怪獣映画としては珍しく人類の兵器は一切通用しないという設定である。幼獣は危険を感じると体から燐に似た体液を出す。

解説
本作は着ぐるみの怪獣を特撮用ミニチュアセットの中で演技させている。日本では1954年の『ゴジラ』以降、「巨大生物モノ」に関しては時間や予算的制約から人間が中に入る“着ぐるみ”で撮影するのが一般的だが、モデルアニメーションや機械・操演によるパペット、あるいは本物を大写しにするといった手法が多い海外の特撮作品としては、珍しいタイプの特撮映画といえる。
監督のユージン・ルーリーはかつて『原子怪獣現わる』でもメガホンを取ったが、この映画を自身の娘に見せたところ、その結末に関して大いに不満を漏らした。この経験が、本作のラストに生かされている。
企画の段階では、怪獣ゴルゴの上陸地点はフランスの首都・パリということになっていた。だがパリは海から100キロ以上離れた内陸にあったため、海から上陸した怪獣が襲うのは変だということになり、より河口に近いロンドンへ舞台が移された。

当初は舞台を日本にした、日英合作の作品にする案であった。

ゴルゴの捜索シーンに『空の大怪獣ラドン』のF-86Fセイバーのフィルムが一部流用されている。
キャスト全員が子役も含めて全員男性であり、母ゴルゴを除くと、主要キャストに人間の女性が一切出演しない映画である。
本作は製作国であるイギリスに先駆けて日本で先行公開された。





wikiを読んで納得。

只怪獣映画のイギリス版と見るには、あまりに設定が日本人好みでおわり方もお馴染みな感じだったので不思議だった。

欲に流され、海から怪獣の子どもを引き上げて見世物小屋に売り飛ばそうとする大人達の中で、「これは人間が見るものではないよ」とゴルゴを逃がそうとする男の子。
人間から見ると巨大でも、男の子からすりゃ、同じ子ども同士だったのだ。

「原子怪獣現る」の唐突なエンディングに比べ、親子で海へ帰っていくラストもいつか見た怪獣の後ろ姿な気がして。
本当にそんな怪獣映画を見てきたかと聞かれても、「イメージ」先行型なもので確信はないが、
非常に共感を覚える映画だった。

同じ監督の手による怪獣映画でも、ずいぶん雰囲気が違って、こちらはこちらでまたとても良い。
カラーだし。


ところで、ブラッドベリの「巨大生物と郷愁」をある意味踏襲しているのは、実はこちらかもしれないと思ったのだった。


ウルトラマン空想特撮シリーズ第35話「怪獣墓場」2/2

怪獣のフォルムはカッコいいのに、たそがれたり、すねたり、最後はウルトラマンに首をすくめるジェスチャーをされてしまう。

カッコ可愛い怪獣。

東京オリンピックの8分間プレゼンを、テレビは流 しておりますが。

同じくカッコ可愛い感じが、ニッポンなのでしょうか。


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コメント
こんにちは~。

ご子息お具合いかがでしょうか。前回の記事を拝見し、ご本人の無念は私なぞの思い及ぶところではありませんが、親御さんの気持ちになって思わず安堵の胸を押さえました。

挫折、になるのかもしれませんね。でも、mikaidou様の息子さんだから、不格好にもがいて乗り越えて、いい男になってくれると信じます。

今回の記事で「新知識を得た!」と思い、息子に「原子怪獣現る、って知ってる?」と言いますと、生意気にも知ってるというではないですか。

さらに「じゃあ原案が何か知ってる?」と聞いたら、知らない、というので、しめしめ、と「ブラッドベリのね…」と言いかけたら「…ああ、霧笛か!なるほど!」と、当てられてしまいました。

ちくしょうオタクめ!悔しい!
ぢょん でんばあdot 2016.08.23 13:08 | 編集
ぢょん・でんばあ様

コメントありがとうございます。

お陰様でゴリオはその後元気に引きこもっておりますよ(*^-^*)
いきなり全てを取り上げることは酷なので、
身体の方が落ち着いたら、マネージャーのような形でチームには残ることになると思います。

>「…ああ、霧笛か!なるほど!」と、当てられてしまいました。

えええええ~~~~~~っ!!!(@_@)
息子さん、すごいじゃないですかっ!!!!!!
だって今時の高校生ですよっ!
1950年代の映画を知っているどころか、「霧笛か」だって、カッコいいじゃありませんかっ!

> ちくしょうオタクめ!悔しい!

そりは私もちと悔しいかも~~~~!
でも素晴らしい息子さんですよっ!
なんだかとっても嬉しいですっ(*´▽`*)
mikaidoudot 2016.08.23 20:54 | 編集
こちらにもコメント。

二人のレイ(レイ・ブラッドベリとレイ・ハリーハウゼン)の話は、瀬戸川猛資さんのエッセイで読んでいたのですが、『原子怪獣現る』は未見な上、「霧笛」が原案だということも知りませんでした…。

「霧笛」は萩尾望都も漫画化していましたね。

ブラッドベリの短編はどれも宝石のようですね。


きょうこdot 2016.08.24 18:14 | 編集
きょうこ様

コメントありがとうございます。

> 二人のレイ(レイ・ブラッドベリとレイ・ハリーハウゼン)の話は、瀬戸川猛資さんのエッセイで読んでいたのですが、『原子怪獣現る』は未見な上、「霧笛」が原案だということも知りませんでした…。

特撮のレイさんとブラッドベリは旧友だったのですね。
それぞれの得意分野で活躍した二人、不思議な縁ですよね。

> 「霧笛」は萩尾望都も漫画化していましたね。

私も萩尾望都でブラッドベリを知って、原作を読み漁ったのでとても懐かしいです。

黒川みつひろ氏が、子ども達は「恐竜を通して地球のエネルギーを感じているのではないか」とブログに書いておられましたが、古代の生き物に惹かれる気持ちとは、案外シンプルで、原始的な感覚なのかもしれませんね。
mikaidoudot 2016.08.25 00:03 | 編集
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