2017
01.27

全員探偵団でチェロも弾く

Category:
パソコンを開く余裕のなかった間も、寝しなの本は開いていた。
1度に何冊も読むのは好きではない。
でも致し方ないこともある。

「読書日記」や「記録」を付けている方々は偉いと思う。
読書系のWebサービスやSNSもわんさかある。
使いこなせれば本当に便利だ。
私にはそういうことができない。
「きちんと」記録を残すということができない。
なので日記に時々忘れないための記録を残すのみ。

最近読んでしまったり、読んでいる途中だったりするものが以下。

森見登美彦   「四畳半神話大系」 角川文庫
まはら三桃    「伝説のエンドーくん」 小学館
万城目学 他  「みんなの少年探偵団」 ポプラ社
藤谷治      「 船に乗れ!Ⅰ合奏と協奏」 JIVE 
フィリップ・K・ディック 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 早川書房
中島敦 小前亮現代語訳   「山月記」  理論社
森見登美彦   「新釈 走れメロス 他四篇」 祥伝社





『四畳半神話大系』
そもそも森見登美彦の「夜は短し~」がアニメ映画化されるというのでBSうじで「四畳半~」が再放送され始め、私はまたしてもあのアニメにハマってしまっているのだ。
毎日毎日時間があれば何度も繰り返し見ているのだから我ながらしつこいと呆れる。
オープニング音楽、声優の怒涛のナレーション、同じ登場人物が様々なサークル活動の中で暗躍するそこはかとない笑い。
原作の「森見節」は更に絶好調。
これは癖になる。

『伝説のエンドーくん』
まはら三桃の「伝説のエンドーくん」は軽く読み流せるのに、読みながら色々考えることも多い。
主人公たち学校の先生が一人を除き、皆類型的で感情移入できない。
ただ、作者がどうしても書きたかった、そこは伝わるし、泣ける。
途中で「エンドーくん」が何者だったのかは何となくわかってしまうのでそこは「ナゾ」ではないのだが、
あと書きを読むまでもなく、この人を描くため書いたのだという動機が美しい。
「風味さんじゅうまる」はまあまあ好きだったのだが。


『みんなの少年探偵団』
乱歩の「少年探偵団」シリーズを見事に新しく蘇らせた5人の作家による短編集。
他にも表紙も中身も「乱歩」を模した同じシリーズが数巻出ている。
この巻で一番好きだった「解散二十面相」を書いた藤谷治が、あの「船に乗れ!」の作者?と驚いた。
そこで
『船に乗れ!』
主人公の経歴は殆ど作者そのものだという。
「船上でチェロを弾く」を読んでもあの「森見節」と重なるところがあってとても好きだ。
中身はバリバリのガチ「クラッシック音楽」なのだが、筆の運びで読ませる。
この藤谷さん、「みんなの少年探偵団」シリーズでは第二弾「全員少年探偵団」も書いており、タイトルだけでも今すぐ図書館に走りたくなる。
ラストはお決まり「ワッハッハッハッハ! アーハッハッハッハッハ!」と空のかなたへ去っていく二十面相。
愉しい。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
これは言わずと知れた映画「ブレードランナー」の原作。
映画の方はよくわからないというのが正直な感想だが、
小説は紛れもない傑作だと信じる。
映画のオープニングとは全く違う「朝」の迎え方から小説は始まる。
小説世界にこちらが馴染むまで、作家はゆっくりと人類の発達した科学力を見せつけてくれるのだが、
これだけのものを作ることができる人類が「死の灰」ひとつどうにもできないところが怖くて不思議だ。
「死の灰」と被爆国日本を結び付けたのがあの「ブレードランナー」の映像世界なのかと穿ってしまう。
映画だけ見た時には暗い「未来」はアジアン文化が生き残るのか、くらいにしか思っていなかった。
人間がいかに「自然」を希求するのか。
絶望的な灰色の世界で生き続ける主人公を始め、どうしようもない「人間臭さ」をSF世界で描き切ったところに私は感嘆する。
単なるアンドロイドと人間の戦いが、私にはこの本の主題とは到底思えなかった。

『山月記』
これは短編なので昼食時に読んだ。
なぜ今?
ああ、昭和のミーちゃんハーちゃんは今も変わらず。
要するに今「文スト」と呼ばれる「文豪ストレイドッグス」の主人公を再び読んでみたくなっただけという・・・(=_=)

『新釈 走れメロス 他四篇』
森見節を更に味わいたく、でも「有頂天家族」も何なのでこちらにしてみた、というのでこれ。
森見ワールドが思い切り「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」で楽しめるのでこれは買いだと思う。
「文スト」からこちらにスライドするのもアリ、だと思う。
「山月記」が良かった。
森見ワールドを知らない人は、この極端なパロディーには入り込めないかも。

チェーン読み、とでも言うのか。
ひとつ読んでいて作者や作品を調べていくと次に繋がってしまう。

私は今それどころではないのだ。
メインディッシュは「袋小路」なのだ。

小林信彦コレクションを揃える。読む。
「袋小路の休日」をゆっくり読む。何度も読む。
自分の「ホーム」を確認しながら、
新しい本を開く。



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2017
01.24

職人さんの邪魔係

Category: 日常のこと
前回ブログを更新して以来、
実は初めてパソコンを開きました。
やっと引越が終わったのです。

スマホで皆さまのブログは読めるのですが、
携帯での入力は何しろ時間がかかるので
自分は何も書けぬまま、
時間ばかりが経っておりました。

毎日引越していたわけでもないのに、
何故パソコンすら開く間もなく毎晩寝落ちしてしまっていたのかと言いますと。

そう、現場通いをしていたのです。

引っ越し先の工事が遅れていたこともあったのですが、
子どもの好奇心と同じで、
大工さんが働く様子を見ているのが楽しくて、
毎日出勤前、出勤後と、差し入れついでに
邪魔しに通っていたのでした。

若い頃、中華料理のコックさんの料理教室に通ったことがありました。
25年も昔のことですが、今も忘れていないのは、レシピではありません。

「片付けながら料理する」

私はあのコックさんから、これを教わったのだと思います。


あれから四半世紀。


「片付けながら工事する」


またしても職人さんの手際に舌を巻いたのでした。

汚さないための養生の仕方一つとっても、
場所と上に置く道具で養生の仕方も変わる。

毎日毎回、マンションの出入り口を汚さぬように玄関の手前で靴を履き替える。

床の段差をなくすと同時に、壁や天井の段差もなくすために
下地の補強も兼ねて徹底してフラットに作り直す。

素人の私の無茶な要求や単なる思い付きに付き合ってくれた営業の方は、
大工さんの手伝いをしながら実に上手くコミュニケーションをとっておられました。

最後の仕上げが終わった時に、彼が言ったのは

「うちの職人はほんと、いい仕事するなって思いました。」



これです。


毎日自分たちの仕事を覗きに来てはあーだこーだ関係ないことを喋りまくる私に、
色んな分野の職人さんたちは、
嫌な顔ばかりしていました。

けれど、朝お願いしたことは、
夕方にはその通りに仕上がっているのです。

壁の下地を塗っているおじさんに向かって
その仕上がり具合に、

「魔法?」


と言って失笑も買いました。

そんな日々を送っておりましたが、
とりあえず、日記の続きは、段ボールの山が片付いてからでしょうか。


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2017
01.07

レッツゴー ROAD TO THE DEEP NORTH

Category:
『ちはやふる奥の細道 (新潮文庫) 』

tihayafuru.jpg


小林信彦/著

W.C.フラナガンという、日本文化研究における第一人者と自称する架空のアメリカ人が書いた“芭蕉と日本”を、あの小林信彦が翻訳した、という設定の元で書かれた、小林信彦による著書。

なんだか回りくどくて面倒くさいのだが、実際の著者は小林信彦ということだ。

私がこの本と再び出会ったのは、PTAの会議場になった、ゴリオ(仮名)の学校の図書室だった。

なんと、「俳句・短歌・和歌」のコーナーに置いてあった。

1人笑いが止まらなかった。
もしかすると、中身を知らずに「松尾芭蕉とか、俳句とかの勉強になるかも」と、
選んで本棚に置かれたのだろうか?

真面目な生徒や先生がこの本を開き、ページが進むごとに

『なんか、変?』と

珍妙な顔になっていく有様が目に浮かぶ。

これが意識的に置かれたものであったとしたら、
それこそ素敵だ。

実際、この本は疲れる。
注釈が多すぎるし、一行たりとも笑いを逃さず読まないわけにはいかないからだ。
悪ふざけもここまで高度になると、「ええい、もうわかるところだけ笑っておけ!」と
「すべて」を笑うことに匙を投げてしまう。

この本を一番楽しめるのは、小林さんご本人だろう。

「唐獅子株式会社 (小林信彦コレクション)」を注文したが、すぐに届く様子はない。

ということで、この「ちはやふる奥の細道」がうまく手に入ったので再読している。

不思議な時空の超え方、オールスターキャストっぽい登場人物。
大人の「銀魂」のようで、やはり楽しい。
待ちわびている「唐獅子」の世界と同じ匂いがそこここに感じられるのがたまらない。

光圀公の登場シーンなんて、まるでオヨヨ大統領その人のようだし(笑)

巻末の「作者ノート」には、本書出版当時新聞や雑誌に書かれた、実に微妙な感想を述べたコラムや書評が紹介されている。
それらがまた本書の抜群のパロディーになっていて、最後の最後までクスクスと笑わせてくれる。
様々に誤解曲解されながら今日まで生き続けるW.C.フラナガン。

これからも、ひっそりとどこかで、
「俳句」や「紀行文」のコーナーなんかに置いてあると、楽しいだろうな。













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2017
01.02

キャプテン ゼブラ

InsideSkatingに、ランビとデニスの師弟コンビの「四季」話が載っていました。

"Captain Zebra"と "Philosopher Vasiljevs"
http://www.insideskating.net/2016/12/14/interviews/captain-zebra-and-philosopher-vasiljevs-a-story-told-by-stephane-lambiel-and-deniss-vasiljevs


以下、あまりにざっくりとした意訳ですので、上記サイトをお読みになられることをお勧めいたします。

ラトビアのデニス・ヴァシリエフス君は怪我に悩まされていたとは。
アイス・レジェンズで共演した後、より良い練習環境を求めたデニス君の方からランビに教えを乞うたということです。

あの天真爛漫だったラトビアのデニス君、怪我や練習拠点で苦しんでいたのですね。

準備期間の短い中で、あのGPSの演技ができたことだけでも、大変なことだったと知りました。

師匠の「四季」
"Captain Zebra"と言われる所以ですね。
ゼブラ号のキャプテン・ダーク・ハーンとは違うようです。

Stéphane Lambiel




こちらはまともな衣装の哲学者のお弟子さん。
"Philosopher Vasiljevs"
7-Deniss-Vasiljevs-FS-2016-Rostelecom-Cup.jpg


キリンに触発されたゼブラ衣装が、次はライオンになるところだった(?)というのはジョークで、
お弟子さんは愛らしいジュニア時代とは違う一面をこのインタビューで見せてくれています。

師匠と同じく “the soul of the nature”を表現したという「四季」ですが、
師匠テイストの衣装を着こなすには、少年ジャンプなデニス君なのでした。

キャプテンゼブラは意外に厳しいコーチのようで、
正確に彼の言ったようにできないと、弟子に「怒っちゃう」らしいです。

感性が似ているというランビ師匠とデニス君。
だからこそ彼の(困難の)扉を開く鍵を持っているし、必要な時にはそれを使うことができると言います。
魔法使いとその弟子か?

振付を行うことと、コーチとして選手と毎日向き合うことは違った経験だとランビは言っています。
後半のデニス君のインタビューを読むとわかるのですが、
スケートだけでなく、成長期の少年を育てる経験が、あのステファン・ランビエールにとって、どれだけ大きな経験になるか、楽しみでもあり、
心から応援せずにはいられません。



デニス君は言います。(かなりひどい意訳ですみません)

「僕は常に自分を越えようとしています。ハイレベルで、メダルのために闘う素晴らしいスケーターになりたい。
観客に、どれだけジャンプを跳んだとか、どれだけ勝ったとかではなく、僕のスケーティングとパフォーマンスを楽しみ、氷上の僕を愛し記憶してもらえるような。スケーターとして、また人として愛してもらえるような。」



デニス君は読書好き。
特に戦争・歴史ものが好きなようです。

ラファエル・サバティーニの「キャプテン・ブラッド」シリーズ、
日本でもおなじみのパーシー・ジャクソン、ハリー・ポッターシリーズ。
ハリー・ポッターでは「炎のゴブレット」がお気に入りというので、
「友情・努力・勝利」
まさに少年ジャンプな雰囲気が漂います。

「古代ローマ帝国時代、ナポレオン戦争、第二次世界大戦時の技術革新にも興味を持っていますし、
スターウォーズの宇宙、“ロードオブザリング3部作”も大好きです。」



更にラトビアという国の複雑な事情を思わせるような日本人の感覚とは全く違った戦争認識をデニス君は語ります。
それでいて少年らしいゲーム好きな感覚も持ち合わせているのがとても面白いと思います。

21-Deniss-Vasiljevs-SP-2016-Rostelecom-Cup.jpg

この愛弟子を育てる困難さをちょっぴり感じないでもありませんが、
次の冬季OPを目指すこの師弟から、目を離すことはできなさそうです。
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2017
01.02

明けましておめでとうございます

Category: 日常のこと
明けましておめでとうございます


酉年。

鳥。

2016national6.png



連想ゲームのオチはいつも通りです。

今年もよろしくお願いいたします。

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