2015
01.31

ジョニ―ズエンジェル?

Category: ジョニ子
地上波は見ないと言いながら、しょっちゅう見てるじゃん、と思われる方、
そうかもしれません。

ジョニ子につられてまたしても『炎の体育会TV』、見ております。

ジョニ子inハラジュク

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こんなところに追記しますが、
仕事とはいえ、アイスショーのついでだろうとはいえ、
ジョニ子もプル様も、
こんなのが日本人で、こんなのが日本のTVなんだなあ、って思って帰ったんだよね、きっと。

・・・・・以下自粛。

『サービス精神』という点では、ジョニ子もプル様に匹敵。

ふーん、ジョニ子のファンを「ジョニーズエンジェル」っていうんだと。

このわたくしも、でしょうか?


ジョニ子はTwitterで全米のショートのジャッジにはがっかりしたと書いてたわね。

彼の評価では全米男子のショートに関しては、一つの意見とは言いながら・・・
1. Farris 2. Abbott 3.Brown 4. Rippon

リッポンポンにはクワドルッツを跳んだすごい奴としてめっちゃ尊敬するとも。
リッポンの演技の時にはタラさんの興奮した声しか聞こえなかった気がしたけど、ジョニ子もだったのね。

ところでプル様ショーの動画も紹介されていました。

snowking.png

プルシェンコが「雪の王」に
2014年12月17日 スサンナ・アリペリナ

エフゲニー・プルシェンコの豪華な氷上スペクタクル「雪の王」の公演が、モスクワの「ルジニキ」体育館(市内有数の大きさを誇る施設)で10日間行われた。次のサンクトペテルブルクの公演を終えた後、一行は海外に旅立つ。
モスクワで行われた10日間の公演は好評を博した。
今後は日本、中国、韓国、ヨーロッパでも行われ、カナダ、アメリカとは現在協議中である。


http://jp.rbth.com/arts/sport/2014/12/16/51471.html

記事によれば「雪の女王」をベースに「シルク・ドゥ・ソレイユ」風の仕掛け

ジョニ子は「カイ」役で出演。
ゲルダ役にスルツカヤ。王子はジュベだそうです。




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2015
01.29

あたった

Category:
あたったからと言って、それが宝くじならいいのだけれど。

先週からウイルス性胃腸炎という名の何者かに胃がすっかりやられてしまっている。

激しい胃の痛みに、休暇をもらって養生に勤めていた。

休んでいる間の友に、ほぼ8年程前に出版されたこの本を読む。



著者は研究者らしいが、本が前半と後半では随分内容に隔たりがあり、「爆笑」という文字が空回りしている。
読みどころはむしろ笑えない後半部分だろう。

9.11を英国で迎えたというこの著者が、実際に見聞きしたことが周りのご友人方の行方と共に綴ってある。
ご友人に軍関係の方が多かったためにこのような内容になったのだろうけれど。

日本人が平和ボケと言われるのも致し方あるまい。



今の日本のマスコミがゴミ呼ばわりされるほどのものだとは散々書いて来た。
ネットニュースでさえ不可思議なラインナップである。

今回の人質事件を政府こき下ろしのネタにする野党と、それを隠れ蓑に『伝えない権利』を振りかざすメディア。
いい加減うんざりしていたところだった。

体調まで狂ったのは、ある会合に出た後のことだ。

日本の若者は私の年代ほど、マスコミには踊らされてはいまいと漠然と思っていた。

そうでもないようだ。

私がその毒気にあてられた若い女性がもし、純粋に日本人ならば。
何かを乗っ取られてしまったとしか思えなかった。

欧米についての話には凄まじい嫌悪の表情を見せ、ご存じの国の話を「これが世界だ」、とばかりに得意気に語る。
他を認めないその高飛車な態度に驚いた。

会合のテーマは「異文化理解」だった。

ごめんなさいね、私にはご存じの国も、彼女自身も、「理解の外」でした。







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2015
01.25

全米男子、ついにリッポンポンがっ!

全米選手権、女子のアシュリー、男子のアダム・リッポン、ラファエル一門の大活躍で終わりました。

アメリカも女子はジュニアの台頭で3位は16歳、今季はジュニア世選出場となるカレン・チェン。

ワールドに出場が決まったシングル選手は

女子 ポーリーナ・エドモンズ
    グレイシー・ゴールド
    アシュリー・ワグナー

男子 ジェイソン・ブラウン
    ジョシュア・ファリス
    アダム・リッポン

となりましたね。


ところで全米、ジェイソン・ブラウン君の進撃。
優勝したトータルスコア274.98は、全米選手権レコードだったとか。
クワド無しでこれですから。
装備完了した暁には、どんなことになるんでしょう。

正直、チャンピオンにはクワド持ちが相応しいのではと個人的には思うのですが、この全米、SPもFSもジェイソン君は実に素晴らしかったわ。
トリスタンとイゾルデは、多分あれからまたあちこち手を加えたのね。

私がつべで見た動画はNBCだったんだけど、ジョニ子(だと思うけど、違っていたらごめんなさい)が「彼は本当にほんっとによく練習したんだ」って言ってたわよね。

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・・・にしても、キスクラに一緒に座ってる人、「プリンス」みたいなこの人、誰?
振付師?

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SP上位3名はクワドは跳ばなかった。

と、思っていたら、来ました!

5位からフリー1位で総合2位!
銀メダルじゃないの、リッポンポン!

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片手、両手のタノジャンプ、美しかった!

客席がもう途中からすごいことになっていって、本人もどんどんゾーンに入っていく感じで、終わった時のあのガッツポーズ!

こんなところに追記ですが、Wikipedia情報では、リッポン選手、お母様はバレエ・ダンサーだったそう。
こんなルックスだからプライベートも王子様だと思い込んでいたのよ。

母子家庭の6人兄弟の長男(弟3人、妹2人)で、母親は元バレエダンサー。貧しいながらも温かい家庭で育った。長男としての責任感が強く、子供のころから母親の手伝いをしていた。マイケル・ワイスの奨学金を受け取っている。生まれた時は耳が聞こえなかった。幼いころエール大学で手術を受け、現在はほぼ問題なく聞こえる状態。憧れのスケーターはミシェル・クワン。



ワールドも4大陸も頑張って!

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ああ・・・・・・アボ・・・。
アボはSP3位から、FSは2つのジャンプミスで5位という結果に。
過去5回の全米選手権で最低の順位に甘んじた。
・・・と、icenetworkに書いてあったのよ。よよよ。

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みんないい顔。マックスも4位とはいえ、いい笑顔。

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JBって、真央さまを別にすれば、多分私の一番好きなスケーターかも。
リンクを舞台に変える術を20歳にして知ってる。
それも意識せずに。

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追記
やはりJBのお隣の方、ロヒーン・ワードさんという振付師でしたわね。
アメリカのKENJI先生、といったところでしょうか。
濃い、濃いわ!
この方、ブレイクするわ。

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2015
01.24

卒業式の鬼

Category: 日常のこと
卒業式に何を着ようかと、これからのシーズン考える方もいらっしゃると思う。

私も3年前とは明らかに違ってしまった体型に、んんんんん、と悩む。



・・・卒業式といえば、必ず思い出すことがある。

中学校の卒業式。

そこそこ楽しかった思い出もあり、最後の仰げば尊しでは涙の一つもこぼす予定だった。

ピアノ伴奏が始まって、皆が歌い始めてすぐのこと。

後ろの方から場違いな
「おおおおお~~~~ん」
「おぉーーん」
という鳴き声がする。

いや、あれは泣き声、人の声。

「だれ?」

皆が振り向き、ざわめいた。

人目もはばからず大音響で泣いていたのは、番長の母だった。

当時はまだそんな立ち位置の子がいたのだ。

彼は学校の「おもて番長」だった。
番長は、実は優しい男子だと皆知っていた。

学校の「おもて」として身体を張った結果、問題を起こしたというだけだ。

仁王立ちで泣いている番長の母を見て、
誰かが言った。

 「泣いた赤鬼」

「仰げば尊し」どころではない。
くすくす笑いが、伝染して止まらない。

「赤鬼」は、その息子をずっと見守って来たお母さんだった。


可笑しくて笑いながらも、15の私でさえ、その時思ったものだ。

「ああ、この人は、ほんとに息子に苦労したんだな」



その時一緒に笑った同級生の一人が、自ら命を絶ったと聞いたのは昨日のことだった。

あれから数十年が経ち、今どこかで出会っても、面影もないかもしれないクラスメイトたち。

様々な思いが蘇る中、私も息子の卒業式を迎える。


子供の卒業式は、子供だけの卒業式ではない。

私は、あんな風に手放しで、人目も気にせず大泣きするほど真剣に子供を育ててきただろうか。

どこか醒めた母親だと自覚がある私は、せめて赤鬼の母の「赤」の色が、ほんのわずかに入ったジャケットを着ることにする。





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2015
01.24

シャーロックの新住所

Category: TV番組
「エレメンタリー」第1話、2話をスパドラでようやく見た。

続けて最新ロシア版「名探偵シャーロック・ホームズ」をAXNミステリで見ているところだ。

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http://www.elementary.jp/

「エレメンタリー」のキャッチコピーは

「こんな“ホームズ”見たことない!」
「神の推理とサイテーの性格。あの名探偵がNYに現れた!」


確かにその通り。
でもね、どう見てもホームズとワトソンというより、エイドリアン・モンクとナタリー・ティーガーなのでは?

別にホームズとワトソンでなくても充分イケたと思う。

普通に最後まで一気に見るものを引き込む魅力はある。
ホームズと名乗っているのが邪魔なくらいだ。

一方ロシア版の新しいシャーロック。
sharlockrosia3.png

http://mystery.co.jp/program/sherlock_russia/introduction.html

ロシアから、新たに“躍動感”あふれるシャーロック・ホームズ誕生!

ロシアの国営テレビ放送チャンネル1で2013年11月に放送されたテレビシリーズ。ロシア人キャスト、スタッフによる本作は、原作をベースに制作されたエピソードの他、まだ映像化されたことのない短編やオリジナルエピソードも含めて作られた。制作を手掛けたCentral Partnershipはロシア最大手の映画会社で、総制作費1600万USドルという額が投じられ、映画のようなスケールで制作された大作だ。

ロシアでのシャーロック・ホームズ人気は高く、モスクワの英国大使館近くには、AXNミステリーで放送中の「シャーロック・ホームズとワトソン」の制作を記念して建てられたホームズとワトソンの銅像があるほか(2人が揃った銅像は世界でも珍しいと言われている)、英BBC「SHERLOCK シャーロック」でホームズの兄マイクロフト役を演じ、製作総指揮を務めるマーク・ゲイティスによると、「世界中からファンレターが届くが、ロシアからのレターがとても多い」という。

本作の撮影は、1970年代に制作された「シャーロック・ホームズとワトソン」同様、古都サンクト・ペテルブルグで8ヶ月にかけて行われ、シャーロック・ホームズの存在したヴィクトリア朝の世界観そのもの。
描かれるホームズ像は、原作通り27歳でワトソンと出逢う設定となっており、若きホームズは、よくしゃべり、よく動き、よく笑う、まさに“躍動感”あふれるキャラクターとなっている。



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冒頭、ワトソン博士の語りと共に、流れる映像はペンで書かれる手記と、これから始まるドラマ映像に繋がる機関車の絵。
ここからもう、面白いことはわかりきっているようなドラマの始まり。

ワトソン博士は除隊までの経緯と、年齢は重ねていても持ち続けている夢を語っている。
見るものをワクワクさせる、素晴らしいオープニングだと思う。

 「人生経験を積んだ熟年の私だが
冒険を好む若者気質がまだくすぶっていたのだ。

イングランドに友人 知人はいない。
誰にも干渉されず
自由気ままだった。

私がロンドンに来ても
別に不思議はなかった。

ここは怠け者が集まる
ゴミだめのような街だ。
一攫千金を夢見てくる者や
冒険に憧れる者たち。

娘たちは伴侶との出会いを求め
青年は公職を探し歩く。

誰もが期待を胸にやって来る。

私には2つの目的があった。

開業医になることと
作家になることだ。」

ロシア版「名探偵シャーロック・ホームズ」
第1話 字幕より



NYのシャーロックが活躍するエレメンタリーは現代に生きている。
見る方も急ぐ。
生ものだからだ。
勢いで見て、一度見たら終わり。

ロシア版の若いシャーロックは日持ちがすると思う。
これから何度も何度も繰り返し見ることになるだろう。
ヴィクトリア朝そのままの時代で新しいシャーロック像を築く、制作スタッフの心意気を感じる。

ホームズのルックスには多少の違和感があるが、
それもまた良し。

AXNミステリにはモンクも書いたが、こういった番組を流してくれる貴重な大事なチャンネルなのだ。
だからこそ、どうか、JもKも、入れないでほしい。



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2015
01.23

ねずみ女房

Category:
ねずみ女房 (世界傑作童話シリーズ)
ルーマー・ゴッデン (著), ウィリアム・ペン・デュボア (イラスト)

図書館で何気なく手に取って、その場で読んでしまった。

結構、衝撃だった。
子供の本は、これだから侮れない。



アマゾンではこう紹介されている

ごく普通の“主婦"として平凡な暮らしを送っていた女房ねずみ、でも彼女は、まだ見ぬものにあこがれる気持ちを持っていました。
ある日、捕らえられて籠に入れられた山鳩と、運命的な出会いをします。
鳩の語る野の魅力と自由な生活に胸を躍らせ、心を寄せていくねずみ。
渾身の力で鳩を逃がしてやり、みずからは残ったねずみが心にしっかりと抱いたものは……?



出版社からは

出版社からのコメント

これこそ、生涯に何度もくり返して読むべき本です。
友情と自己犠牲の美しさ、とも読めるでしょう。女性の生き方を汲み取ることも可能でしょう。
冒険に飛びたつことと、守るべき世界にとどまること。振り捨てることと受け入れること……。
だれもが自分に重ねて何かを感じ取ることのできる、深い物語です。



あ、やっぱりそんな話だったのね。
うっかり深読みしたかと思ったけれど、普通の受け取り方だったらしい。

このお話に出てくるのは、どこにでもいるような「主婦」であるねずみ。
ねずみ一家が住み着いているおばさんの家に、ある日捕えられた鳩がやってくる。
美しいゲージに入れられた鳩は、おばさんの与えるエサにも水にも口をつけようとはしない。

鳩にとって、水は植物の上にたまった朝露。

ねずみの女房は、鳩が不憫でならない。

ねずみのオットは女房が鳩の心配をするのが気に入らない。
「俺だったらチーズのことを考える」からだ。

女房はそのうちに子供を産み、その世話で忙しい。
けれど鳩が心配で、ある日様子を見に行くと・・・。
そこにはすっかり弱り果てた鳩がいた。

逃がそうとした鳩が、飛び立ってゆく様子を見たねずみ女房の表現があまりにも美しく素晴らしい。
石井桃子さんの訳である。

女房は私であり、鳩は私の心だ。

女房は、鳩はこの鳥かごの中にいるべきではないと思った。
そうして身を賭して鳩を逃がそうとするのである。

鳩が語った外の世界を、ねずみ女房は垣間見た。
夜の星を。

短い寓話ともいえるお話の中に、自分の本音を見てしまった気がした。

不意を突かれて、立ち止まったまま、思考は先に進まない。

ああ、ウディ・アレンだった。
「カイロの紫のバラ」。
ちょっと、違うけれど。
あの時より、鋭い。


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2015
01.23

コロンボ

Category: TV番組
「刑事コロンボ」は古い刑事ドラマだが、繰り返しAXNミステリで見る。

何度見ても飽きない。
放送されていても、録画でも、字幕でも、吹き替えでも、何でもいいのだ。

殺人を扱いながら、残酷ではないところがいいのだろう。

結局聞きたいのはコロンボの言葉。

第40話「殺しの序曲」
The Bye-Bye Sky High I.Q.Murder Case

この事件の犯人は、“知能指数がトップから2%という天才だけで構成される「シグマ協会」の会員”。

普通の人間にはとても敵わない相手だ。

コロンボは犯人をいよいよ追い詰める段階に来た時、自分の話を始める。

警察官になったとて、頭の良い人間は大勢いる。

「ああいうのが大勢いちゃ、刑事になるのも容易じゃないと思ったもんです。
あたし、考えました。
連中よりせっせと働いて。
もっと時間かけて
本を・・・読んで・・・。
注意深くやりゃ
ものになるんじゃないかって。

なりましたよ。

あたしはこの仕事が心底好きなんです。」


第40話 字幕版より



これに対し、天才ともてはやされ順風満帆だったはずの犯人が、自分の人生は苦痛に満ちていたと告白する。



受験シーズンの真っただ中にいる息子は、不器用で要領の悪いこと甚だしい。
テストは100点満点だということが未だ理解できないらしく、のんびりと楽天的だ。

受験の前日まで、私は彼の受験票の存在も、準備品から注意書きまですべてを書いたプリントの存在も知らなかった。
弁当がいるのかどうかさえ、定かではなかった。

まあ、無事に試験を受けて、ちゃんと帰って来たのだからそれでよいのだろうけれど。

本当ならば、ちゃぶ台の一つや二つ、ひっくり返したい日もある。

自分の息子に頭にきたある知人は、彼に手渡すはずの弁当を天井にぶん投げて、その弁当を自らの頭にかぶったことがあるそうだ。
わかるなあ。


こんな時、コロンボの言葉を思い出す。

ピーター・フォーク演ずるコロンボはあの甲高い声で言った。
「他のヤツらよりよく働いて、時間をかけ、本を読み、目を開きしっかり見て、
ちゃんとやればあるいは・・・俺は、やったよ。」

コロンボはここにきて、「自分がものになった」と言っているのだ。
犯人を刺激するためとはいえ、これは事実、彼が自分の尺度でそういう人間になれたという自負と見ていいと思う。


不器用でも、不出来な頭であったとしても、コツコツと色んな人の手助けを頂きながら彼のように生きていってくれれば、それでよいのではないか。

私は繰り返しコロンボのあの甲高い声を思い出す。

諦め、と言えば簡単だが、諦めとも違う。
達観したともいえないが、息子の人生は、とりあえず、彼の手の中にある。

いつか「ものになりましたよ。」と言える男に、なってくれれば・・・。

それは、ちょっと大きすぎる夢か。

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2015
01.20

フランス革命と死刑執行人

Category:
夕べ、一気読みした本。

死刑執行人サンソン ―国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書)
安達 正勝 (著)

フランス革命時、ルイ16世一家を死に至らしめたギロチンは、処刑された国王その人によって、人道的に完成された器具だった。
ギロチンを開発する最大の目的は、「罪人を処刑する際、できる限り、その苦痛を軽減するため」。
それ以前の処刑は身分や罪状によって細かく分けられていたが、そのやり方たるや、想像を絶する残酷さであったという。
読みながらも、目をそむけたくなるような事件がいくつも紹介されているが、それはこの本には不可欠なもの。



仏文学者安達正勝氏による力作。

敬虔なカトリック教徒であり、国王を崇敬し、王妃を敬愛していたシャルルーアンリ・サンソン。
彼は、代々にわたってパリの死刑執行人を務めたサンソン家四代目の当主であった。そして、サンソンが歴史に名を残すことになったのは、ほかならぬその国王と王妃を処刑したことによってだった。

本書は、差別と闘いながらも、処刑において人道的配慮を心がけ、死刑の是非を自問しつつ、フランス革命という世界史的激動の時代を生きた男の数奇な生涯を描くものであり、当時の処刑の実際からギロチンの発明まで、驚くべきエピソードの連続は、まさにフランス革命の裏面史といえる。



本の表紙の裏に書かれている、この通りの内容だが、「裏面史」がこの本なら、私にとって、表とはなにか。

勿論池田理代子氏の「ベルサイユのばら」に決まっている。
そしてAXNミステリで随分熱心に見た「王立警察二コラ・ル・フロック」だ。

「ベルサイユのばら」がいかに史実に基づき練られた話であるか、実在の人物が身分、品格、知性によって描き分けられていたか、今更ながら驚く。
この死刑執行人サンソンと、オスカルの人生を重ねて読むと、あの事件、この出来事が、表裏一体となって浮かび上がる。
私のようなてんで歴史音痴でもわかる程度、ではあるが。


ジャン=フランソワ・パロ(Jean-François Parot )による「二コラ・ル・フロック」は邦訳も出版されている。
主人公二コラの片腕として捜査の影で活躍するセマギュス医師。
彼が検視をする牢獄には、拷問に呻く罪人の声が絶えなかった。

このセマギュス医師の立場と表裏をなすのもサンソンである。

ルイ16世の描き方が、ベルばらとは全く違うのがまた面白い。
マリー・アントワネットの立ち位置も、ソフィア・コッポラ監督の映画とは違う視点で描かれている。

オスカルとセマギュス医師を追いながら、この本の主人公サンソンとその一族の歴史を読んでいく。

最後に死刑の是非を問うサンソンの心の叫びが畳み掛けるように訴える。
「死刑制度は間違っている!」
これは現代の日本における死刑制度反対とは大本は同じでも、違う叫びだ。

無実の罪で裁かれる人々を法の名の元に何千人も殺めた執行人の心の叫びなのである。

老眼と肩こりと、あらゆる不調を押してまで、読み始めてから最後まで、とうとう一度も本を手放すことができなかった、。
食器も洗濯物も、すべてほったらかしである。
それほど素晴らしかった。


アメリカの女流作家バーバラ・レヴィ(Barbara Levy)による、同じサンソン一族を扱った本もある。
「パリの断頭台 〈新装版〉: 七代にわたる死刑執行人サンソン家年代記 」



こちらは米国推理作家協会賞受賞を受賞している。
歴史ものというより、ミステリ仕立てなのか。


ベルばらのお好きな方にはおススメです。
オスカル、出てきませんけど。

追記

圧巻はルイ十六世を処刑した夜、革命軍にくみしなかったカトリックの神父を訪ね、最も貧しい祭壇で、自分が手を下した国王の、遺体なき野辺の送りを果たす場面である。
その後、ナポレオンと出会ったサンソンは、「自分は何者か」をナポレオンに突きつけ、狼狽すらさせている。

サンソンの孫の回想録を中心に、史実に忠実に描いてあるとしても、後半は作者の筆に何かが憑いたような筆致になっている。
冷静に描くには重すぎる。

この国の現在について、鋭い考察をされておられる、 シカさまのブログも合わせてどうぞ。


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2015
01.18

ジュピター

Category: 浅田真央
「鎮魂」を言葉にしなくても、伝わるものがある。

そういう演技を、この年齢で、この純真さで、なぜできるのかが不思議だった。

「ジュピター」の浅田真央は天女のようだった。

そういう風に、生まれた人なんだなあと思ったら、不思議でも何でもない気もしたけれど。

いやいや、これは、この身体コントロールは、彼女ならでは。
厳しさ、強さ、儚さ、純粋さ、苦しみも喜びも、全てを内包しながら
音を引き寄せ、自らの身体で奏でる。

1日遅れですが、「あの日」から20年。





冒頭のアラベスクからそのままスパイラルに入る美しさ。
びくともしない。
ゆっくりとした動きを保持する方が難しい。

このスケーターに、「子供っぽい」「ジャンプだけ」と言い続け、書き続けてきたメディアが、いかに愚かだったか。

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2015
01.18

恋するスケーター

カロリーナ・コストナーだから擁護するんだと認める。

コス姐さん、私は大好きなスケーターだから。

浅田のために泣いてくれたという只その一点だけでも嬉しかった。
長く一線で活躍できた稀有な女子フィギュアスケーターだというだけでも、尊敬する。

この処分は厳しい。

本人がドーピングしたわけでも、検査を拒否したのでもない。

同じアスリートだから止めるべきだったと人は言うかもしれないけれど。
同じアスリートだから庇わずにはいられなかったとも言えないか。

 フィギュア=コストナーに処分、1年4カ月の資格停止に
ロイター 1月17日(土)12時26分配信

 フィギュアスケート女子でソチ冬季五輪の銅メダリスト、カロリナ・コストナー(27、イタリア)は、イタリアの反ドーピング機関より1年4カ月の資格停止処分を受けた。

 コストナーは陸上男子競歩50キロの北京五輪金メダリストで元恋人のアレックス・シュバーツァー(イタリア)が薬物検査を逃れようと企てた際に協力した疑いがもたれていた。シュバーツァーは2012年に検査で陽性となり、3年半の資格停止処分を受けた。

コストナーは16日、イタリアのメディアに対し、とても残念だとコメント。スポーツ仲裁裁判所(CAS)に処分に対する不服申し立てを行った。

処分は16日より適用され、五輪メダルをはく奪されることはない。コストナーは今季を休養しているため、3月に上海で行われる世界選手権にも出場は予定していなかった。







追記:
勿論ドーピングが許されるとは思わない。
陸上のジョイナー選手が亡くなったニュースは、彼女のドーピング疑惑が根強かったがゆえにショックだったし。

それにしても、ソチのメダリストは今季男女とも、今一つ。
無理せず、気負わず、息長く頑張ってもらいたいなと思うのですが。


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2015
01.17

杉の柩

名探偵ポワロ
http://mystery.co.jp/program/poirot/index_s01.html

AXNミステリで「杉の柩」を見る。
014_01.jpg

ドラマとしてはとても面白かったと思う。
原作で素晴らしかったのは、エリノアの人柄を示す箇所だった。
本ならではのだいご味。
映像だけではわからない。

こんな女性が人を殺めるわけはない。
本来なら冤罪を救うべくポワロが立ち上がるのは、「このポワロだけが気付き、浮かんできた多くの疑問」があったからだけではないだろう。
このあたり、原作の伏線の張り方はクリスティーの独壇場と思われる。
人物の性質が事件の原因となり、展開を狂わせ、運命を決めていく。
謎解きと過去の因縁と人間模様とロマンスの配分がいい。

「杉の柩」の冒頭、主人公エリノアの病に伏した叔母がシェイクスピアを引用する。
『この身を杉の柩に横たえよ』の部分である。

くるがいい、くるがいい、死よ。
この身を杉の柩に横たえよ。
去るがいい、去るがいい、息よ。
美しいむごい娘に殺されて。
中略
花一つ、花一つさえ、
この身をおさめた柩にそなえるな。
友一人、友一人さえ、
悲しみの野辺の送りに従うな。
人知れぬ山奥の地に、この身を
埋めておくれ。
墓を見てまことの愛に泣くものを避けるために。

シェイクスピア全集 十二夜
小田島雄志:訳 白水社より



実は、丁度「十二夜」を読んでいるところだった。
この翻訳には?という部分もあるが、今読むと、違った意味で面白い。
若い頃は真面目に読んでは寝落ちしたものだが、今読むと、よくあるイマドキアニメの冒険物ストーリーのようではないか。

引用は道化が恋に悩むオーシーノー公爵に歌って聞かせる歌の一部なのだが、
ポワロがドクターに持たせるの赤いバラの意味するところといい、『杉の柩』もかなりな恋愛物である。

スーシェ版では、事件の解決の仕方はスリリングではあるが、やや説明不足の嫌いはある。
登場人物の人間関係を、映像だけでも過去にさかのぼって見せていないのが原因か。

嫉妬にさいなまれる主人公が自分を罰するように無実の罪を受け入れようとする気持ちが、「サーモンペースト」の描写だけでは、説得力がない。

屋敷は贅沢だったし、映像も美しかった、役者も良かっただけに勿体ない。

フランス版アガサクリスティー原作ドラマ、ラロジエール警部シリーズにも「杉の柩」が取り上げられている。
http://mystery.co.jp/program/little_murders/index.html
006_03.jpg

こちらはフレンチ版「杉の柩」でフェミニストの先鋒に立つ女性に扮したランピオン刑事と、その夫を演じたラロジエール警部。

「アガサ・クリスティーのフレンチミステリー」は、「杉の柩」に関しては文句なく面白かった。
設定は大きく変えられ、叔母は確執を持つ実の母親に、主人公と婚約者は幼馴染ではなく、ドクター役が従兄に置き換えられている。
ランピオン刑事の旧友(初恋の人?)だった従兄の依頼で、この刑事コンビが事件の舞台となる邸宅に潜入するのだが、女装したランピオン刑事に色気を感じるラロジエール警部がポアロ役なのだから、笑うしかない。

おまけに庭師の代わりか、メアリの粗野な父親が、女装したランピオン刑事を襲おうとする。
殺人に関しては残酷だが、あとは全編これコメディーである。
登場人物のハチャメチャぶりに終始開いた口がふさがらない。

ただ、終身刑(死刑でしたね)を言い渡される失意の女性の嫉妬心、過去を封印しなければならなかった富豪の女主人、遺産を狙って着々と網を張った犯人の描き方は、見事。
原作の持つエンターテイメントな部分を思い切り誇張し、残忍でありながらあらゆる場面にくすぐりを入れた抜群のパロディーになっている。
終わりの微妙さも、いかにも、である。

「クリスティーのフレンチミステリ」は、マープルものもポワロものも区別なく取り入れている。
「書斎の死体」と「スリーピング・マーダー」は混乱する作りで見苦しかったが、「鳩の中の猫」や「エッジウェア卿の死」「満潮に乗って」など、デイヴィッド・スーシェ版より見ていて楽しかったほどだ。


このシリーズ、古畑任三郎と今泉慎太郎よろしく、ラロジエール警部とランピオン刑事が活躍する。

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今泉刑事
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ランピオン刑事
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三谷幸喜も先日のオリ急、いっそのこと古畑警部補と今泉コンビに謎を解かせりゃよかったのだ。



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2015
01.16

贈り上手

Category: 日常のこと
いつも夕飯の買い物ついでにお茶する30年越しの友人から、「あ、これ、作ったの」と、さりげなく渡された。

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その日も二人で散々身体の不調を話し合ったばかりである。

細かい作業をする彼女の指は痺れ、肩こりは胸から脇の下を通り、左半身が痛んで朝起き上がることができない。
細かい作業はできないが、私の症状も全く同じである。
同病相憐れむというが、辛さはよくわかる。

その彼女が、このポーチを作った。
「縫った」だけではない。
短い糸と糸を結び合わせ、ネップ状にアクセントをつけながら、生地から「織った」布だ。

一瞬、泣きそうになった。

指先が痺れる私たちは、頸椎からやられている。
目と手を酷使し、前傾姿勢でいる時間が長い。

そんな指で糸を繋ぎ、1本1本色合わせを考え、ようやくポーチ大の布が織り上がったのだ。
彼女は元々お洒落なのだが、贈り物のセンスもいい。
どうしてわかるのか、必ず私が欲しいと思うものを贈ってくれる。

先日は別の友人が榮太樓飴を送ってくれた。

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そのまま郵便で送れるようになっている、国立博物館のものだ。
何故みんな私が喜ぶものを知っているのかが不思議だ。

贈り物は思いやりだと思う。

私は息子が幼稚園から保育園に移る際に、友人から送られた本を今も宝物だと思っている。
彼女の私達親子を気遣う気持ちに溢れていた。
その本を開いた時の嬉しさを、忘れることはできない。

一方、私は贈り物が下手だ。

自分がお歳暮に送ったものを、写メに撮ってわざわざ「ウケた」と送って来られたことがおありだろうか?
私には、ある。

相手はオットの上司である。
私はいたって真面目だったのだが、先方は冗談かと思ったらしい。

榮太樓飴の友人にも、同じものを送ろうとして、止められた。
「それ送ったら、嫌がらせだから」

結局、普通サイズの普通の店から送った。
それでも、「面白かった」という内容のメールが届いた。

「それ」とは地元の銘菓の一つで、お店によって大きさが異なる。
街で一番デカくてうまいものを送りたい、そう思うのがなぜ嫌がらせなのか?

手織りポーチの友人の誕生日は来月。
プレゼントはもう決めている。
友人も私も、ひどい老眼で悩んでいるのだ。

レビューには、『とても老眼の人には便利』とある。

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やはり、何か、変だろうか。


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2015
01.13

maomao写真が一杯で

Category: 浅田真央
SOI、真央ちゃん写真がいっぱいで、つい、どれもこれもと貼り付けちゃった。
大きさがバラバラですが。

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このままでいい、と、ファンは思うわけです。

幸せに滑っている姿を見ていたい。


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2015
01.13

感想

Category: TV番組
このドラマを楽しまれた方には申し訳ございません。
今回は私見、ということでご勘弁くださいまし。

クリスティーの名は、永遠に揺らぐことはないが、ミタニさんという脚本家はお気の毒だった。

http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2014/i/140819-i148.html
『フジテレビ開局55周年特別企画『オリエント急行殺人事件』

HPを見ると、力は入れていたらしい。
http://www.fujitv.co.jp/orientexpress/index.html

蛆テレビは全日本のみ録画で見るので、それ以外は知らない。
でも、あの三谷幸喜が「オリエント急行」をドラマ化するという話は知っていた。

クリスティー作品も、「古畑任三郎」も旧知の友人のように思っているミステリ好きは多いだろう。
私でさえ、このドラマだけは見たいと思った。

・・・・・・が、いくら蛆でも、これはないだろうという出来。

小林信彦の「降りられんと急行の殺人」くらい、読まなかったのか。
やるなら徹底的にやればよかったのに。

笑っていいのかマジメにやってるつもりなのか、あまりにもチグハグである。

どんな過程を経て、こんなもんになったのかは知る由もないが、
ミタニさんは、これを良しとしたのだろうか。
したのだったら、まだ救われる。
私がもし彼だったら、情けなくて泣くだろう。

局の意向丸出しのキャスティングと登場人物の名前。
お気に入りの八木さんをバーグマンに見立てた位が彼らしかった程度。


ポワロ役の野村さんも、可哀相だった。
笑えなかった。
こんな風に演じてくださいとでも言われたのだろうか。
狂言回しにすらなっていない。

ポワロは気高い男だが、繊細な一方、清濁併せた懐の深さも持っていた。
常に外国人として扱われ、どこへ行ってもよそ者だった。
戦争の影を背負い、灰色の脳細胞を誇ってはいたが、それゆえに孤独だったのだと思う。

髭の手入れに余念がない、どんなに気取った小男でも、これはないだろう。
肝心かなめのポワロがこれなら、他の登場人物でも遊べばまだ良かった。

ミステリのコメディー化は可能だ。
このドラマの最大の失敗は、「局の都合」が見え過ぎたことである。
全日本の放送と、本質は同じ。
せっかくの脚本を、粉々にした。

これだけの俳優を連れてきて、オリ急を題材にしてこの結果。
最初から最後までチグハグなままだった。
蛆はミタニさんを道連れに加え、今後も治癒することなく、朽ち果てていくのだろう。

追記

そうそう、アルバート・フィニーの映画版。
デイヴィッド・スーシェ版。

私はどちらも苦手だった。
シドニー・ルメット監督の超豪華俳優を揃えました版も、あのバーグマンにアンソニー・パーキンス、ショーン・コネリーにヴァネッサ・レッドグレイヴ、それぞれの俳優は好きだったが、映画の宣伝はド派手で嫌だったのをハッキリ覚えている。

私はアン・モロウ・リンドバーグの「海からの贈り物」を繰り返し読んだ時期がある。

夫はほとんど家にいず、知る人もいない初めての土地でのたった一人の子育ては苦しかった。
どん底だった時、家事と仕事の両立に逃げたくなった時、いつも思い出したのは彼女の残した本の一節だった。
「どんな女性にも、一人になる時間が必要である。」(多分こんな感じだったと思う)

そうだ、自分に必要なのは一人の時間。
それをこれほど欲して何が悪いのだ。

友人に恵まれたおかげで苦しい時期は抜け出したが、リンドバーグ婦人の言葉にも、どれほど救われたかわからない。

スーシェ版は、ポワロの「正義とは何か」という苦悩が加えて描かれており、それだけに厚みがあった。
事件そのものもリンドバーグ事件を扱ったノンフィクションが蘇るかのごとく、暗く辛かった。

原作もクリスティの作家魂が炸裂した作品だった。
「青列車の謎」で、彼女は初めてプロとしての自分を自覚したと書いてはいなかったか。
ブルートレインをもう一歩踏み込んで描いたように思えたオリエント急行。

プロの物書きとして、時には冷徹に現実から抽出したエキスを作品に注ぎ込む。
クリスティーはこのオリ急を書いた年、意欲的に創作を重ねた。

作品に好き好きはあろうが、傑作だと思う。

三谷作品を今更不治で見た私もどうかと思うが、パロディーを作るなら、徹底的にやるべきだったのでは。
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2015
01.11

身仕舞い

Category: 日常のこと
実家の母から、珍しく車を出してくれと電話があった。
古い友人が亡くなったという。
お通夜、お葬式共この寒い時期だ。
80を超えていれば体に堪えるので送り迎えが必要だった。

年々一人、また一人と親しい人が亡くなっていくのは寂しさと共に、恐怖もあるだろう。
母が気を落としていなければいいが、と思っていた。

・・・ところが、どうも様子が違う。
お通夜の日は、「久しぶりに友達が集まって話がはずんだから迎えはいらない」と言った。
そして葬儀が終わり、火葬場まで行った後も、なかなか連絡がない。

母の迎えは気が重かった。
どんな顔で帰るのだろう。
私が家まで送るとはいえ、一人暮らしの寂しい部屋に。

結局「迎えに来て」と連絡があったのは夜も8時を過ぎていた。
母が待っていたのはとあるホテルのロビーである。

彼女は上機嫌だった。
しょんぼりしているかもしれぬ母のために息子まで動員して迎えに行ったのに、ニコニコ顔である。
一体、何があったのよ。

曰く、「昨日も今日も、本当に楽しかったのよ」。

は?

あなたはお葬式に行ったはずでは?
大切な友人を亡くしたのでは?

聞けば、亡くなった母の友人は、生前細かく自分が亡くなった時のことをご家族と取り決めなさっていたらしい。
ひとつは、誰からもお香典を頂かないということ。
もうひとつは、参列の友人たちを皆、ホテルの美味しい食事でもてなすこと。

老衰で亡くなられたとはいえ、たった一人で旅立たれた孤独死だった。
それを見越して、すべては準備されていたそうだ。

母は悲しい気持ちを通り越して、感動していた。

会葬者は一部を除き、年金暮らし。
しかもほとんどが80歳を超えて、一人暮らしが多い。
病に臥せっていなくても身体のどこかに故障を抱え、ようやくぼちぼち歩く老女が集う葬儀である。

自分の葬儀に来てくれるであろう、友人知人への配慮をご自分の身仕舞いとされた。

タクシー代にと香典を受け取らず。
久しぶりに会うはずだからと会食は高齢者向きに整えられた素晴らしい食事だったそうだ。

皆で亡き友人の思い出を語らい、懐かしい話をし、お互いの近況を語り合い、ひと時、幸せな時間を過ごしたという。

「いいお葬式だった。最後にこんなにいい思い出を皆に残してくれて。こんな人を天晴と言うんだよ。」と母は言った。

もうすぐ自分たちも順に亡き友人の後を追う。
それまでもう時間は長く残されていないだろう。
だからこそ、亡き友人の心遣いが、身に染みて嬉しかったそうだ。

挙句、「自分の身仕舞いも考えなくちゃ」と言いだした。

まずは綺麗に白髪を染め、お化粧して、素敵な写真を撮るのだそうだ。






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2015
01.08

間近に見るツンデレ

Category: 日常のこと
不肖の息子にも数人、友人らしき女の子がいる。
皆で集まるときにはお互いの家に行き来して遊んだり、一緒に出掛けたりしている。
学校ではあまり話をしないらしい。

朝、息子が家を出ると、私はベランダに朝の空気を吸いに行く。
気取って歩く(本人は普通のつもりだけど)息子が嫌でも目に入る。

そこに左手側から友人の一人である女の子がやってくる。
家がすぐ近くなので、どうしても一緒になってしまう。
彼女は何故か息子とは逆方向を見ながら歩いていく。

ツン、っとして無視だ。

息子は声を掛けようにもタイミングを失い、カクカクと不自然な歩き方で彼女の後ろを学校へと向かうのだ。

この二人、夜になるとSkypeでは楽しそうに喋っているのが部屋から丸聞こえ。

息子にはそれとは別に、本命のギター少女と、皆の憧れ美少女の友人(そう呼べるのなら)がいる。
彼女たちはlineだかメールだか、とにかく返事が早い。

しかしその返事とは、
「うるせえ」
「なんか用?」
「今忙しいから」といったものであるらしい。

一方自分たちはモバイルを通して息子の私生活にバンバン介入を続ける。

こういう男子はいい暇つぶしになるんだろうな。

息子は一喜一憂しながら、数台ある彼独自のモバイルやPC(スマホを与えていないので自分で創意工夫している)を眺めている。

本命の女子に対してならわかる。
なぜ特別ではない女の子たちにまで付き合いが良いのかがわからない。

女の子として見ているのかさえよくわからない。
あんな扱いを受けているというのに。

嬉しいんだな。
冷たくされた後、「元気?」「何してんの?」とくるメッセージが。
男同士にはそれがないので、ニヤッとするわけだ。

ツンデレの歴史は長い。
歴史を紐解けばそれは御簾を隔てた頃からの「駆け引き」という名の恋の常套手段。
だったはずだけど。

草食肉食どちらでもない、イマドキの恋愛事情はよくわからない。
恋愛未満が広く浅く続くのは、一体いつまでなのだろう。

今、私に「いきもの観察日記」なる宿題が出されたら、きっといいもの書けるかな。

いつも子供に背を向けて、本かテレビかPCに向かっていると思ったら大間違い。
私には背中にも目がついてるんだよーん。
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2015
01.06

レビュー好き

Category:
「れもん、よむもん! 」 はるな 檸檬 (著)



私にはこの本、ものすごくツボだった。
同じような作家を読んできたせいもあるだろう。
確かに後半は回想録になっていたが、それがまた良かった。

江戸川乱歩の背表紙のマーク(?)、怖かったし。
シーナさんはイケメンっぽかったし。
吉本ばななの浮遊感。
星新一のオシャレさ。
そして
山田詠美の肌感覚。
懐かしいなんてもんではなかった。

実はエイミーの最後の話、泣きました。
羨ましくて。

にしても、本のレビューは手厳しい。
読み手の方がよほど物事に詳しい場合もある。

現在、ブロンテ姉妹を読もうと思ったら、現代語訳はどの出版社がいいのだろう。
ふと思ったので、アマゾンレビューを見てみる。

出版社ごとにレビューを読み比べるまでもなかった。
一つのレビューに出版社数社の翻訳と英語原文を比べてちゃんと載せてある。
私はこのレビューを書かれた方と好みが同じだったので、ものの5分で要件は片付いた。
翻訳家には実に真っ当なことを指摘していらっしゃった。
世の中には評論家になってもよいレビュアーもいらっしゃる。

もしかすると、本よりレビュー読む方が、面白いかもね。



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2015
01.05

休みボケ

Category: 日常のこと
盆と正月の年に2回、かつて女子高生だった私たちは「食事会」をする。
皆実家に帰って来るからだ。

場所は誰かが知っている料理屋であったりするが、何しろ人目をはばからずに思い切り喋れるところでなくてはならない。

一度中華料理屋で思い切り話せなかったので、場所を変えスタバでお茶することになった。
一応周りを気にしながら隅っこの席で話していたつもりだったが、女性客から「うるさい」と振り向きざまに叱られてしまった。
いい年をしたおばさんも、集団になるととんだ馬鹿者である。

今年はフレンチレストランだったが、貸し切り状態だったので安心だった。
ところがせっかく「どんだけ喋ってもOK」な店だったのに、皆「介護」や「仕事疲れ」で忙しく、集まったのはわずか。
来れなかった友人たちの理由もだが、その場の話題も似たようなものだった。

「膝関節症」
「マンモグラフィー」
「肩こりには温湿布」
「腰痛に効く温泉」
「今一押しの病院」
「親の病状および介護施設の現状」
「嵐およびSMAPのコンサート」

子供も夫もいたりいなかったりでそれぞれではあるが、大した違いはない。
元気で皆と食事ができることだけで、幸せだ。

昔は同級生のその後の話題で大いに盛り上がったものだが、もう今となっては明るくも羨ましくもない話が多く、「そっか・・・」で終わる。
しみじみと人生の秋を感じる。

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2015
01.04

良心

全日本で、小塚選手のフリーの演技を見た時、私が感じたものは何だったのだろうとずっと考えていた。

ジャンプは確かに完璧ではなかった。

とかく上半身の動きに目が行きがちなド素人(私)の度肝を抜くあのスケーティング。
これまで私は何を見てきたのだろうと自分の見る目の無さに恥ずかしさで一杯になった。

他の選手を見ても味わうことのなかった滑る爽快感がそこにあった。
美しかった。
滑らかに、軽やかに氷の上を滑走する。
アクロバティックなスケートとはまた違う王道の美。

以前書いたNHKでの小塚一家を取り上げた番組を思い出した。
あの番組を見た感想を上手く書けなくて、途中で非公開にしてしまった、ボツになったものだが、あげることにした。

✤ 小塚家3代の挑戦~NHKファミリーヒストリー

番組情報はこちらに詳しい。
http://tvtopic.goo.ne.jp/program/info/603209/index.html

彼が女子の回転不足について語った内容は、全て納得であるがゆえ、消化できないままだ。

彼のあの言葉は、素人でフィギュアスケートの何たるかなどわからない者が感じていることと全く同じ。

ジャッジの判定には整合性があるというフィギュアに詳しい方々は、彼が語った内容についてどう思っているのだろう。

その競技の、現役選手の言葉。
それを否定しても尚、ジャッジは絶対だと言えるのだろうか。

女子はあのくらい回転不足を厳しく取らなければ、世界では戦えない、通用しないという人もいる。

ではGPFはどうだっただろうか。

アシュリーのGPSでの回転不足はファイナルでは払拭されていた。

本当に彼女のジャンプがシリーズでは回転不足で、ファイナルでだけはそうではなかったのか。
そもそも今季、彼女や未来選手にああまで回転不足を取る必要があったのか。
アメリカの一押し選手がGGで、そのGGがファイナルを棄権したことで、
ロシア選手にすべての表彰台を渡すのがはばかられた結果ではないのか。

同じように、全日本でも何らかの都合があって、認めるジャンプ、認めないジャンプを選手によって使い分けたのではないか。

私はそこに陰謀があるとは言わないが、「都合」はあると思っている。

「都合」があることで混乱するのは選手だ。
試合ごとに認められたり認められなかったりする採点は、選手のメンタルを左右すると思う。
大きく。

それを乗り越え、誰も文句のつけようのない演技をすれば良いのだろう。

けれど、国内で選手のモチベーションを叩きのめす採点に何の意味があるのだろう。

小塚選手は見事に言葉にした。
選手という立場を超えて、スケートを愛する一人の人間として語ったのかと思う。

彼の「良心」が言わせたのではと思わずにはいられない。

「スケートへの良心」があればこそ、自分のためではなく、他の選手のために、敢えて。









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2015
01.03

快刀乱麻

Category: TV番組
NHKの少年少女ドラマシリーズは時間帯が夕方6時頃だったと記憶している。

たっぷり遊んで、夕食前のお楽しみの時間だ。
だから番組の記憶もハッキリとしている。

夜遅い時間帯のドラマはおぼろげな記憶しかない。
子供にはつまらなかったし、第一見せてもらえるはずもなかったのだが、一つだけ例外があった。

番組名も、主人公の名も覚えていない。
主題歌の一部と、馬に乗って疾走する武士らしき主人公の姿は焼き付いている。

主人公の足元は、坂本龍馬的なブーツではなかったか。

時代物であっても、紛れもない推理ドラマだった。
謎があって、解決する。
私が初めて見た推理ドラマだったと思う。

このドラマの謎を今年こそ解こうと思い立った。
主題歌の歌詞だけでヒットするだろうか。

・・・検索に引っかかった。
びっくりした。

私のミステリ好きの原点になったドラマは、”快刀乱麻”。

記憶にあった歌は「少女ひとり」(作詞・佐々木 勉、作曲・都倉 俊一)。

「少女一人 白い馬に乗って駆けてくる 霧の朝
幼くて 栗色の髪は愛も知らず 風に走る
木漏れ日の囁きに 溢れる泉
愛の歌 愛の色が 森を包む 
少女はいつか  悲しみを知っていた」



Wikipediaより

 『新十郎捕物帖・快刀乱麻』(しんじゅうろうとりものちょう かいとうらんま)は、坂口安吾の『安吾捕物帖』を原作とした、明治時代舞台の時代劇推理テレビドラマ。朝日放送(ABC)の制作により、TBS系列[1]で1973年10月4日から1974年3月28日まで、毎週木曜21:00 - 21:55(JST)に放映された。全26回。

キャスト

結城新十郎(若林豪)
主人公の名探偵、明晰な頭脳と推理力を持ち、難事件を解決していく。また、格闘技の心得もあるらしく、空手の師範が犯人だった時は、苦戦しながらも腕ずくで取り押さえた。ただし前歴は不明、背中に大きな入れ墨があると言われており、自由民権運動の闘士でもある。普段は、おそよの営む理髪店に居候しており、巡査の古田が来て事件解決の依頼をしても無関心を装うが、被害者や容疑者の関係者から必死の懇願を受け、心を動かされると重い腰を上げ、事件解決に乗り出す。最終回で背中の入れ墨を見せ、悪逆非道の限りを尽くしながら警察への賄賂で摘発を逃れていた悪党(神田隆)を刺殺し、その後海舟の手引きにより姿を消す。

荒牧英太郎(尾藤イサオ)
新十郎の友人で自由民権運動の仲間。事件の捜査を巡って、警視庁の巡査である古田と対立することが多く、その時には古田を「官憲!」と罵倒する。最終回で新十郎とともに姿を消す。

小山田鉄馬(沖雅也)
新十郎の友人で自由民権運動の仲間。剣の使い手。途中から登場しなくなった。

花逎家因果(植木等)
元薩摩藩士で、西南戦争・田原坂の戦いの生き残り。推理小説家をしながら、探偵として活動するが、いつも推理が当たらず番組では「迷探偵」とされている。いい加減な性格だが、西郷隆盛を敬愛しており、西郷の名を利用して詐欺を働く人物に激しい怒りを見せたことがある。また、因果の推理小説通りの事件が起きた時は、そのため犯人の疑いをかけられたことがあった。

泉山虎之介(花紀京)
元幕臣で、彰義隊の生き残り。勝海舟を親分と慕い、その家に出入りしている。事件が起こるごとに内容を海舟に報告し推理を求めるが、情報の不十分さから海舟の推理が当たらないことがほとんどである。

古田鹿蔵(河原崎長一郎)
警視庁の巡査。自由民権運動に加わっている新十郎を苦々しく思っているが、その一方で、事件が起こると新十郎に解決を依頼しに来る。内心では新十郎に友情を感じている面もあり、最終回では殺人を犯した新十郎と英太郎を密かに逃がそうとした。

おそよ(野川由美子)
理髪店の女店主。別居中の夫がおり、やや年増だが美貌の持ち主。そのため虎之介や因果、そして海舟からも思いを寄せられるが、本人は密かに新十郎に思いを寄せている。


小糸(志摩みずえ)
海舟の愛人。


勝海舟(池部良)
登場人物では唯一の実在の人物。明治維新後は隠棲しているが、事件が発生すると「瞑探偵」として子分扱いしている泉山虎之介からの報告を受け、推理を披露する。しかし、いつも虎之介の情報の不十分さから推理が当たらず、そのたびに虎之介を叱責する。新十郎とは対立しながらも、シンパシーを感じている部分があり、最終回ではその心情を吐露し、新十郎を逃がす。





ドラマと言えば昔はTBSだったなあ。

子供心にもこれは面白い、とワクワクしながら見た記憶がある。

ミステリ好きは、快刀乱麻が原点だったとは。

youtubeに最終回の一部が主題歌と共に上がっていた。

動画主様、ありがとうございます!




坂口安吾の「明治開化 安吾捕物帖」、早速探さなくては。
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2015
01.02

カドフェル再び

Category: TV番組
年末、怖さで俯いている私に、ドクターは取りあえず、今のところ大丈夫だとの判断を下した。
ホッとして、ようやく頂いた食事の美味しかったこと。

病院の検査とは、嫌なものだ。
でも良いドクターに巡り合えると、それだけでも救われる。
医者は慰めの慰者ともなりうる。

さて、AXNミステリ「修道士カドフェル」が日本語版になって帰って来た。

探偵役のカドフェルは修道士だが、薬草に精通し、薬湯を煎じ医者の役割も時に果たす。
同時に事件の関係者に慰めをもたらそうと八面六臂の活躍。

十字軍での経験からか「影」を背負っている。

原作は読んでいない上に、歴史に疎いので時代考証も今一つわからない。
それでも美しいシュールズベリの風景と、時に残酷な時代の人間模様には飽きない。

wikiより

修道士カドフェル(しゅうどうしカドフェル、Cadfael)は、エリス・ピーターズ作の連作歴史ミステリーの主人公。イングランドはシュロップシャー州シュルーズベリにある聖ペテロ・聖パウロ大修道院(シュルーズベリ大修道院、ベネディクト会)の修道士。一風変わった経歴を持つ修道士のカドフェルが様々な事件を解決していく。

修道院では、彼が東方より持ち帰った種子から育てたハーブが揃った薬草園を管理している。


12世紀頃、十字軍の時代というから日本で言えば平安時代といったところか。

修道院は治外法権というか、特殊な位置にあったようだ。
不敬なようだが、殺人事件の捜査にはもってこい。
他殺体を安置する修道院で、カドフェルは監察医よろしく、遺体の特徴から死因や事件の経緯を紐解く。

修道士の立場はこの場合探偵としては有利だが、修道院でのカドフェルは難しい立場にある。
上司ともいえる副院長との確執も見どころだ。

クリスティの小説同様、カドフェルの物語にも若い恋人たちが事件に絡む。
若者には恋愛成就の神様のごとく。
傷ついた者には慰めを。

威厳と優しさ、自身が苦しみを超えてきた人。

人を癒せる人間は稀有だと思う。

たとえば、こんな風に。

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