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老嬢の鼻眼鏡

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Category本 1/4

トキワ荘グループの末裔『萩尾望都と竹宮恵子 大泉サロンの少女マンガ革命』

『萩尾望都と竹宮恵子 大泉サロンの少女マンガ革命』幻冬舎/中川右介『大泉サロン』というのはざっと言えば少女マンガ版『トキワ荘』のことで1970年代、東京都練馬区 大泉学園駅から徒歩20分ほど。そこに建つ二軒長屋が『大泉サロン』だった。のちに『花の24年組』と呼ばれた少女マンガ家達を中心に彼女たちがどのように集まり何を目指し何を成し遂げてきたのか子供の頃から読んできた少女マンガの点と点がつながっていくように...

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『二人がここにいる不思議』

『二人がここにいる不思議』レイ・ブラッドベリ/新潮社雨は九州から今岐阜県を中心に恐ろしい程の勢いで日本を侵食している。遠方の友人知人から連絡をもらえるのは嬉しいけれどコロナの時といい明るい話題で旧交を温める方が本当は良い気がする。雨で思い出す小説といえばレイ・ブラッドベリの短編「長雨」。ブラッドベリなら今回は別の短編集で。スティーブン・キングがややこしく語ったことを要約すれば“唯一無二の存在“だと言...

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『遠い山なみの光』

『遠い山なみの光』カズオイシグロ/早川書房『信頼できない語り手』Unreliable narratorはカズオ・イシグロの特徴的語りの技法だという。Wikiによればこれは叙述トリックの一種であのクリスティの『アクロイド殺し』なんかがそうなわけで。その『信頼できなさ』がよく現れたノーベル賞作家カズオイシグロのそれはそれは暗いデビュー作『遠い山なみの光』。イシグロの生まれ故郷が舞台。以下めっちゃネタバレしてますのでご注意を。...

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『この夏のこともどうせ忘れる』(老人だからってわけじゃない)

深沢仁/ポプラ社この本はジャケ買いもいいところで。装丁、というか表紙の絵。そしてこのタイトル。4月に読んでこちらにもチラッと書いた本です。表紙からもわかるように登場するのは高校生が中心で。高校生の夏休みが爽やかでもなく夢にも向かわず。ただじっとりと湿度の高い日本の夏の重い空気に沈み込みそうな若さ。まだ生まれて2昔にも満たない彼らの人生の早い時点で負ってしまった傷。傷だという認識もないままそこから歪ん...

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『この年齢だった!』

『この年齢だった!』酒井順子/集英社27人の女性達の人生のターニングポイントになった『この年齢』に焦点を当てつつ酒井さん独特の切り口が冴える1冊。このタイプの本は他にもあって面白かったのは『そのときあの人はいくつ?』稲田雅子/小学館これも年齢に焦点を当てたショートショート偉人伝です。この本の方がより年齢のみにポイントを置いているのでその年齢で起きた出来事がスコーンっと入ってくる感じ。この本、ちょうど昨...

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応答機

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私の読書アンテナはちゃんと応答しているんでしょうか。よくわかりません。6月19日は桜桃忌。ということで久しぶりに『桜桃』と『ヴィヨンの妻』を読みました。どちらも短編ですからねサクッと読めるわけです。この年齢になって読むとやっぱり随分と違います。太宰は37、8歳で書いてるわけでしょ驚きです。うちのオットも定年が見えて来て。サラリーマン的悲哀であったり年齢を重ねることで頑固さに拍車が掛かったりそれはお互い様...

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黒の下から青ートルーマン・カポーティ初期短編集

去年の夏の終わり思いがけず『おっさんずラブ』で牧凌太を演じた林遣都さんの演技に驚いてうっかり沼にハマった気でいたのですが。今月号の雑誌ダ・ヴィンチのBL特集を読んでまたびっくり。漫画も映画もこんなにあったんですね。しかも大昔の『少年』の枠も無くなっていて。竹宮恵子も魔夜峰央も普通に読んでいましたし昔からそのジャンルはありましたけどその手ジャンルと『心の愛』が繋がっていなかったんです。私の中で。昨日、...

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『そして生活はつづく』星野源

『そして生活はつづく』星野源/文春文庫『逃げるは恥だが役に立つ』が毎週火曜日にダイジェスト版で再放送されていますね。私はお正月頃に多分paraviか何かで観ましたがまあハマりました。いやあの時は正直ガッキーの可愛いさにやられましたが星野源という不思議な存在に気がついたのはそれからだったんです。地上波テレビを観ない年寄りなんて、そんなもんですよ。あんなに映画の『夜は短し歩けよ乙女』で、星野さんが先輩役の声...

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『観光』を買いに

職場とスーパーと家をぐるぐる回っているだけの毎日。読みたい本があったので夜も開けているいつもの本屋さんまで夕ご飯の後、行って来ました。好きな音楽をかけて。少し冷たい夜風を入れながら小さな車で走って来たとか書くとちょっと気持ち良さげに聞こえますね。ところが夜の国道は法定速度なんて全然無視の車が多いんです。後ろから大きな車に煽られて車線を右往左往しながら車道の同調圧力に負け脇目もふらずめっちゃ飛ばして...

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『青くて痛くて脆い』

『青くて痛くて脆い』住野よる/角川書店映画化されて今夏上映される予定だそうですが、この夏はどうなることか。住野よるさんは『君の膵臓をたべたい』を読んで以来『よるのばけもの』、『また、同じ夢を見ていた』を続けて読みました。友情以上、恋愛未満という実にじれったくもどかしいこの感じ。事件そのものより読むことで草食系男子から気持ちの上でざっくりと傷痕を残されることに驚きます。若い時にもっとしっかり傷ついて...

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『絶景本棚』の絶景

『絶景本棚』本の雑誌編集部編画家、まきのいさお氏が本書で古く安っぽい本棚について語っていてるのですが。そのカラーボックスのような本棚でさえ月日が経つと愛着が湧いてきて、さらに『そのなかに古い本と新しい本が混ざってまるでうなぎ屋のたれのように味わいを増している。』『うなぎ屋ののたれ』とは言い得て妙です。この本、ほんとに絶景です。写真の中の本棚に収まった本の背表紙を眺めているだけでワクワクしたりちょっ...

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本の目印に

朝ドラ『スカーレット』の総集編を録画し忘れ。昨日はステファン・ランビエール先生のトレーニング中継も見損ねて。詰めが甘いんです。というわけで今日は林遣都さん御出演の舞台『大道寺家の人々』の録画予約を朝イチで確認しました。さて今生活するのに全く必要ではないもの。その1つが『エクスリブリス』。『エクスリブリス』って何?Wikiさんに説明してもらいましょう。 蔵書票(ぞうしょひょう)ないし書票(しょひょう)は...

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何を守り、何を捨て、僕らはどう生きていくべきか。『コロナの時代の僕ら』

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パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』あとがき公開のみ公開継続されていました。早川書房、4月10日には全文48時間公開していたんですね。それだけ今読んで欲しい本だったのだと思います。このあとがきには訳者の飯田亮介氏も書いているように、心打たれるものがあります。早川書房のHPにリンクしています。→何を守り、何を捨て、僕らはどう生きていくべきか。...

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『あたしたち、海へ』

『あたしたち、海へ』井上荒野/新潮社本の帯が好きでじっくり見てから本編に取り掛かる。帯が案外先入観になって思っていた話と違うよねそう思うこともあってこの本はまさにそれだった。以下素人の勝手な感想でネタバレなのでご注意を。最終的にこの小説は帯の言葉に集約されていくのだけれど。でもそう単純ではない。登場人物の視点がくるくる変わっていくのは流行りなのだろうか?それが効果的なことも欠陥になることもあるので...

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『コロナ時代の僕ら』パオロ・ジョルダーノ

『コロナ時代の僕ら』パオロ・ジョルダーノ/早川書房トリノ生まれの物理学者によるエッセイ集だ。つい先日、今年の2月から3月にかけて書かれた『Nel contagio』を早川書房がいち早く捕まえ邦訳出版したのが4月25日。私がこの本を手に入れたのが昨日4月30日。どんだけ狭いんだ、世界。凄まじいスピードで翻訳を成した飯田亮介氏自身もイタリアのとある村に住んでいる。横浜に続き長崎で発生したクルーズ船の集団感染の件で船会社の...

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『絶望名人カフカの人生論』

『絶望名人カフカの人生論』カフカ/頭木弘樹 編訳/新潮文庫どうせなら、一緒にどん底まで落ちよう。カフカと一緒なら怖くないかもしれない。繰り返し読んでも笑ってしまうこの本。一緒に思いきって絶望できる友達ができたらこんなに愉しいんだな。カフカの迷言集、と言えば良いのかもう悩みなんか笑い飛ばすしかなくなるほどカフカのネガティブ思考は突き抜けている。編者、頭木弘樹氏の切り口語り口に載せられどうしようもない情...

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ゴーストタウンで

閉鎖された駅ビルの書店に本を注文する。在庫があれば駐車場から直結の入り口で本を受け取りニコニコ現金払い。1階のスーパーと、隣のパン屋さんだけが辛うじて開いている薄暗い駅ビルは人影もまばら。息を潜めるように約束のスタッフ専用出入口に向かう。重い鉄の扉から、本を抱えた可愛らしい女の子が出てきた。禁忌の品でも受け渡しされているような。ちょっと非日常な風景にドキドキした。昨日買った本は今まさに、のベタな本...

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『なにか、わたしにできることは?』

『なにか、わたしにできることは?』ホセ・カンパナーリ/西村書店毎日、朝食をとりながら、おじさんは新聞を読む。一字一句、たんねんに。ちっとも心を動かされない記事もあれば、思わずにっこりしてしまう記事もある。全身がふるえあがふような記事も、たくさんある。おじさんは不安でたまらない。コロナウイルスで多くの命が失われたスペインの作家。2008年作。不安の中で、あの言葉が頭の中にぐるぐるまわっている。ある朝おじ...

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『ゴリオはどうしてこうなのか』

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前項、前々項の続き我が家に帰って来たことで衣食住が乱れがちな貧乏学生ゴリオ(息子)の生活は少しマシになった。問題はオットと私。こんなご時世でさえなければ息子がどこで何をしようが気にもしないが今は緊急事態なのだ。ところがうちの大学生は‥‥まあ、20代に入ったばかりの所謂若いもの。もちろん飲みにも行かず群れもしないがそれでも友達とは個別に頻繁に会っている。遠隔授業をしてもらっても週一回のバイトには行く。そ...

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『眼は見るべきものを見る』

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前記事の続き。以下は全くのど素人が本を読んで好き勝手な妄想繰り広げているだけです。くれぐれも真に受けることのありませんよう。////////////私たちは生まれつき『美しさは善』というイメージを持っているそうだ。『40人の神経科学者に脳のいちばん面白いところを聞いてみた』デイヴィッド・J・リンデン編著/河出書房初版は2019年12月この本の『パート3 知覚と運動 第14話 眼は見るべきものを見る』によれば『視覚というのは...

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『脳のいちばん面白いところ』

情報を得るため地上波テレビを所々観る。民放各局工夫も見えるけど。何にそんなに怒っているのかわからないことも多い。居心地が悪いのでテレビを消しTwitterを開けば#頑張れ安倍総理『マスクが無いからマスク配りまーす』『みんなが欲しいって言うから10万配りまーす』『アムロ行きまーす』あ 寒い(OvO)国民の反応が秒単位でここまでダイレクトにお上に届く時代がかつてあっただろうか。安倍さんが国民の声を聞いても聞かなくて...

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Pollyannaismまたは陽性バイアス

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『ポリアンナ』と呼ばれるその娘の名は、村岡花子さんによって『少女パレアナ』というタイトルで翻訳され、今も新しいバージョンが読み継がれています。『よろこびのあそび』と村岡さんが訳した『glad game』。どんな事にも喜ぶべき側面がある。この楽観主義は一見とても鼻につくものです。ただ、単なる楽観的物の見方を小説世界は記してはいないのでした。ポリアンナの原則https://en.m.wikipedia.org/wiki/Pollyanna_principleポ...

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おさるのジョージの家計簿

『戦争をくぐりぬけたおさるのジョージ 作者レイ夫妻の長い旅』ルイーズ・ボーデン/岩波書店『おさるのジョージ』は絵本の中の可愛いバディですが、クリスマス時期のジョージの絵本はこれです。『ハッピー・ハヌカー おさるのジョージ』。作者のレイ夫妻がユダヤ人だったからなんですね。ドイツ生まれのレイ夫妻が異国で出会い、『おさるのジョージ』を共に生み出しました。第二次世界大戦の最中、パリにナチスドイツの手が伸びる...

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『すきになったら』

『すきになったら』ヒグチユウコ/ブロンズ新社絵本の帯が、ピンクとブルーの2色ありました。おまけなのか、一筆箋がページの間からヒラリと。ヒグチユウコさんの緻密なタッチが、今回猫ではなく、ワニに、遺憾なく発揮されています。もうね、お高い絵本ですが、これは買いです。2016年初版で、3年の間に9刷を重ねています。ヒグチユウコさんの絵と、言葉のひとつひとつが手を取り合って。ひらがなって可愛くてセクシーだとか思いま...

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『日はまた昇る』

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『日はまた昇る』アーネスト・ヘミングウェイ/集英社小説にジェンダーは関係ないと言いたいけれど。やっぱりあると思う。この本は、というか、ヘミングウェイの小説は、やはり女性向けではない。昔の名作って、ミステリでさえネタバレしてしまっているので大体結末の予想は付く。この本に限っては、それでもこのテーマをどう完結させるのかという興味に惹かれて読んでいるわけだけれども。第一次世界大戦後のパリ。戦争で心身とも...

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恋愛小説ってなに

先月の読書会でのことだった。終了間際に次のお題を主催者が言い渡した途端、そこにいたメンバー全員が浮かない顔をした。「来月のテーマですけど、今度こそ【恋愛小説】でいきましょうよ。せっかくのバレンタインなんだから。」こちらの読書会は毎月決まったお題に沿って、各自がおすすめの本を持ち寄り紹介するという気楽なものだ。がしかし常連メンバーは一筋縄ではいかない。ミステリが好きなおじいちゃんはいついかなる時もミ...

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永井路子版『方丈記 徒然草』

今回も他所に保管していた感想文を移した備忘録です。『永井路子の方丈記 徒然草』落窪物語は漫画の出来が(編集の仕方が)思いのほか良くて大いに楽しみました。でも方丈記は永井さん版で。1方丈は京間の四畳半の1.12倍程の広さとWiki先生に書いてあります。で、四畳半の部屋そのものは室町時代にできたとも。『仏教においては方丈に全宇宙が内在しているという考え方が生まれ、そこから寺院の住職が生活する建物を特に方丈と呼...

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田辺聖子版『とりかえばや物語』

田辺聖子さんの作家としての構成力は『リアリストだから』と『古典の森へ』の中に書かれていますが、彼女は同時に宝塚を観て育ったロマンティスト。お聖さんは小川未明が大好きだったそうです。小川未明は『赤いろうそくと人魚』などで知られる児童文学作家。我が家でも祖母から母、母から私へのクリスマスプレゼントになったのがこの小川未明の本でした。さて、田辺聖子の手になる『とりかえばや物語』。以前他所に書いて残してお...

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『夢をかなえる力』

『夢をかなえる力ー私がスケートから学んだことー』浅田真央/新書館昨日、帰って来ると届いていましたヤッホー。バレエ雑誌『クララ』に連載された記事が本になりました。真央さんが練習着にチュチュを着て、トウシューズでポーズをとる姿が新鮮。とにかく写真が素敵。柔らかい記事にレッスン着の写真とは対照的に、サンクスでの真央さんの写真は別人のように妖艶で。内容はジュブナイル向けですが、ストレッチの仕方や食事につい...

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三島由紀夫『レター教室』

『レター教室』三島由紀夫/ちくま文庫装丁は安野光雅さん。緋色で『LETTERS』って書いてある色調が好き。1966年(昭和41年)、週刊誌『女性自身』9月26日号から翌年1967年(昭和42年)5月15日号に「三島由紀夫レター教室――手紙の輪舞」として連載された。単行本は1968年(昭和43年)7月20日に新潮社より刊行された。文庫版は1991年(平成3年)12月4日にちくま文庫で刊行されている。Wikiより最初の人物紹介で戯曲かしらと思ったけ...

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お金本

『お金本』左右社1冊読むのに2日かかった。読み応えがあるといえばある。90名の文豪、アーティスト、作家、漫画家の金銭に纏わる書編が集められている。出版は左右社。最近の読書会でも紹介していた人がいたが、私の周辺でこの出版社の出す本は面白いと言う人は多い。まず表紙、装丁がいいし、『はじめに』もいい。本編を読みながら、『出典はいるよな』と思っていたら巻末に索引よろしくしっかり載っていた。巻末付録も力作だ。目...

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フォトエッセイ『悠久のとき』

写真右『月刊たくさんのふしぎ イースター島 ちいさくて大きな島』野村哲也 文・写真/福音館書店写真左『悠久のとき』野村哲也 写真・文/中日新聞社舞台『風博士』をネットで検索していて見つけたのが写真家・野村哲也氏のブログだった。始まりは遣都物件だったけれど、私の関心は全く違う方に引っ張られてしまった。同じ舞台を観た筈なのに、自分が書いてしまったものを消してしまいたくなる程それは美しく、臨場感あふれる舞...

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掃除婦のための手引書

『掃除婦のための手引書』ルシア・ベルリン/岸本佐知子訳/講談社ルシア・ベルリンー1936年アメリカ生まれ。ー鉱山技師だった父と共に鉱山町を転々としながら育つ。ー祖父は歯科医で祖父、母、叔父、ルシアもアルコール依存症だった。ー大学在学中に結婚。結婚離婚を繰り返し4人の息子の母となる。ー高校教師、掃除婦、電話交換手、ERの看護師などの仕事をしながら引越しを繰り返す。ー1990年代、アルコール依存症から回復し、サン...

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緋色のマドンナ

『緋色のマドンナ  陶芸家・神山清子物語』那須田淳 著/ポプラ社ハードカバー1冊を、あちこち動き回りながら結局手放せず、夕食後そのまま一気読みしてしまった。朝ドラ『スカーレット』のモデルになった陶芸家神山清子さんを描いた本だ。普段読む本のために図書館を利用しないとはいえ、そこに行くのは好きだ。昨年引っ越した先は以前のマンションから車で5分程。こんなに近いのに行政区域が変わったため、お役所での手続き諸...

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こころ朗らかなれ、誰もみな

『こころ朗らかなれ、誰もみな』アーネスト・ヘミングウェイ著/柴田元幸訳/スイッチ・パブリッシングこの本、分厚いハードカバーとはいえ、税込2640円はお財布に痛かった。私は基本図書館は利用しない。借りて読んで良ければ買い直すので、結局手間なのだ。同じ本を何度も繰り返し読むし。ヘミングウェイには学生の頃、挫折していた。文学史にアメリカを選んだ時、まさかヘミングウェイから道を阻まれるとは思いもしなかった。おか...

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ブラッドベリかく語りき

『華氏451度』【新訳版】レイ・ブラッドベリ著/伊藤典夫訳/早川書房新訳版は文字も少し大きめで読みやすかった。引越しの諸々で持っていた本をどうしても見つけられず、買い直したのは正解だったかも。さて、wikiによれば ブラッドベリ自身は『この作品で描いたのは国家の検閲ではなく、テレビによる文化の破壊』と2007年のインタビューで述べている『華氏451度』のディストピア世界に、家族がそこに腰をかけ、夕暮れを愉しむ玄関...

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華氏451度

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引き続き朝ドラ『スカーレット』での林遣都君の演技の『間』について考えていた。ふと今夜の読書会のために読み直しているレイ・ブラッドベリ『華氏451度』に、実はこんな風な『会話の間合い』は存在しないような気がしてきた。ページの合間に時折挟む混まれる一、二、三。四、五、六、七のリズム。間合いではなく、リズム。リズムを伴って本の中から連打されるのは、百花繚乱の如き華やかな比喩暗喩。読み手はひたすら上を向いて...

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つめた貝

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『女はいつも自分をこぼしている。子供、男、また社会を養うものとして、女の本能の凡すべてが女に、自分を与えることを強いる。時間も、気力も、創造力も、女の場合は凡て機会さえあれば、一つでも洩る箇所があれば、そういう方向に流れ去る。女は喉を乾かしているもののために絶えず自分というものを幾らかずつこぼしていて、縁まで一杯に満たされるだけの時間も、余裕も与えられることが殆どない。(中略)与えるのが女の役目で...

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A.A.ミルン

『A・A・ミルン』懐かしい作家です。ミルンは、私にとって『くまのプーさん』の作者ではなく、推理小説家でした。大人になって、あのプーさんの作者だったことを知って驚いたくらいでした。『赤い館の秘密』のあらすじなんてもう全く記憶にないのですが、昔の推理小説全集では、ミルンもルルー(オペラ座の怪人、黄色い部屋の秘密等の作者)も、推理作家として紹介されていたのです。横溝正史の生んだ探偵、金田一耕助は、ミルンの...

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眉村卓さん

作家、眉村卓さんが亡くなった。『ねらわれた学園』、『なぞの転校生』、『幕末未来人』、『まぼろしのペンフレンド』などはNHK少年ドラマシリーズの原作となった。晩年まで書き続けた息の長い作家。記憶はもうおぼろげで、記憶違いも多いかもしれない。そのくらい昔。初めて読んだ眉村卓の本は、姉が買ってきた。中高生が主人公のジュブナイルSFは、自分の身近な姉の姿に主人公を投影できた。怖くもありワクワクもした。夕日の赤...

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『人間』読了

又吉直樹『人間』を読み終わって、どう記録に残そうかと考えあぐねている。来年の手帳と、『ケーキの切れない非行少年たち/宮口幸治/新潮新書』、そして『人間』のサイン本は一緒に買って、『ケーキの切れないー』を先に一気読みしていた。『人間』は毎日新聞の連載小説だったものが長編として出版された。又吉直樹にとって3部作となるであろう『火花』、『劇場』、そして『人間』。今回読み終わった『人間』。構成としては個人的...

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カポーティとホリー・ゴライトリーと。

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またしても引っ越しを画策している割にはのんびりしている相変わらずの週末。『ティファニーで朝食を』の読書会があるというので行ってみることにした。トルーマン・カポーティは短編が好きだったので、取り立ててホリー・ゴライトリーに会いたいと思っていたわけでもないけれど、懐かしさ半分で会場の扉を開けた。『ティファニーで朝食を』は、カポーティが友人だったマリリン・モンローをモデルに書いたと言われている。ちなみに...

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ノーベル文学賞はまだだけど

『なにかが首のまわりに』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ/河出文庫最近読んだ本で、1番遠いところに連れて行ってもらったのがこの本。作者はナイジェリア出身の生まれながらの『フェミニスト』。凄い美人。この短編集は、短いセンテンスのクールな文体に翻訳されている。全く想像のできない暮らしと価値観に引き回される。表題作は、アメリカに住む親戚のおじさんが家族全ての名前でヴィザの抽選に申し込み、自分のヴィザを手...

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The Catcher in the Rye 再び

読書会と言えば、の自分用備忘録です。先月のことでした。映画『天気の子』を観た後『ライ麦畑でつかまえて』をもう一度読んでおこうかな、と思っていたところに、この本の読書会が開かれるということを知って参加して来ました。2時間半たっぷり、講義とかゼミの感覚でお話を伺い、楽しんで。そして、この本を初めて読んだ時のイラっとした感覚をまざまざと思い出したのでした。ユダヤ人の父、カトリックの母を持つホールデン少年...

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『しくじった。惚れちゃった。』

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録画していたJapan Openを観ながら書いています。夕方、買い物を終えて駐車場に停めた車に乗ったところへ、さっちゃんからラインが入りました。何と今からCaOIを観に行くと、会場前の写真を送ってくれたのです。私なんかより余程リアルスケートファンなさっちゃん。あまりに羨ましくて、ぐわあああ!と、車の中で悶えましたよ。一方冴えない私がそこから向かった先は、太宰治の『斜陽』を読む読書会だったのでした。私は月に 2度程...

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夜想曲集

「夜想曲集ー音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」ハヤカワepi文庫カズオ・イシグロ(著)日本人の笑いのツボ、センスと、翻訳もののそれと。ズレていることもあれば、擽られることもある。「夜想曲集」。クスっと笑うことはあっても、何かが違う。これは漫才の「間」や落語の「オチ」が正確には翻訳できないのと同じではないか?訳者あとがきに興味深いことが書いてある。イシグロは、作品を発表するたびにプロモーションに駆り出さ...

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『月の満ち欠け』

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『月の満ち欠け』佐藤正午直木賞を取った作品だそうで、選者の1人だった林真理子はこの作品を『気持ち悪い』と言ったそうだ。乗り物酔いに似た感覚は覚えるけれども、それをどう捉えて良いのかわからない感じ。久しぶりの一気読み。長さを感じさせない素晴らしい構成。登場人物それぞれの立場から物語が語られる。時間が行きつ戻りつするが、電化製品で時代を表現するのはわかりやすくていい。主人公(おおもとの)三角と瑠璃の出...

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特急二十世紀の夜

『特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー』カズオ・イシグロが2017年、ノーベル文学賞を授与された折に行った受賞記念講演が収録された本である。スピーチを書き起こしてあるので短時間で読める。タイトルに惹かれて買った本だが、どういうわけだろう。涙線にくる。カズオ・イシグロは自分の幼少時から20代、30代、40代と、創作のエポックとなった出来事を実に理路整然と語る。日本語訳が素晴らしいこともあるが、ペ...

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もう、笑い屋はいらない

私は多読ですが、忘れっぽいので気に入った本はそれこそ何回でも何十回でも読むタイプ。ドラマも映画も同じなので、偏りが激しい方だと思います。結果ブログに書く感想も、いつも同じ系統の本ばかり。ということで、またナンシー関の『何様のつもり』を読んでいます。夫が今日入院、明日手術になり、命には関わらないものの、仕事を休んで病室の硬い椅子に長く座っていました。椅子の責め苦に耐えて座っている間、ナンシー関なら楽...

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5歳の真央から

宇都宮直子さんの『浅田真央 age 18-20』を読み返しています。真央さんが幼い頃から浅田家と極めて近い所でフィギュアスケートを取材し続けたライターが書いた、真央本の中では後期にあたる文庫版です。もしかして今までに書いた宇都宮さんの本の感想で同じことを書いていたかもしれませんが、読むたびに感想を書きたくなるので、また書きます。真央さんがまだジュニアだった頃、姉の舞さんがいち早くマスコミの注目を浴び始め、テ...

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